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The Paragliding Podcast By Cross Country Magazine · 2026年5月5日

The Paragliding Podcast, Episode 1

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この記事でわかること
  • パラグライディングの今を凝縮——『Cross Country Magazine』ポッドキャストが描く競技の深層 『Cross Country Magazine』の編集者エ...
  • [0:00] 「20万円も使っちゃった」——クープ・イカールで目が眩む買い物欲 エドとタークィンはまず、クープ・イカールで何が目に留まったかを互いに尋ね合う。エドが「20...
  • 特にエドが注目したのは、ジンの新型「Bandit 2」。EN-Bクラスの中級機でありながら非常に軽量で、「学校を出たばかりのパイロットが最初の100時間を飛ぶのに最適」と...
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The Paragliding Podcast By Cross Country Magazine / Cross Country magazine

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パラグライディングの今を凝縮——『Cross Country Magazine』ポッドキャストが描く競技の深層

『Cross Country Magazine』の編集者エド・ユーイングとタークィン・クーパーが贈る新ポッドキャストの初回は、年に一度のフリーフライトの祭典「クープ・イカール」特集号を軸に、スコットランドでの200kmクロスカントリー、レッドブルX-Alpsの写真家フェリックス・ヴェルクの芸術性、ブラジル世界選手権での悲劇とその後の安全改革、そして最新ギアのトレンドまでを縦横無尽に語り尽くす。二人の軽妙な掛け合いと、編集者ならではの業界インサイダー視点が光る、約45分の濃密な一編だ。

0:00「20万円も使っちゃった」——クープ・イカールで目が眩む買い物欲

エドとタークィンはまず、クープ・イカールで何が目に留まったかを互いに尋ね合う。エドが「20グランド(約3万ドル)も使っちゃったよ」と告白するところから、この祭典の熱気が伝わってくる。毎年フランスで開催されるクープ・イカールは、メーカーの新製品が一堂に会するトレードショーであると同時に、仮装パレードや曲技飛行のデモンストレーションが繰り広げられる一般向けのフェスティバルでもある。二人はそこでハイク&フライも楽しんだという。

特にエドが注目したのは、ジンの新型「Bandit 2」。EN-Bクラスの中級機でありながら非常に軽量で、「学校を出たばかりのパイロットが最初の100時間を飛ぶのに最適」と評価する。そして興味深いのは、多くのブランドがEN-Aクラスに「プラスα」の性能を詰め込んでいる動きだ。これらは明らかにスクール用ではなく、卒業後にサーマルやクロスカントリーを学ぶための翼として設計されている。「EN-Aプラス」と呼ばれるのをメーカー側は避けたがるが、実際にはそういう位置づけの製品が増えているという。

EN-Aの利点についてエドは、「頭の中の余裕がまったく違う」と説明する。離陸も着陸も空中での挙動も非常に素直で、翼を操ることに意識を割く必要がなく、目の前の空気の動きを読むことに集中できる。逆に、自分の技量より進んだ翼に乗ると、過剰なフィードバックで情報過多になり、早々に降りることになるか、愚かな判断をしてしまう——この指摘は、パラグライダーにおける「適正グレード」の重要性を改めて考えさせる。

5:44詩人の心を持つツリーサージョン——ジョー・ダートのスコットランド200km

タークィンが「今号で最もエキサイティングな記事」と断言するのが、ジョー・ダートによるスコットランド縦断フライトのレポートだ。スコットランドでパラグライダーを学んだエドは、1990年代の黎明期を懐かしむ。当時はハイク&フライが当たり前で、山に登っては飛び降りる日々。今ではクロスカントリーが主流になり、そのポテンシャルがついに開花したと語る。

ジョー・ダートの記事は、北西ハイランドの最果てから南東へ、200kmを超える距離を飛ぶ壮大な挑戦の記録だ。エドは「君の文章は詩人のようだ」と褒めたところ、ダートは「父が詩人でね」と照れながら答えたという。実際、彼は16歳で学校を辞めてツリーサージョン(樹木外科医)になり、今は木工や木彫りを生業としている。その経歴が、荒涼とした大自然を描写する文章に独特の深みを与えている。

スコットランドで飛ぶための条件について、エドは「4月から5月がベストシーズン。冬の終わりから春先にかけて、山頂に雪が残っている時期だ」と解説する。北から寒気が流れ込む寒冷前線通過後の高気圧が理想的で、ベースが高く、空気が澄み切る。ただし、イギリス政府の公式天気予報で「山頂の雲なし確率10%未満」と出ていても、実際には絶好のフライト日和だったこともあるという。「アプリだけを信じるな、自分の目で空を見ろ」——これはスコットランドに限らない、すべてのパイロットへの教訓だろう。

6:31消えゆく芸術?——フェリックス・ヴェルクが守ろうとする「写真の魂」

レッドブルX-Alpsの公式フォトグラファー、フェリックス・ヴェルクの写真ギャラリーが今号に掲載されている。彼は20年にわたり、レースの舞台となる山岳地帯に事前に赴き、タンデムで飛びながら、あるいは他のパイロットと連携しながら、壮大な「ヒーローショット」を撮影してきた。しかし近年、メディアの主役はソーシャルメディアの即時性に取って代わられ、写真の価値は軽んじられている。

タークィンは「X-Alpsはソーシャルメディアの情報の流れに注力しすぎて、冒険の心と魂を少し失っている」と率直に批判する。フェリックス自身も記事の中で、「360度アクションカムが広く使われるようになり、寒い地域では動作しないか、光学的に歪んだ広角ショットしか持ち帰れない」と述べ、その失われつつある芸術性への危機感をにじませている。エドはこれを「まるでレコードの話をしているみたいだ」と笑うが、その口調にはフェリックスの仕事へのリスペクトがにじむ。

印象的なエピソードとして、エドは2011年か2013年のX-Alpsで、フェリックスがドロミテでSDカードを落とし、奇跡的に見つけ出した話を紹介する。あの大会の象徴的な写真の数々は、まさにそのカードに収められていたのだ。この逸話は、デジタル時代における写真家の苦闘と、彼らが追い求める「真実に近い映像」へのこだわりを象徴している。

10:54ブラジルの悲劇から生まれた安全改革——CIVLの闘い

今号の表紙を飾るのは、ブラジル世界選手権で新たに世界チャンピオンとなったフランス人パイロット、バティスト・ランベールとコンスタンス・メッタルだ。しかし、この大会の影には、ベルギーのパイロット、ブラム・デクラークの悲劇的な死があった。タスク6のゴール着陸進入中に collapse(翼の崩れ)が発生し、地上に激突。1時間以内にヘリコプターで病院に運ばれたが、1週間後に亡くなった。

この事故をきっかけに、パラグライダー競技界は大きな揺れに直面する。主催者とCIVL(国際航空連盟のフリーフライト委員会)からの情報発信が不十分だったことに対し、フランスチームが中心となってソーシャルメディアで抗議と安全議論のキャンペーンを展開。エドは「今年のパラグライダー・ワールドカップでは12件の死亡事故が発生している。この循環を止めなければならない」と、パイロットたちの切実な声を代弁する。

エドは、こうした安全改革の動きには既視感があるという。10年前、ピエドライタの世界選手権では、2ライン式のコンペティション翼への移行期に1日で2件の死亡事故が発生し、大会が中断された。その結果、CCCクラス(より安全なコンペティションクラス)が生まれた。さらに1990年代後半には、ハンググライダーとパラグライダーの両方で世界チャンピオンになったロブ・ホイットルが「シリアルクラス(全員が同じEN-Cクラスで競う方式)」を提唱した前例もある。

今回の事故後、FAIはカテゴリー1競技の一時停止を発表したが、次のカテゴリー1大会は5月と先の話で、エドは「単なるPR行為」と手厳しい。一方で、PWC(パラグライダー・ワールドカップ)は安全プロトコルの見直しを進め、2月のインド大会の開催が危ぶまれている。CIVLはパイロット連絡官としてアメリカのビオレタ・ヒメネスを任命し、フランスチームのリーダー、ジュリアン・ガルシアが主導する新たなパイロット組合も設立された。

エドはFAIのヘルシンキ総会にも出席し、CIVLのビル・ヒューズ会長と会談した。ヒューズは「事故以来、CIVLの仕事にフルタイムで没頭している」と語り、すべての関係者がボランティアベースで動いている現状を訴えた。エドは「競技はパイロットだけのものではない。サンドイッチを詰める人、バスを運転する人、チームリーダー、家族——すべての人が安全のために働いている」と強調する。この発言は、競技の安全が個人の責任を超えた「エコシステム」の問題であることを示唆している。

16:44「ジャガイモになれ」——世界チャンピオンの頭の中

バティスト・ランベールへのインタビューで、エドが最も印象的だったのは、彼のメンタルトレーニングの話だ。シーズン中に手を負傷して飛べなくなった時期に、オンラインでスポーツ心理学のセッションを受け、呼吸法を学んだ。その中で「スクエアブリージング(4秒吸って、4秒止めて、4秒吐いて、4秒止める)」を習得。さらに、自分を「活性化」するためのテクニックも身につけた。

彼が競技中に目指す状態は「ジャガイモになること」だという。グライダーの下で自動的に、数学的に飛び、すべての判断を論理的かつ数学的に行う。感情的な判断——例えば、集団の中で押し合いへし合いされてイライラし、「もう行こう」と決断すること——を排除する。ジャガイモのように無心で呼吸法を続け、まさに行くべき瞬間にだけ動く。この比喩は、トップアスリートの驚くべき自己コントロールを鮮やかに伝える。

一方、コンスタンス・メッタルの強みは「一貫性(consistency)」だとタークィンは指摘する。昨年の欧州選手権では、女性部門の全タスクで優勝し、スポンサーから8〜9足ものトレーニングシューズを獲得したというエピソードが、彼女の圧倒的な安定感を物語る。

さらに、パラモーター世界チャンピオンのアンドレア・チェケット(21歳)も登場。彼はクープ・イカールで寝る場所を探して、タークィンたちの部屋の空きベッドを頼ってきたという。「世界チャンピオンがジャーナリストのドアをノックして『泊めてくれ』と言う——こんなスポーツ、他にあるだろうか?」とタークィンは笑う。アンドレアは幼少期からパラモーターに囲まれて育ち、2歳の頃には機材で遊んでいる写真が誌面に掲載されている。エドは「幼児がパラモーターのそばにいるのは指が心配だ」と冗談を飛ばすが、彼の父親がメーカー「ミニプレーン」のボスであることもあり、安全に育ったようだ。

33:11パラカイトの新時代——教育なき拡大がもたらす混乱

クープ・イカールで最もホットな話題の一つが「パラカイト」だ。オゾンはなんと3機種(初心者用、中級者用、上級者用)を投入予定で、単に製品を売るのではなく、教育パッケージ(ビデオやカリキュラム)も同時に提供する方針だという。パラカイトはここ3年で急速に普及し、海岸では従来のパラグライダーよりパラカイトの方が多い場所もある。

しかし問題は、パラグライダーにはEN認証システムがあるのに対し、パラカイトには同等の安全基準やカリキュラムが存在しないことだ。メーカーの説明に頼るしかなく、パイロット自身が「この翼は自分に合っているか」を賢く判断する責任がある。さらに深刻なのは、カイトサーフィン出身者が「凧のように飛べる」と気軽に始め、左右の旋回ルールや上空のルールを知らないまま飛行することだ。従来のパラグライダーパイロットとの間で「上下の衝突」という新しいリスクも生まれている。

エドは「パラカイトが上下に動くのを、従来のパイロットが左右の回避しか想定していないと、怖い思いをする」と指摘する。異なるディシプリンが混ざり合うことの摩擦は、スピードウィングやハンググライダー、パラモーターでも過去に経験してきた。今回もまた、いかにして共存するかが問われている。

38:31ハンググライダーから学ぶ「粘り」——グラント・クロッシンガムの教え

タークィンは、10度の英国ハンググライダー・チャンピオンでありながら、今はパラグライダーも飛ぶグラント・クロッシンガムへのインタビューから、興味深い示唆を得た。ある日、タークィンが飛べずにトップランディングしたとき、グラントはロー・ミッドB級の翼で直立ハーネスながら、まだサーマルを粘っていた。「あれがグラントか」と納得したという。

グラントがパラグライダーから学んだ最大の教訓は「着陸の心配をしなくていい」ことだ。ハンググライダーでは着陸が常に緊張を伴うが、パラグライダーはほぼどこにでも降りられる。その自由が、サーマルを粘るための精神的な余裕を生む。「粘り続けろ、粘り続けろ」——タークィンはこれを「スポーツのモットーにすべきだ」と語る。

また、クープ・イカールでは「サブライト」と呼ばれる軽量サブマリンスタイルのハーネスが各メーカーから登場している。バティスト・ランベール自身もハーネスの設計に関わっており、「これはすべてのレベルのパイロットが近い将来使うべきものだ」と断言する。軽量で保温性が高く、性能向上も得られる。ただし、週末パイロット向けには背面保護をもう少し充実させる必要があるとも認めている。

最後に、エドはジンの新型軽量ヘルメット(400g未満)を紹介する。多くのハイク&フライ・パイロットが登山用ヘルメットを使っているが、それらは落石対策用で側面衝撃には弱い。パラグライダー専用の認証(EN966)を得た軽量ヘルメットの登場は、安全性の向上に貢献するだろう。

まとめ——このエピソードが残したもの

初回のポッドキャストは、単なる雑誌の紹介を超えて、パラグライディングというスポーツの現在地を多角的に映し出した。スコットランドの大自然を詩的に描くジョー・ダートの記事、レッドブルX-Alpsの写真が持つ芸術性、ブラジルの悲劇を契機とした安全改革の動き、そしてパラカイトという新たなディシプリンがもたらす機会と混乱。エドとタークィンの軽妙な掛け合いの背後には、このスポーツを愛し、その未来を真剣に考える編集者たちの熱意がある。特に印象的だったのは、世界チャンピオンが「ジャガイモになれ」と語るメンタルの世界と、10度のチャンピオンが「粘り続けろ」と教えるシンプルな真理。このエピソードは、パラグライディングが単なる「飛ぶ」スポーツではなく、自然との対話、自己との対話、そしてコミュニティ全体の安全を考える知的冒険であることを教えてくれる。次号の「アドベンチャー特集」が待ち遠しい。