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RiskReversal Pod · 2026年6月14日

1.75兆ドルのスペースX IPOがこの上昇相場を試す — リズ・トーマスとApex CEOビル・カプッツィと共に

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この記事でわかること
  • 概要 このエピソードでは、SpaceXの1.75兆ドルという前代未聞の評価額でのIPOが市場に与える影響を中心に、ホストのGuy AdamiとLiz Thomasが熱...
  • [0:00] SpaceX IPOの衝撃と市場への影響 Guy AdamiとLiz Thomasは、SpaceXのIPOが今年最大の市場イベントになると口を揃える。評...
  • 通常、IPOの価格は投資銀行が決定するが、今回Elon Muskは自ら価格を135ドルと設定した。Guyはこれを「Trading Places(大逆転)のEddie...
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概要

このエピソードでは、SpaceXの1.75兆ドルという前代未聞の評価額でのIPOが市場に与える影響を中心に、ホストのGuy AdamiとLiz Thomasが熱く議論を交わしている。特に、発行済み株式のわずか5%しか公開されない「超小型フロート」の構造、Elon Musk自らが価格を設定する異例のプロセス、そしてこのIPOがAnthropicやOpenAIなど次なるメガキャップ上場の前例となる可能性が焦点となっている。後半では、Apex Fintech SolutionsのCEO Bill Capuzziが登場し、40万人のリテール投資家のデータから見える資金の流れ、AI関連銘柄へのローテーション、そしてIPOに伴う清算・決済インフラのリスクについて深掘りしている。

0:00SpaceX IPOの衝撃と市場への影響

Guy AdamiとLiz Thomasは、SpaceXのIPOが今年最大の市場イベントになると口を揃える。評価額1.75兆ドルという数字は、それだけでメガキャップ企業の上場であり、市場の常識を覆す規模だ。しかし、さらに異例なのは、発行済み株式のわずか5%しか市場で取引されない点だ。Lizは「1.75兆ドルの評価額でありながら、実際に取引可能な株式はごく一部。これが需給を逼迫させ、価格をさらに押し上げる可能性がある」と指摘する。

通常、IPOの価格は投資銀行が決定するが、今回Elon Muskは自ら価格を135ドルと設定した。Guyはこれを「Trading Places(大逆転)のEddie Murphyの役柄のようだ」と表現し、Muskが銀行家の役割を自ら担ったと評する。Lizは「価格設定のプロセスを簡略化し、不確実性を減らした点は評価できる」としながらも、この資本構造とガバナンス構造が従来の公開企業とは全く異なる点を強調する。

さらに注目すべきは、発行株式の30%をリテール投資家に割り当てようとしている点だ。Lizによると、リテールからの入札は既に約700億ドルに達しており、これは発行総額750億ドルのほぼ全額に相当する。このような大規模なリテール向け割り当ては、今後のIPOの新たな標準となる可能性がある。

1:43IPO初年度のボラティリティと投資家の心構え

Lizは、Keith Lernerの調査を引用しながら、IPOの初年度における平均的なドローダウンが非常に大きいことを指摘する。「IPOの初年度は極めて不安定だ。それが必ずしも悪い企業であることを意味するわけではないが、最初の1〜2ヶ月の取引は文字通り狂乱状態になるだろう」と彼女は予測する。

特にSpaceXの場合、これまで財務報告の義務がなかった企業が突然透明性を求められることになる。さらに、まだ利益を出していない企業が上場するという点も、ボラティリティを高める要因だ。Lizは「IPO価格を下回るタイミングが来る可能性は非常に高い」と断言する。

彼女が強調するのは、投資家が明確なテーゼを持つことの重要性だ。「もし宇宙探査や火星移住という長期ビジョンに投資するのであれば、時間軸は数十年単位で考えるべき。最初の12ヶ月のボラティリティに振り回されず、しっかりとした売り規律を持つことが不可欠だ」と述べる。

Guyは、このIPOが通常のニュースとは異なる次元の注目を集めると指摘する。「ウォルター・クロンカイトやピーター・ジェニングスの時代、IPOが夕方のニュースのトップになることはなかった。しかし今回は、その規模と人物の影響力から、主要メディアがトップで報じる可能性が高い」と述べ、可視性の高さが市場心理に与える影響を懸念する。

11:06新FRB議長Kevin Warshへの期待と課題

話題は新たに就任するFRB議長Kevin Warshに移る。Lizは「市場は歴史的に新しいFRB議長に挑戦的な環境を突きつける」と指摘し、今回のWarsh議長は特に困難な立場にあると分析する。

最大の課題は、FRB内部の分裂だ。「現在のFRBは非常に分断されており、コンセンサスを形成するのは極めて困難」とLizは言う。市場は年内1回の利上げを織り込んでいるが、Warsh議長はハト派との見方が強かった。この二つの期待をどう調和させるのかが問われる。

Lizは自身のトレードとして2年物国債を挙げ、Warsh議長が市場の予想よりもハト派的に解釈される可能性を指摘する。「彼は利上げの有無について明確な回答を避け、結果的に市場が織り込む利上げ確率が低下するだろう」と予測する。

Guyはイールドカーブの動きに注目する。短期金利が低下し長期金利が上昇する「ブル・スティープナー」の可能性について質問する。Lizは、Warsh議長が金利だけでなく、FRBのバランスシートの期間構成を調整することで、イールドカーブをコントロールしようとする可能性を指摘する。「短期の債券を償還させ、その資金を長期債に再投資することで、長期金利の上昇を抑制できる」と説明する。ただし、日本のイールドカーブ・コントロールの失敗例を挙げ、その有効性には疑問を呈する。

17:31Apex Fintech Solutionsのビジネスモデルと市場インフラ

後半では、Dan NathanとGuy AdamiがApex Fintech SolutionsのCEO Bill Capuzziを迎え、同社のビジネスと市場構造について深く掘り下げる。Billは自社を「投資の世界のAWS」と表現する。Netflixがコンテンツ制作に集中できるのはAWSがバックエンドを支えているからであり、同様にApexはSoFi、Stash、Webull、State Street、Coinbaseなど約250のクライアントに対して、口座開設、資金調達、取引執行、コンプライアンス、税務報告など、投資の裏方業務を全て提供している。

「私たちは酸素のような存在だ。呼吸をするように、当たり前に機能することを期待されている」とBillは語る。現在、Apexは約4000万人のリテール投資家をサポートしており、そのうち約70%がGen Zまたはミレニアル世代だ。

Billは、リテール投資家の市場参加率が過去20年で約2倍に増加したと指摘する。「米国では人口の約50%が何らかの投資口座を持っているが、ブラジルやインドでは一桁台だ。まだまだ成長の余地は大きい」と述べる。

22:04新たな投資商品の爆発的増加とリスク

Billは、近年の投資商品の多様化について語る。ゼロ日満期オプション(0DTE)、予測市場、パーペチュアル・フューチャー(永久先物)など、投資家が市場に対して意見を表明する方法が急増している。

「過去20年のリテール投資の歴史は民主化の歴史だ」とBillは言う。特に注目すべきは、従来は富裕層や機関投資家しかアクセスできなかったプライベート証券やオルタナティブ投資が、今や一般のリテール投資家にも開放されつつある点だ。

予測市場についてBillは「オプションと比べてはるかにシンプルで、時間減価の概念もない。例えばAppleのポジションを持っている投資家が、次の四半期のデバイス販売台数を予測することでヘッジできる」と説明する。彼は、オプションが1973年に始まってから普及するまでに50年以上かかったのに対し、予測市場やパーペチュアル・フューチャーは5年以内に同様の普及曲線を描くだろうと予測する。

しかし、Danは規制面での懸念を提起する。パーペチュアル・フューチャーは主に海外で取引されており、米国市民が合法的に取引するのは難しい。Billは「海外で取引されるトークン化された証券(例えばトークン化されたNVIDIA株)は、米国では購入できない。それ自体が何かを物語っている」と警告する。

Billは教育の重要性を強調する。「プロのトレーダーや富裕層は周りに専門家がいて自己防衛できるが、一般のリテール投資家にはそれがない。予測市場の『コンボ』(複合ベット)のリターンは、スポーツベットのパーレイよりも45%も悪いというデータがある。これは単なる投機だ」と警鐘を鳴らす。

34:41市場構造の変化とインフラのリスク

Billは、リテール投資家の市場シェアが過去20年で約2倍に増加したことを踏まえ、市場構造への影響を論じる。「20年後には、この時期を振り返って『あの時、多くの新しい商品とアクセスが同時に出現した』と言うだろう」と予測する。

彼が特に強調するのは、バックエンドのインフラリスクだ。「DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)という業界のユーティリティ組織がある。私はその取締役も務めているが、SpaceXのIPOに伴い、金曜日から月曜日、火曜日にかけて、裏方では資本使用とリスクの面で大きな混乱が生じる」と警告する。

「新しい商品を次々と市場に投入するのは良いが、インフラがそれに追いつかなければならない。リアルタイムの台帳が必要だし、24時間稼働する体制が必要だ。そして何より、適切な資本が裏付けとして存在しなければならない。この点は業界でほとんど議論されていない」とBillは指摘する。

38:32Apex Investor Pulseレポート:リテール資金の実態

Billは、Apexの月次レポート「Investor Pulse」の最新データを紹介する。5月のデータからは、リテール投資家の明確なローテーションが読み取れる。

最大のトレンドは、AI関連銘柄への資金シフトだ。Micronがネット買いのトップで、SanDisk、DRAMなどのメモリーチップ関連銘柄がトップ10にランクイン。さらに、CoreWeave、ARM、Qualcomm、Cisco、Modineなど、AIの「配管工事」とも言えるインフラ関連銘柄がトップ20のネット買いに入った。「投資家はNVIDIAのような看板銘柄だけでなく、アーキテクチャ、ネットワーキング、冷却システムなど、AIの裏方部分に注目している」とBillは分析する。

一方で、半導体セクターからは資金が流出。Broadcom、TSMC、ASMLが売りの上位に。また、中東情勢の緊張緩和に伴い、Chevron、Exxon、Freeportなどのエネルギー株も売られた。

重要なのは、これが単なる売却ではなく「ローテーション」である点だ。「資金は市場から退出しているのではなく、AIインフラやメモリーチップに移動している。そして、IPOを待つ大量の資金がサイドラインに積み上がっている」とBillは説明する。

42:03大量の株式供給と市場の吸収力

Danは、Googleの大規模な資金調達、SpaceXのIPO、OpenAIやAnthropicの機密上場申請、MetaやOracleの資本調達など、テクノロジー企業による株式売却が相次いでいる点を指摘する。「非常に賢い企業や経営者が、自社株を売却している。これは天井を示唆しているのではないか」と疑問を投げかける。

Billは「これらのIPOは全て市場のタイミングを計っている。つまり、『市場は熱狂的で、資金は潤沢だ。このタイミングで売却しよう』という判断だ」と分析する。「売り手が買い手を上回る時、市場は本当に転換点を迎える」と警告する。

彼は、インフレ統計などの悪材料が出ても市場が上昇を続けている現状を「運が良かっただけ」と表現する。「昨年後半から今年にかけて、AIトレードが市場を支えてきた。しかし、このまま上昇が続くとは限らない」と慎重な見方を示す。

44:58Apex Ascend OS:次世代プラットフォームへの挑戦

Billは、Apexが現在開発中の次世代プラットフォーム「Ascend OS」について語る。2021年のミーム株ブームの最中、同社は「Apex Classic」と呼ばれるバッチ処理ベースの旧システムが限界に達していることを認識した。

「売却するか、ゼロから再構築するか。私たちは後者を選んだ」とBillは言う。Ascend OSは、24時間365日、リアルタイムで動作するプラットフォームだ。従来の業界標準であるIBMメインフレームのCOBOLコードとは全く異なるアーキテクチャを採用している。

「現在の業界では、取引を夜間にバッチ処理し、翌朝にスタート・オブ・デイ・ファイルを受け取るという非効率なプロセスが続いている。Ascendはバッチの概念そのものを排除した」と説明する。

このプラットフォームの真価は、AIとの統合にある。「AIのコパイロットを構築するには、リアルタイムのデータでモデルを訓練する必要がある。将来、投資家の隣には、その人の思考パターンや投資スタイルを完全に理解した24時間稼働の金融コパイロットが座るようになる」とBillは予測する。

彼はさらに、株式取引が週末にも行われるようになると予言する。「なぜ土曜の午後にNVIDIAの株を売買できないのか?それはバックエンドのインフラが古くて貧弱だからだ。私の予想では、12ヶ月以内に週末の株式取引が実現する」と語る。

まとめ

このエピソードの核心は、SpaceXのIPOが単なる一企業の上場ではなく、市場構造そのものを変革する触媒となる可能性にある。わずか5%のフロート、創業者による価格設定、リテールへの大規模割り当て——これらの前例のない要素は、今後のIPOの新たな標準を形成するだろう。同時に、ApexのBill Capuzziの洞察は、表面化しないインフラリスクと、リテール投資家の行動パターンの変化を浮き彫りにした。特に、AI関連銘柄への資金シフトが「看板銘柄」から「インフラ」へと広がっている点、そして新商品の急増に伴う教育と規制の必要性は、投資家が真剣に考慮すべき重要なテーマだ。

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