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RiskReversal Pod · 2026年7月12日

中国、データセンターに参入、AI利益は消え去る — ルイ=ヴァンサン・ガーヴ&ピーター・ブックバーと共に

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この記事でわかること
  • 中国がデータセンターに参入し、AIの利益が消え去る — ルイ=ヴァンサン・ガーヴ&ピーター・ブックヴァーとの対話 本エピソードでは、ホストのダン・ネイサンが、ピーター...
  • [0:00] 中国のAI戦略:要塞ではなくドバイを建設する ガーヴは、OpenAIやAnthropicのような米国企業が採用する「閉じた要塞」モデルと、中国の「開かれ...
  • 「面白いのは、米国の歴史を考えれば米国が開かれた立場になるはずで、中国の歴史を考えれば中国が閉じた立場になるはずだ」とガーヴは指摘する。しかし、中国には閉じたモデルを...
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中国がデータセンターに参入し、AIの利益が消え去る — ルイ=ヴァンサン・ガーヴ&ピーター・ブックヴァーとの対話

本エピソードでは、ホストのダン・ネイサンが、ピーター・ブックヴァー(One Point BFG Wealth Partners CIO)とルイ=ヴァンサン・ガーヴ(Gavekal CEO)を迎え、AI軍拡競争、ドルの構造的衰退、そして賢明な資金が次にどこへ向かうのかを徹底的に分析している。中国の「トヨタ対フェラーリ」戦略が、OpenAIやAnthropicの trillionドル規模の評価額をコモディティ化する可能性、6.5兆ドルに及ぶAI設備投資の持続可能性、そして半導体セクターへの異常な集中が生む脆弱性について、白熱した議論が展開される。会話はエネルギーの逼迫、金とコモディティ備蓄の重要性、そして米国よりも先にフランス、英国、日本の長期債市場が崩壊する可能性にまで及ぶ。

0:00中国のAI戦略:要塞ではなくドバイを建設する

ガーヴは、OpenAIやAnthropicのような米国企業が採用する「閉じた要塞」モデルと、中国の「開かれたドバイ」モデルの対比を鮮やかに描き出す。米国のAI企業は、ゴールドマン・サックスやJPモルガンのような顧客を自社のプラットフォームに囲い込み、高い壁で守る中世の要塞を建設している。一方、中国は誰でも出入り自由で、好きなように使えるオープンな環境を提供している。

「面白いのは、米国の歴史を考えれば米国が開かれた立場になるはずで、中国の歴史を考えれば中国が閉じた立場になるはずだ」とガーヴは指摘する。しかし、中国には閉じたモデルを取る選択肢がなかった。閉じたモデルには無限の計算能力と巨額の資本支出が必要だが、米国が最先端チップの輸出を禁止したため、中国は別の道を模索せざるを得なかった。

その結果、中国はオープンソース戦略に舵を切った。世界中のソフトウェア開発者が製品の改善に貢献できるようにしたのだ。これは、通常は資金を投入して問題を解決する中国のやり方とは完全に相反する。「通常、中国は金を問題に投げつける。しかし今回はそれができなかった」とガーヴは説明する。

1:51AIモデルのコモディティ化:トヨタ対フェラーリ

ガーヴは、中国のAI戦略を自動車産業の比喩で説明する。OpenAIやAnthropicがフェラーリを提供するのに対し、中国はトヨタ(あるいはBYD)を提供している。フェラーリを買うために30万ドルを持っている人はそれを使えばいいが、ほとんどの人は単に仕事に行くための車が必要で、時速200マイルで走る必要はない。トヨタで十分なのだ。

問題は、OpenAIやAnthropicが現在、フェラーリを1万ドルで販売していることだ。誰もが「1万ドルでフェラーリ?もちろん買う」と飛びつく。しかし、彼らのビジネスモデルは、後になって「実は30万ドルです」と言い値を上げることだ。その時、顧客は「それならBYDでいいや」と中国製品に戻る。

実際、この「トークン最大化から最小化への移行」は過去2〜3ヶ月で急速に進んでいる。消費者や企業が値上げに応じるかどうかは不透明だ。さらに、シリコンバレーの大手VCであるマーク・アンダーソンは、自身のファンドが見るスタートアップの4分の3が中国のLLM(大規模言語モデル)を使用していると述べている。理由は単純で、ほぼ無料だからだ。

3:29半導体セクターの異常な集中と脆弱性

ブックヴァーは、半導体セクターが現在、世界の株式インデックスの5分の1を占めていると指摘する。歴史的に見て、半導体は最も資本集約的で最も循環性の高い産業だ。比較すると、かつては世界ベンチマークの2%に過ぎなかった。

アジアの運用マネージャーにとっては、TSMC、SKハイニックス、サムスン電子の3社でMSCIアジア・インデックスの40%を占めるという異常事態が起きている。ほとんどの運用会社は1銘柄に10%以上投資できないため、必然的に質の低い半導体企業をポートフォリオに組み入れざるを得ない。半導体の成長が鈍化すれば、これらの「二流企業」には市場がなくなる。

ガーヴは、半導体とAIモデルの両方が「決してコモディティ化されない」という前提で価格付けされていると警告する。「中国が部屋に入ってくると、利益は外に出ていく」というのが彼の持論だ。しかし市場は、中国の参入によるコモディティ化を全く織り込んでいない。

4:446.5兆ドルのAI設備投資:持続可能性への疑問

マッキンゼーの試算によれば、2030年までにAI関連の設備投資は6.5兆ドルに達する。ハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)は、今年だけで7000億ドルを費やす見込みだ。アマゾンの設備投資は年初に1000〜1200億ドルと見込まれていたが、直近の四半期では1800億ドルに上方修正された。アマゾンは負債を1000億ドル増やし、現在250億ドルの社債を発行中だ。

ガーヴは、これらの投資が3年サイクルで終わり、4年目に利益を享受できるという前提に疑問を呈する。実際には、巨額の維持設備投資が継続的に必要になる。リース契約は事実上の負債であり、30年にわたって技術のアップグレードを保証するものもある。「4年目に虹はない」と彼は断言する。

さらに、米国企業の収益の急成長の裏には「その他収入」(他社への投資評価益)が大きく寄与している。ガーヴは、S&P500の収益と国民所得統計上の企業収益の乖離が、2000年や2007年と同水準に達していると指摘する。第2四半期の収益成長率28%のうち、その他収入を除くと17%、さらに半導体を除くと中程度の一桁台になる。

7:18エネルギー市場の構造変化:中国が価格を支配する

ガーヴは、中国が石油市場で新たな価格支配者になったと主張する。中国は公式には13億バレル、実際には18億バレル近い石油備蓄を持ち、価格が65ドル以下になれば買い漁り、100ドルを超えれば買いを止める。これにより、石油価格は65〜100ドルのレンジに安定する可能性がある。

しかし、精製能力(クラックスプレッド)には深刻な問題が生じている。ロシアとウクライナが互いの製油所を攻撃し続けていることに加え、イラン紛争で湾岸の6つの主要製油所が破壊された(バーレーンの世界第2位の製油所を含む)。20年間、誰も新規製油所を建設していないため、精製能力の余剰はない。さらに中国は精製品の輸出を停止し、国内需要に回している。

ロシアはディーゼル輸出を少なくとも7月末まで停止することを発表した。ロシアは世界のディーゼルの約11%を供給している。結果として、「75ドルの石油と給油所での不足」という奇妙な状況が生まれつつある。米国の精製企業(バレロ、マラソン・ペトロリアムなど)は史上最高値圏で推移しており、巨額のフリーキャッシュフロー利回りを株主還元に充てている。

10:03ドルの構造的衰退と金・コモディティの台頭

ガーヴは、米ドルが「昨日の世界」のインデックスであるDXY(ドルインデックス)に惑わされてはいけないと警告する。DXYは3分の2がユーロ、4分の1が円で構成されており、中国やコモディティ通貨をほとんど含んでいない。実際、米ドルは新興国通貨やコモディティ通貨に対しては上昇しておらず、人民元は18ヶ月間、毎月50ベーシスポイントずつ上昇している。

金については、2022年のロシア資産凍結が転機となった。西側諸国がロシアの中央銀行資産や富裕層の資産を裁判所の判断なしに没収したことで、「法の支配」という最大の比較優位が損なわれた。「もし中国人の富裕層なら、『習近平が嫌な奴だからといって、いつ自分の資産が没収されるかわからない』と考える」とガーヴは言う。その結果、25年間金を売り続けてきた中央銀行が大量購入に転じ、中国の個人投資家も金の購入を急増させた。

しかし、今回のホルムズ海峡危機から得られた新たな教訓は、金や米国債よりも、実際に必要なコモディティを備蓄することの重要性だ。インドは肥料の40%を湾岸地域に依存しているが、紛争で輸入が途絶えた。モディ首相は習近平に肥料の融通を要請したが断られた。「金や米国債を持っていても、肥料が手に入らなければ意味がない」とガーヴは指摘する。米国防総省はリチウムの備蓄を開始し、ドイツは天然ガスの戦略備蓄を創設する。これらはすべてインフレ圧力となる。

11:45長期金利上昇と国債市場のリスク

ブックヴァーは、長期金利の上昇が投資家に十分認識されていない問題だと指摘する。米国10年債利回りは4.5%台で膠着し、日本国債(JGB)10年利回りは29年ぶりの高水準を記録し、フランスOAT(国債)もブレイクアウトしている。

ガーヴは、構造的な債券弱気相場が5年前から続いていると述べる。その原因は、コロナ禍でのロックダウンと「無料のお金」の配布という政策の失敗にある。米国は完全雇用下でGDP比7%の財政赤字を抱えており、次の景気後退時には12〜13%に拡大する可能性がある。

特に注目すべきは、日本の投資家が3.5兆ドル(GDPの80%)もの海外資産を保有していることだ。円安とJGB利回りの上昇が進めば、日本投資家が「もう十分だ」と国内に資金を引き揚げる転換点が訪れる。その時、米国債やフランスOATの買い手は誰になるのか。ガーヴは、債務危機の本質は「債務の対GDP比」ではなく「外国人保有比率」だと強調する。フランスと英国は国債の約30%を外国人が保有しており、米国より先に危機に直面する可能性が高い。

12:52投資戦略:金融セクターと景気循環株へのシフト

ガーヴは、現在の投資環境を「インフレ的ブーム」と定義する。各国政府がGDP比4〜7%の財政赤字を抱え、経済活動は堅調だがインフレも高い。この環境では、投資家は「希少性」を求める。第1四半期はエネルギー、第2四半期は半導体が希少性の対象となった。第3四半期は精製能力が希少性の対象になる可能性がある。

現在、世界中で銀行株がブレイクアウトしている。欧州銀行、中国銀行、日本銀行——かつて「ノミだらけの犬」と呼ばれたセクターが上昇している。日本では最も急峻なイールドカーブが銀行の収益を押し上げている。ガーヴは、日本が金融政策の先駆者である歴史を踏まえ、米国も日本と同じ道をたどると予測する。中央銀行は短期金利を低く据え置く一方、長期金利は上昇し、イールドカーブはスティープ化する。

投資判断の4つの基準——ファンダメンタルズ、モメンタム、投資家ポジショニング、バリュエーション——において、テクノロジーはバリュエーションが過大で、ポジショニングが極端に偏り、モメンタムが失速しつつある。一方、金融セクターはファンダメンタルズが良好で、ポジショニングは過熱しておらず、モメンタムが改善し、バリュエーションも魅力的だ。ガーヴとブックヴァーは、混雑したテクノロジー株から金融セクターと景気循環株へのシフトを推奨している。

まとめ

このエピソードの核心は、中国のAI参入がもたらす「コモディティ化」の脅威と、それが米国テクノロジー企業の trillionドル規模の評価額に与える影響にある。ガーヴの「中国が部屋に入れば利益は外に出ていく」というフレーズは、半導体とAIモデルの両方に当てはまる。同時に、エネルギー市場の構造変化、ドルの衰退、コモディティ備蓄の重要性、そして金融セクターへの資金シフトという複数のテーマが有機的に結びついている。このエピソードが重要なのは、現在の市場コンセンサス(AIへの無制限の投資、米国テクノロジーの優位性、ドルの安定)に対して、地政学的現実と歴史的パターンに基づく鋭い反論を提示している点にある。

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