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RiskReversal Pod · 2026年6月15日

「行儀の悪いVC」もいるが、アン・ボルデツキーは違う!

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • 宇宙最大のIPOとAI業界の分岐点:SpaceX上場が問いかけるバリュエーションの真実 今週の市場は、SpaceXの歴史的IPO、ケビン・ウォーシュ新FRB議長の初め...
  • [0:00] 歴史的週の幕開け:SpaceX上場とウォーシュFRB議長のデビュー Dan NathanとGuy Adamiは、まずこの週の重要性を位置づけるところから...
  • ケビン・ウォーシュ新FRB議長については、Danが「パウエル議長が就任した時、人々はバインダーのサイズやネクタイの色まで追跡していた。ウォーシュのコミュニケーションス...
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宇宙最大のIPOとAI業界の分岐点:SpaceX上場が問いかけるバリュエーションの真実

今週の市場は、SpaceXの歴史的IPO、ケビン・ウォーシュ新FRB議長の初めての記者会見、そしてOpenAIとAnthropicの価格競争の勃発という、複数の地殻変動が同時に起きた週だった。ホストのDan NathanとGuy Adamiは、SpaceXの時価総額2.2兆ドルという数字の背後にある現実——Morningstarの公正価値63ドル、Jim Chanosの痛烈な批判、そして110倍の売上高倍率——を冷静に分析し、後半ではVCのAnn Bordetskyを迎えて、AI業界のプライベート市場で起きているより深い構造変化について議論を展開した。このエピソードは、熱狂と懐疑が交錯する現在の市場の本質を、公開市場と非公開市場の両面から捉えた貴重な記録である。

0:00歴史的週の幕開け:SpaceX上場とウォーシュFRB議長のデビュー

Dan NathanとGuy Adamiは、まずこの週の重要性を位置づけるところから始めた。Guyが「今週はSpaceXの価格決定、ウォーシュ議長の記者会見、CPIの発表と、最も重要な週の一つだった」と指摘したのに対し、Danは「その重要性はいくら強調してもしすぎることはない」と応じた。特に注目すべきは、SpaceXが2002年の創業時、Elon Musk自身が成功確率を10%と見積もっていた企業が、24年後に世界第6位の時価総額企業に成長したという事実である。

ケビン・ウォーシュ新FRB議長については、Danが「パウエル議長が就任した時、人々はバインダーのサイズやネクタイの色まで追跡していた。ウォーシュのコミュニケーションスタイルがどう変わるかは非常に興味深い」と述べた。ウォーシュは「less is more(少ないほど良い)」のアプローチを掲げており、FRBの市場との対話を減らす方向性を示唆している。Guyは「FRBは市場の会話にあまりにも深く入り込みすぎた。less is moreで良い。市場は適応するものだ」と賛同した。

しかし、Danは「ウォーシュが予想以上にハト派的に出てくる可能性もある」と指摘。CMEのFed Funds Trackerでは利下げがほぼ織り込まれず、むしろ利上げの可能性が議論されていた状況からの転換点となる可能性に言及した。

12:31SpaceXのバリュエーション:熱狂と懐疑の交差点

SpaceXのIPOは、Elon Musk自らが135ドルに価格を設定し、初日で約25%上昇、時価総額2.2兆ドルに達した。Danは「Elonはどの銀行家よりも上手く価格設定をした」と評価する。通常、IPOで株価が2倍になるような「ポップ」は、企業が資金をテーブルに残しているに過ぎないが、25%の上昇は「公正価値に近い価格設定だった」ことを示している。

しかし、MorningstarはSpaceXの公正価値を63ドルと試算し「著しく過大評価」と指摘。Jim Chanosはクライアント向けノートで、SpaceXが「XAIの財務諸表を統合するために曖昧な抜け穴を使い、約2500億ドルの無形資産をバランスシートから除外し、リターンを実際よりはるかに良く見せている」と批判した。Chanosによれば、経済的EBITは実質的にマイナスで、Starlinkの成長はすでに減速しており、XAIの収益ストーリーには90日間のキャンセル条項がついているという。

Danは「110倍の売上高倍率で買うなら、それは完全にElonへの信念の賭けだ」と述べる。Teslaが2010年にIPOした時は時価総額30億ドルだったが、SpaceXはすでに2.2兆ドル。「すべてが完璧に機能しなければならない価格で評価されている」と警鐘を鳴らした。

28:19アン・ボーデツキーとの対話:プライベート市場の視点

DanはVCのAnn Bordetskyを迎え、プライベート市場の視点からSpaceXのIPOとAI業界の現状を掘り下げた。Bordetskyは「これは歴史的な出来事だ。SpaceXとこのIPOを称えるパレードがあってもいいくらいだ」と語り、25年にわたる企業構築の旅路を強調する。

彼女は「SpaceXは、惑星間種族になるという野望と、エンタープライズAIを同時に追求する稀有な組み合わせだ」と評価する一方で、IPOの価格設定については「小売投資家にも富の創造に参加する機会を与えたいという認識があった」と指摘。多くのテック企業が長期間非公開を続けてきたことへの反省があるという。

しかしDanは「2.2兆ドルの時価総額で、非常に不採算な企業が公開されることの意味」を問いかける。「Starlinkの参入障壁はそれほど高くなく、XAIは資金の無駄遣いだ」と厳しい見方を示す。Bordetskyは「公開市場がAIイノベーションに熱心である限り、創業者はより早期に公開を目指すだろう」と応じ、IPOがブランドマーケティングの機会でもあると指摘した。

35:35AI企業のCFO:最も強力な座席

Bordetskyは「CFOの役割は、AI企業において研究開発に次いで最も強力な座席かもしれない」と主張する。その理由は、資金調達と資本形成の規模とスピードが、エンタープライズソフトウェアやクラウドの時代とは根本的に異なるからだ。

「単なる伝統的な企業の資金調達ではなく、AIインテリジェンスのサプライチェーン全体を構築し、資金調達する方法を考えなければならない」とBordetskyは説明する。OpenAIのSarah Fryer CFOは、Block、Nextdoorでの経験を活かし、公開市場への道筋をつけるために創造性を発揮しているという。

Danは「CFOには受託者責任がある。Sam Altmanが様々な発言をする中で、CFOはその中間点を見つけなければならない」と指摘。Teslaが20年の歴史で5人のCFOを経験したことを引き合いに出し、Elon Muskのような独自の起業家と働く難しさにも言及した。

44:14OpenAIの価格競争:トークン戦争の始まり

Wall Street Journalの報道によれば、OpenAIはAnthropicとのユーザー獲得競争を見据え、大幅な価格引き下げを検討している。Bordetskyは「価格競争をする理由は、より多くの需要を吸収し、競合から市場シェアを奪うためだ」と分析する。

しかし、この戦略にはリスクが伴う。「価格を下げればマージンが圧迫される。そして、OpenAIとAnthropicが公開企業になれば、財務指標への scrutiny(厳しい監視)が強まる」とBordetskyは警告する。

Danは「all-you-can-eatモデルから消費ベースモデルへの転換、そして再び価格競争への回帰という、戦略の揺れ動き」を指摘。Bordetskyは「現在はAIバブルではなく、むしろ『compute crunch(計算能力の制約)』の中にある」と主張する。「需要は飽和状態だが、GPU供給とデータセンターの容量が需要を制約している。これがOpenAIにとっては構造的優位性になっている」と説明した。

47:42Palantirの警告とLLM依存のリスク

PalantirのCEOであるAlex KarpがCNBCで行った発言——「フロンティアAIラボは顧客のことを気にしていない」——について、Bordetskyは「これは非常に重要な指摘だ」と評価する。企業のCEOたちは、トークン予算が急増していることに気づき始めており、「一つのフロンティアラボに依存することのリスク」を認識しつつあるという。

「彼らのインセンティブは、できるだけ多くのトークンをできるだけ高く売ることだ。一方、企業が本当に欲しいのは、消費するインテリジェンス単位あたりの最大のROIだ」とBordetskyは説明する。PalantirやPerplexity、Factoryのような企業は、モデル独立のプラットフォームを提供することで、この問題を解決しようとしている。

Danは「Palantirの株価はSAS apocalypseのテーマとともに下落している。これは、LLM市場が『勝者総取り』ではないことを示唆している」と指摘した。

51:03VCsの振る舞いと業界の倫理

AxiosのDan Primackが報じた「VCs behaving badly(悪質な行動をするVCたち)」という記事をきっかけに、CloudflareのCEO Matthew Princeと伝説的VCのVinod Khoslaの間でTwitter上での論争が起きた。Bordetskyは「この業界では、ビジネスであると同時に、すべてが非常に個人的なものになる」と語る。

「悪い経験は確かに存在する。しかし、高い誠実性を持つ素晴らしい人々も多くいる。大事なのは『自分の人々』を見つけることだ」とBordetskyはアドバイスする。彼女は「成功が最高の復讐だ」と付け加え、創業者に対しては「挑戦を受けて立つこと」の重要性を強調した。

Danは、ソーシャルメディアの初期の構築者たちが、自分たちが作ったプラットフォームに幻滅している現象を指摘。「AIのサイクルでも、同じことが起きるのではないか」と問いかける。Bordetskyは「AIは人間性を反映する。良い面も悪い面も、人間の手に委ねられている」と応じ、規制とイノベーションのバランスの重要性を説いた。

56:37記録の時代:AIが変える行動様式

Bordetskyは、AIがもたらす最も根本的な行動変容として「すべてを記録すること」を挙げる。「数年前までは、会議を録音することに誰もが抵抗感を持っていた。今では、会議も画面も、すべてを記録することが当たり前になりつつある」と指摘する。

この変化は、個人の知識グラフやAIアシスタントの活用を可能にする一方で、プライバシーに関する新たな問題も提起する。DanはMetaの従業員がキーストロークの追跡に反発した事例を挙げ、「従業員が反発すれば、次は消費者だ」と警告する。

Bordetskyは「この変化は、ソーシャルメディアの波と同じように、気づかないうちに私たちの生活に浸透している。数年後には、どれだけの個人データを記録していたかに驚くことになるだろう」と締めくくった。

まとめ

このエピソードの核心は、SpaceXのIPOという歴史的イベントを通じて、現在の市場が抱える根本的な矛盾を浮き彫りにした点にある。2.2兆ドルの時価総額、110倍の売上高倍率、そして「Elonへの信念」という投資家の心理——これらは、Teslaの軌跡を繰り返そうとする市場の願望と、Jim Chanosが指摘する厳しい財務現実の間の緊張関係を如実に示している。

さらに、OpenAIとAnthropicの価格競争、CFOの役割の変化、そして「compute crunch」という供給制約は、AI業界が「バブル」ではなく「ボトルネック」の中にあることを示唆している。Bordetskyの指摘した「記録の時代」への移行は、テクノロジーが私たちの行動様式をどのように変えつつあるかを考える上で、示唆に富む視点を提供した。

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