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Trail Runner Nation · 2026年7月12日

カフェインの正しい摂り方、間違ってない? | EP 789

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • カフェインを正しく使えていますか?— エンデュランスアスリートのための科学と実践 カフェインはエンデュランススポーツにおいて最も研究されたパフォーマンス向上物質の一つ...
  • [0:01] カフェインがエンデュランスアスリートにとって重要な理由 エピソードは、カフェインがトレイルランニング文化に不可欠な要素となった理由と、科学が実際に語るパ...
  • エリックは、カフェインに関する「たった一つのアドバイス」として、「睡眠に敏感な人は、遅い時間にカフェインを摂らないこと」を挙げる。彼は「睡眠こそがパフォーマンス向上の...
こんな人向け

自分では見つけにくい海外Podcastの話題に、日本語で気軽に触れたい人。

出典Podcast

Trail Runner Nation / Trail Runner Nation

要点
  1. カフェインの半減期は約6時間。午後2時以降の摂取は睡眠の質を低下させる可能性が高く、睡眠はパフォーマンス向上の最優先要素である。
  2. 朝の一杯の効果の75%以上は習慣と儀式による心理的効果。カフェインが血中濃度ピークに達するまで30〜60分かかるため、最初の一口で感じる「効き目」は生理学的にはあり得ない。
  3. レースでは100%カフェインでスタートするのではなく、25%から始めて後半に強度を上げる「グラデーション戦略」が効果的。スタートラインでの過剰なアドレナリンを抑えられる。
  4. 「カフェインは脱水を引き起こす」は神話。コーヒーに含まれる水分が利尿作用を上回るため、適度な摂取は脱水の原因にならない。
  5. ダークローストのコーヒーがカフェイン少ないという説は誤り。カフェイン分子は焙煎に対して安定。実際のカフェイン量はコーヒーの種類(ロブスタ種vsアラビカ種)と抽出の強さで決まる。
  6. エナジードリンクのカフェインは、コーヒーから脱カフェイン工程で抽出されたものが転用されているケースが多い。カフェイン入りジェルやグーも同様の可能性がある。
  7. 高品質のコーヒーは「sweet(甘い)、clean(クリーン)、juicy(ジューシー)」が基準。これはチェリーの手摘み、適切な焙煎、新鮮な状態での提供によって実現される。
  8. 自分に合ったカフェイン戦略を見つけるには、トレーニングでレース本番と同じルーティンを繰り返し、体の反応を実験的に確認することが不可欠。
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他のエピソード

カフェインを正しく使えていますか?— エンデュランスアスリートのための科学と実践

カフェインはエンデュランススポーツにおいて最も研究されたパフォーマンス向上物質の一つだが、多くのランナーはその効果的な使い方をほとんど知らない。このエピソードでは、Stone Creek Coffeeの創業者エリック・レッシュとカスタマーケア責任者のエイミー・バレストリエリが、カフェインの科学と神話を分け、タイミングが量よりも重要である理由、過剰摂取が睡眠と回復に与える影響、そして朝の一杯のコーヒーが単なるカフェイン摂取を超えた心理的・文化的な意味を持つことを語り合う。ホストのドン・フリーマンとスコット・ウォーの軽妙な掛け合いを交えながら、トレイルランニング文化に深く根ざしたコーヒーの役割を探る、実践的かつ温かみのある対話となっている。

0:01カフェインがエンデュランスアスリートにとって重要な理由

エピソードは、カフェインがトレイルランニング文化に不可欠な要素となった理由と、科学が実際に語るパフォーマンス効果についての議論から始まる。ドンは、最近の研究が「カフェインは一貫して効果を発揮する数少ないパフォーマンス向上物質の一つ」であることを確認していると指摘する。具体的には、アスリートが感じる努力の程度を軽減し、精神的な鋭さを維持し、疲労が忍び寄る時に持久力を延ばす効果があるという。スコットは「私のロングランのお気に入りの部分は、家を出る30分前にStone Creek Coffeeの一杯を飲むことだ」と冗談めかして言い、ドンに「それは研究の結論ではない」と軽くたしなめられる。

エリックは、カフェインに関する「たった一つのアドバイス」として、「睡眠に敏感な人は、遅い時間にカフェインを摂らないこと」を挙げる。彼は「睡眠こそがパフォーマンス向上の最優先事項」だと断言する。カフェインの半減期は約6時間であるため、午後2時に摂取した場合、午後8時になってもまだ50%のカフェインが体内に残っていることになる。これは、アンドリュー・ハーバーマンが推奨する「夜のシャットダウン」の妨げになるという。

エイミーはこれに補足し、カフェインを「戦略的に」使うことの重要性を強調する。彼女は自身のレース中のメンタルチェックリストの一つとして、「ボンキング(エネルギー切れ)を感じ始めたら、最後にカフェインを摂ったのはいつか」を確認するという。カフェインが血流に乗るまでには30〜60分かかるため、そのタイムラグを考慮した計画が必要だと述べる。

07:00コーヒーはカフェイン以上のもの—儀式と心理の力

朝の一杯のコーヒーが生理学的効果だけでなく、心理的・習慣的な要素をどれだけ含んでいるかについて、深い議論が交わされる。スコットは「コーヒーを飲む前は機能できない」という人々の主張に疑問を投げかけ、その感覚のうちどれだけが実際の科学で、どれだけがプラセボ効果なのかを問う。

エイミーは「儀式(ritual)」という言葉を強調する。彼女にとってコーヒーは「自分だけの時間」であり、夫と共有しない個人的な儀式だという。ロングランやレースの前には、同じルーティンを繰り返すことで体に何を期待すべきかを正確に把握できるようになる。この「練習の再現性」が、彼女のパフォーマンス準備の核となっている。

エリックはさらに踏み込み、朝の一杯の効果の「75%以上は習慣と儀式」だと推定する。カフェインが血中濃度のピークに達するまで30〜60分かかるという事実を考えれば、最初の一口で感じる「ああ、効いてきた」という感覚は、生理学的にはあり得ない。それは「私は今日も良い一日の道筋に乗った」という心理的な合図に過ぎないのだ。

ドンは自身の体験を交えて、ホテルの部屋に置かれたカフェイン入りコーヒーとデカフェの違いが味で分かるかどうかを自問する。彼は「30分後にデカフェを飲んでいたと知ったら、がっかりするだろう。それほど心理的な要素が大きい」と認める。エリックは、カフェイン自体には味がないと説明する。彼自身はQグレーダー(コーヒーのソムリエに相当する資格保持者)だが、ブラインドテイスティングでデカフェを見分けられるのは、カフェインの有無ではなく、デカフェ用のコーヒー豆が一般的に低品質であるためだと語る。

14:00トレーニングとレースにおけるカフェインの実践的活用法

エイミーは、自身のトレーニングとレースでのカフェイン戦略を詳細に説明する。彼女の基本原則は「レース本番でやることを練習で再現する」ことだ。ロングランはレースと同じ時間帯に設定し、同じルーティンを繰り返す。自宅を出る前に一杯のコーヒーを飲み、トレイルまで約1時間のドライブ中にもう一杯をゆっくりと味わう。これにより、体がカフェインの効果を予測できるようになるという。

彼女が初めての100kmレースを完走した際には、暑さと湿度という予想外の条件下で、メンタルチェックリストの一つとして「カフェイン不足によるボンキング」を疑い、カフェイン入りジェルを摂取した。その効果が現れるまでの時間を考慮した判断だった。

エリックは、コーヒーのカフェイン含有量に関する誤解を解く。一般に信じられている「ダークローストの方がカフェインが少ない」という説は誤りだと断言する。焙煎は有機物を炭素に変えるプロセスであり、カフェイン分子は比較的安定しているため、焙煎度合いによるカフェイン量の変化はほとんどない。実際にカフェイン量に影響を与えるのは、コーヒーの種類(ロブスタ種はアラビカ種の約2倍のカフェインを含む)と、抽出の強さ(コーヒーと水の比率)である。

エイミーは、Stone Creek Coffeeが開発した「カフェインのグラデーション」コンセプトを紹介する。100%カフェインのコーヒーを朝に飲み、午後の遅い時間には25%カフェインのブレンドに切り替えることで、睡眠への影響を最小限に抑えながら、必要なタイミングで適切な量を摂取できるという。これは、カフェインの半減期を考慮した実用的な解決策だ。

20:30コーヒーにまつわる神話を解体する—脱水、エネルギー飲料、品質

ドンは長年信じられてきた「カフェインは利尿作用があり、脱水を引き起こす」という神話を持ち出す。エイミーは、この研究結果は「誇張されている」と述べ、コーヒー自体に水分が含まれているため、利尿作用を相殺すると主張する。エリックも「利尿作用は名目上のものであり、コーヒーから摂取する水分量がそれを上回る」と同意する。

エナジードリンク(Monsterなど)について、エリックは強い嫌悪感を示す。彼はカフェインの抽出プロセスについて詳しく説明する。コーヒーからカフェインを除去する脱カフェイン工程で抽出されたカフェインは、実際にMonsterやRed Bullなどのエナジードリンクメーカーに販売されているという。彼は「34年間コーヒー業界にいる者として、抽出されたカフェインが別の飲料に混ぜられるのは気持ち悪い」と率直に語る。さらに、これらの飲料が10代の若者をターゲットにしていることへの懸念も表明する。

ドンは、ランナーが使用するカフェイン入りジェルやグーのカフェイン源について質問する。エリックは「おそらく同じ抽出カフェインが使われている」と推測する。これに対してスコットは「それが本当の『ブラックマーケット(闇市場)』だ」と冗談を飛ばす。

コーヒーの栄養価について、エイミーは「主要栄養素(マクロ栄養素)はほとんどない」と認める一方で、微量栄養素としてリボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、カリウム、マグネシウム、そして多くの抗酸化物質が含まれていると指摘する。8オンス(約240ml)のコーヒーには約2カロリーしかない。エリックは、焙煎時間が長くなるほどこれらの微量栄養素が失われる可能性を示唆し、ライト〜ミディアムローストの方が風味と栄養の両面で優れていると主張する。

29:00コーヒー農園からあなたのマグカップまで—品質とサプライチェーンの裏側

コーヒーがどこでどのように栽培されているかについて、エリックは詳細な説明を行う。アメリカ国内では、ハワイと南カリフォルニア(サンタバーバラ近郊)の2か所でのみコーヒーが栽培されている。世界的には「コーヒーベルト」と呼ばれる地域—中央アメリカ、南アメリカ、アフリカ、インドネシア—が主要産地だ。高品質のアラビカ種は標高1,500メートル以上で栽培され、低品質のロブスタ種は主にブラジルとベトナムで生産される。

コーヒー価格の変動要因について、エリックは「マクロ的には天候が全てを決める」と語る。ブラジルで干ばつが起これば、世界中のバイヤーが他の産地に殺到し、価格が高騰する。2023年のブラジルの深刻な干ばつはその典型例だ。また、2025年春から冬にかけての関税問題も業界に大きな影響を与えた。

一貫した品質を維持するために、Stone Creek Coffeeは「Cマーケット」と呼ばれるコーヒー先物市場で契約を購入し、価格を安定化させている。さらに重要なのは、同じ農家や協同組合と長期的な関係を築き、直接取引(ダイレクトトレード)を行っていることだ。エリックは「私たちは友人から購入している」と表現し、Bコープ認証企業としての姿勢を示す。

コーヒーチェリー(果実)の収穫は、世界の95%以上が手作業で行われている。エリックは「牛の血のような濃い赤色」になったチェリーだけを選んで摘む必要があると説明する。同じ枝でもチェリーの熟度は異なるため、数週間おきに同じ木に戻って収穫を続ける。機械による収穫では未熟果と過熟果が混ざり、品質が低下する。

38:30自分に合ったコーヒールーティンを見つける—耐性、睡眠、回復

カフェイン耐性と個人差について、エリックは「最初の一杯が常に最高の一杯」だと語る。二杯目以降は、生理学的な効果よりも心理的な期待感が薄れるため、同じ満足感は得られないという。彼は「素晴らしい体験の本質は、体験そのものではなく、その体験を想像している時間にある」と哲学的に述べる。

レース当日のカフェイン戦略について、エイミーは「100%カフェインでスタートするのではなく、25%から始めて徐々に強度を上げていく」方法を提案する。これにより、スタートラインでの過剰なアドレナリンを抑え、レース後半で疲労が蓄積したタイミングで効果的なカフェインブーストを得られる。エリックも「レースの最初の10〜20%は、自分のペースを守るのに必死で、カフェインは必要ない」と同意する。

カフェインの生理学的効果について、エイミーは「大腸の運動を刺激する」という実用的な利点を挙げる。これはランナーにとって「トイレに行くタイミングを調整できる」という重要な意味を持つ。エリックは、カフェインがアデノシン受容体をブロックして眠気を抑制するメカニズム、心拍数の軽度な上昇、代謝の活性化、知覚努力の低減、持久力とパワー出力の向上などを簡潔に列挙する。

コーヒーの種類について、エリックは「コーヒーはランニングやサイクリングと同じく、世界と関わる方法であり、仲間と何かクールなことをする手段だ」と語る。インスタントコーヒーからコールドブリューまで、多様なフォーマットが存在し、それぞれに楽しみ方がある。ドンは、安いコンビニコーヒーを好む元同僚の話を紹介する。彼は貧しい学生時代の nostalgia(郷愁)から、長時間ヒーターで温められた苦いコーヒーを愛しているという。エリックは「習慣の力」を示す好例だと評価する。

55:00「One More Mile」ブレンドの誕生—コミュニティのためにデザインされたコーヒー

エピソードの後半では、Stone Creek CoffeeがTrail Runner Nationのために特別に開発した限定ブレンド「One More Mile」が紹介される。エイミーは、このブレンドがエリックのお気に入りの産地であるコロンビアのカラベラ農園からの同じコーヒー豆を、ミディアムローストとライトローストの2種類に分けて焙煎し、ブレンドしたものだと説明する。ライトローストの成分が柑橘系の風味を、ミディアムローストがキャラメルとベーカーズココアのような風味をもたらす。

エリックは、このブレンドが彼の理想とする「sweet(甘い)、clean(クリーン)、juicy(ジューシー)」の特徴を完璧に体現していると語る。彼は1年半前にコロンビアを11日間かけて巡り、11便のフライトを乗り継いで農家を訪問した経験を共有する。農家の家で食事やビールをご馳走になり、農園と人々を直接見る喜びが、このブレンドに込められている。

Stone Creek Coffeeの企業理念について、エリックは「34年間の旅路」を振り返る。彼は「人間を集めて何かクールなことをしようとすれば、問題は避けられない。しかし、それこそが旅の喜びだ。問題を解決することが楽しいのだ」と語る。同社は現在9人の従業員オーナーを擁し、将来的にはESOP(従業員持株制度)を通じて100%従業員所有に移行する計画だ。これは「私が現金化して別の家を建てるためではなく、旅を続け、問題を解決し、楽しむため」だと強調する。

コーヒー業界のコミュニティについて、エイミーは「友好的な競争」と表現する。同業他社のコーヒーを試し、互いに学び合い、成長を促し合う関係が築かれている。エリックは、業界に入った初日から人々がオープンで協力的だったと述べ、毎年の Specialty Coffee Association of America のショーは「家族の再会のようなもの」だと語る。

まとめ

このエピソードがリスナーに残す最大のメッセージは、カフェインを「魔法の薬」としてではなく、正しく理解し、計画的に使うべきツールとして捉えることの重要性だ。エリックとエイミーの実践的なアドバイス—特に「睡眠を最優先にし、カフェインの半減期を考慮してタイミングを調整する」「レース本番でやることを練習で再現する」「カフェインの強度をグラデーションで調整する」—は、すぐにでもトレーニングに取り入れられる具体的な知恵に満ちている。

同時に、この対話はコーヒーが単なるカフェイン摂取手段ではなく、ランナーの生活に深く根ざした儀式、コミュニティ、そして喜びの源泉であることを思い出させてくれる。朝の一杯が持つ心理的な力、農家との直接的な関係、そして「One More Mile」のようなブレンドに込められたストーリーは、ランニングという行為そのものに新たな意味と感謝の気持ちをもたらす。科学と文化、実用と哲学が絶妙にブレンドされた、まさに「一杯のコーヒー」のようなエピソードだった。

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