
3つの奇妙なビジネスが1000万ドル、2000万ドル、3000万ドルを達成
- 本エピソードは、My First MillionのホストであるSam ParrとShaan Puriが、通常のビジネスインタビューとは一線を画す試みとして、彼らのコミ...
- 3人の起業家は、いずれもシリコンバレー的な「ユニコーン」を目指すハイテクスタートアップとは異なる道を歩んでいる。彼らに共通するのは、巨大で競争の激しい市場ではなく、特...
- [3:32] 不動産広告雑誌という「ジャンクメール」ビジネス:年商1,000万ドルへの道 最初のゲスト、Alex Danielsが経営する「Haven Lifesty...
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
My First Million / Hubspot Media
- Alex Danielsの「Haven Lifestyles」は、不動産広告を掲載した雑誌をジャンクメールとして送るビジネスで、年商1,000万ドル、利益率25%を達成。従業員は20名で、AIツール「Lindy」を営業プロセスに活用している。
- Josh Weissensteinの「Team Outsider」は、家族経営のキャンプ場を買収・運営し、デジタルマーケティングや予約システムの導入で収益性を改善。最初の物件は300万ドルで購入し、キャッシュフローを15万ドルから30万ドルに倍増させた。
- Brianの「Autopilot」は、個人投資家が他の投資家の取引を自動コピーできるプラットフォーム。ナンシー・ペロシの株取引トラッカーで話題を呼び、18億ドルの資産を管理、年商3,000万ドルを達成。トップのPilotは年間100万~200万ドルを稼ぐ。
- 採用の成功には、求める人物像の明確な定義、外部の目を活用した面接プロセス、そしてCEOが30%以上の時間を採用に割くことが重要。入社後の早期解雇も文化維持の有効な手段となり得る。
- レオポルド・アッシェンクロートは、AIのボトルネックに着目した投資で2年で資産を10倍にし、自身の投資哲学を記したホワイトペーパー『Situational Awareness』で資金を集めた。Autopilotはこうした新世代の投資家と個人投資家を直接結びつける。
- 成功は一本の針を探すようなものではなく、無数のチャンスが存在するという「豊かさのマインドセット」への転換が重要。すべての人から学び、すべての人の成功を応援する姿勢が、新たな可能性を開く。
本エピソードは、My First MillionのホストであるSam ParrとShaan Puriが、通常のビジネスインタビューとは一線を画す試みとして、彼らのコミュニティ「Hampton」から集めた3人の起業家を迎え、それぞれが経営する「奇妙でニッチなビジネス」の実態に迫る特別編である。彼らは「謙虚になるな、数字を言え」というお決まりのスタイルで、ゲストにまず年商を宣言させ、そのユニークなビジネスモデルを深掘りしていく。登場するのは、不動産広告の雑誌(いわゆるジャンクメール)を40誌発行し年商1,000万ドルを稼ぐAlex Daniels、家族経営のキャンプ場を買収・運営し年商2,000万ドルを目指すJosh Weissenstein、そして政治家やヘッジファンドの投資行動をコピーできるプラットフォーム「Autopilot」を運営し、年商3,000万ドルを達成したBrianの3人である。このエピソードの核心は、Shaanが語る「成功とは一本の針を干し草の山から探すようなものだという考え方から、チャンスは至る所に無数にあるという abundance mindset(豊かさのマインドセット)への転換」にある。リスナーは、一見すると地味で「格好悪い」と思えるようなビジネスが、いかにして大きな収益を生み出し、オーナーに独特のライフスタイルと満足感をもたらしているかを目の当たりにし、自分自身の成功の定義やビジネスの可能性に対する視野を広げることができる。
3人の起業家は、いずれもシリコンバレー的な「ユニコーン」を目指すハイテクスタートアップとは異なる道を歩んでいる。彼らに共通するのは、巨大で競争の激しい市場ではなく、特定のニッチな領域に深く根を下ろし、既存のプレイヤーが軽視している、あるいは気づいていない「面倒で複雑な」部分に価値を見出している点である。Alexは、デジタル広告が主流の時代にあえて紙の雑誌を郵送するというアナログな手法を選び、Joshはホスピタリティと不動産という自身のバックグラウンドを活かし、大企業が見逃している「運営が複雑」なキャンプ場という資産クラスに着目した。Brianは、個人投資家がプロの投資家の動きを「コピー」したいという根源的な欲求に応えることで、従来の資産運用業界の常識を覆すスピードで資産を集めている。彼らの成功は、必ずしも画期的な技術や独創的なアイデアだけがビジネスを大きくするわけではないこと、そして「誰もやらない面倒なこと」にこそ大きなチャンスが眠っていることを如実に示している。
不動産広告雑誌という「ジャンクメール」ビジネス:年商1,000万ドルへの道
最初のゲスト、Alex Danielsが経営する「Haven Lifestyles」は、全米とカナダを40のエリアに分割し、それぞれの地域で不動産物件の広告を掲載した雑誌を発行している。この雑誌は、購読者に送られるものではなく、特定の郵便番号や収入層に基づいて選定された住宅に無料で郵送される、いわゆる「ジャンクメール」である。Shaanはこのビジネスモデルを「郵便局はFacebookのようなものだ。君は商品であり、君の住所は君の同意なしに販売されている」と表現し、そのアナログでありながらも効率的な仕組みに驚きを示した。Alexは、このアイデアを大学のルームメイトと始め、最初の年は30万ドルの売上からスタートし、10年かけて1,000万ドルにまで成長させた。彼は以前、債権回収会社で働いており、その経験が断られることに慣れ、営業力を鍛えるのに役立ったと語る。
このビジネスの収益構造はシンプルで、不動産エージェントが自らの売り物件を掲載するために広告料を支払う。雑誌は100~200ページのボリュームで、6週間ごとに発行され、毎月30種類もの雑誌が印刷されている。年間で約50万部を郵送しており、さらにオンラインでも9割の読者を集めている。従業員はわずか20名で、デザイン業務の多くはフィリピンに外注している。利益率は25%で、純利益は約250万ドルと推定される。Samは、このビジネスが「メディアビジネス」というよりも、まず広告主を集めてから読者を獲得するという点で、従来のメディアとは逆の構造であることに着目した。
ShaanとSamは、Alexに対して「なぜ1億ドルを目指さないのか」と問いかけ、彼の「穏やかで満足している」姿勢を、起業家としては異質だと評した。彼らは、Alexが競合他社の規模を正確に把握していない点を指摘し、まずは「研究遠征」として、同業他社の成功事例を徹底的に調査することを提案した。また、利益を倍増するための具体的な戦略として、既存顧客のリテンション率向上を挙げ、トップ100の顧客に自ら電話して関係構築をすることを強く勧めた。Shaanは、顧客を「Tier 1(すぐに頼み事ができる関係)」「Tier 2(知り合い)」「Tier 3(取引関係のみ)」に分類するフレームワークを紹介し、AlexのビジネスにはTier 1の顧客がほとんどいないことを指摘し、そこに改善の余地があると分析した。Alexは、AIツール「Lindy」を活用して営業プロセスを自動化しており、その先進的なAI活用はHamptonコミュニティ内でも有名であるというエピソードも紹介された。
キャンプ場買収ビジネス:年商2,000万ドルへのスケール戦略
2人目のゲスト、Josh Weissensteinは、パートナーのCodyと共に「Team Outsider」を運営し、家族経営のキャンプ場を買収・運営している。彼らは現在16のキャンプ場を所有し、約4,000のサイトを10州に展開しており、今年の売上は2,000万ドルを見込む。このビジネスの発端は、Codyがモンタナ州ボーズマンに住み、熱心なRV愛好家であったことから、「キャンプ場」という資産クラスに可能性を見出したことにある。彼らは、ホスピタリティと不動産という自身のバックグラウンドを活かし、「非技術系の創業者でも勝機があり、市場は細分化されており、運営が複雑で、かつ従業員と顧客の双方にとって意味のあるビジネス」という条件に合致するものとしてキャンプ場に着目した。
最初の物件は、イエローストーン国立公園近くのキャンプ場を約300万ドルで購入した。購入時の年間売上は50万ドル、キャッシュフローは約15万ドルだったが、デジタルマーケティングの導入や予約システムの刷新などの「プロフェッショナル化」により、キャッシュフローを約30万ドルに倍増させた。その後、リファイナンスを行って投資資金を回収し、その資金で次の物件を買収するというサイクルを繰り返している。現在までに総額6,000万ドルの資金を調達しており、ポートフォリオ全体の価値は1億ドルを超えると見積もられている。彼らは、単なる不動産投資ではなく、自社で運営会社(OPCO)を持つ「カンパニービルディング」のアプローチを取っており、パートナーは最初の1年間は自ら現場でトイレ掃除まで行い、文化の構築に注力した。
ShaanとSamは、このビジネスの魅力として「強力な利回り」「運営の複雑さゆえのバリューアップ余地」「税制上の優遇措置(減価償却)」を挙げた。また、キャンプ場業界にはKOAのようなフランチャイズ大手や、製造住宅REIT(不動産投資信託)が存在することを指摘し、市場の成熟度と競争環境について議論した。Joshは、売り手は多くの場合、高齢で引退を考えている家族経営者であり、買収には数年単位の関係構築が必要であると語る。彼らは、シーズン中は忙しく電話にも出られない売り手と、いかにして信頼関係を築くかが最大の課題だと述べた。Samは、このような現場の従業員のモチベーション管理という課題に対して、Chipotleの事例を紹介した。Chipotleでは、一般社員が後にゼネラルマネージャーになった場合、その元上司にも報酬が支払われる仕組みがあり、人材の育成と定着を促している。また、ウィル・ギデラの著書『Unreasonable Hospitality』から、UPS店舗での「最もホスピタリティのある行動」を競う週間コンテストの事例を紹介し、小さなインセンティブが文化を変える可能性を示唆した。
政治家の投資をコピーする「Autopilot」:年商3,000万ドルの急成長
3人目のゲスト、Brianは、個人投資家が他の投資家の取引を自動的にコピーできるプラットフォーム「Autopilot」を運営している。同社は18億ドルの資産を管理し、年間3,000万ドルの収益を上げている。彼らが最も有名になったきっかけは、ナンシー・ペロシ下院議員の株式取引を追跡する「Nancy Pelosi Stock Tracker」をTwitter上で公開したことである。ペロシ氏の過去3年間のリターンは約240%と、同期間のS&P500の30~40%を大幅に上回っており、このトラッカーは瞬く間に話題となった。Brianは、このトラッカーを「サプライサイドの製造」と位置づけ、プラットフォームの需要と供給の両方を同時に立ち上げるための起爆剤として活用した。
Autopilotの仕組みは、投資家(Pilot)が自身のモデルポートフォリオをプラットフォーム上に公開し、フォロワーがその取引を自動的に自分の証券口座(RobinhoodやSchwabなど)でコピーするというものである。Pilotは年間100~500ドルの購読料を設定でき、トップのPilotは年間100万~200万ドルの収入を得ている。プラットフォームは、Pilotの過去のパフォーマンスやリスク管理能力を審査し、質の高いPilotのみを掲載することで、投資家にとっての信頼性を担保している。Brianは、このモデルを「金融版Substack」と表現し、従来の資産運用会社が提供できない「アルファ(超過収益)」を個人投資家に提供することを目指している。同社はこれまでに1,600万ドルを調達し、現在シリーズBラウンドで3~4億ドルの評価額を目指している。
ShaanとSamは、このビジネスの成長性とリスクについて議論した。Brianは、Autopilotの究極の目標は「世界最大の資産運用会社になること」であり、機関投資家向けのBlackRockのAladdinシステムを個人投資家向けに提供するようなものだと説明した。一方で、Shaanは、3年間の好調な市場が続いた後の「3年間の不況」が来た場合のリスクを指摘し、RobinhoodがGameStop騒動で資金調達に追い込まれた事例を挙げた。Brianは、個人投資家の粘り強さは以前よりも増していると主張しつつも、長期的な不況への備えの重要性を認めた。また、彼らはUFCのスポンサーシップで45万ドルを費やし、ドナルド・トランプ前大統領の目前で「Invest Like a Politician」というリング広告を掲出し、ナンシー・ペロシのそっくりさんを登場させるという派手なマーケティングを行ったエピソードも披露された。このスタントは直接的な効果は限定的だったものの、ブランド認知度の向上には貢献したと振り返った。
採用の極意:優秀な人材を見極め、引き寄せる方法
エピソードの後半では、Brianから「優秀で意欲的な人材をどうやって見つけ、採用するか」という質問が投げかけられ、ShaanとSamが自身の経験に基づいた具体的なアドバイスを提供した。Samは、まず「自分が何を求めているのかを明確に定義すること」の重要性を強調した。多くの採用ミスは、求める人物像が曖昧なまま、ChatGPTやリクルーターに任せて汎用的なジョブディスクリプションを作成してしまうことに起因するという。彼は、候補者に「あなたの会社で何を変えてほしいのか」「何に世界一になってほしいのか」「どんな問題を解決してほしいのか」を具体的に言語化することを勧めた。
Shaanは、採用プロセスに「外部の目」を取り入れることの有効性を説いた。彼は、自身よりも採用が得意な友人に、最終候補者の面接を依頼し、その評価を聞くことで、自身の面接力を向上させたという。特に、自分が「素晴らしい」と思った候補者を友人が「見抜いた」瞬間を観察することで、自分にはなかった質問の仕方や深掘りの方法を学ぶことができたと語る。また、採用すべき人材のプールとして、「同じ問題を過去に解決したことがある人」と「経験はないが何でもできる素質を持つ人」の2つを挙げた。前者については、単に成功した企業で働いていたというだけでなく、その企業が自分たちと同じフェーズの時に、その問題の中心的な解決者だったかを徹底的に調べるべきだと述べた。
さらに、Shaanは「CEOの採用にかける時間」の重要性を指摘した。Brianが現在採用に20%の時間を割いているのに対し、多くの成功した創業者はスケーリングフェーズでは30%以上の時間を採用に費やしているという。Samは、採用のハードルを高く保つことの重要性を強調し、入社後2~3週間で成果が出せない場合はすぐに解雇するという自身のポリシーを明かした。これは一見厳しいように思えるが、結果として「3ヶ月以上在籍している人は安心できる」という文化を醸成し、チーム全体のパフォーマンスを高める効果があると説明した。また、AIの活用により、優秀な人材1人で平均的な人材の10~20倍の成果を上げられる時代になったと述べ、高い給与水準(年俸35万ドルのオファー事例)を正当化した。
レオポルド・アッシェンクロート:AI時代の新たな投資家像と「状況認識」
エピソードの最後に、ShaanとSamは、Brianのプラットフォームで最も注目されている投資家の一人、レオポルド・アッシェンクロート(Leopold Aschenbrenner)について語り合った。彼は元OpenAIの従業員で、現在25歳。AIのボトルネック(GPUではなくSSDなど)に着目し、誰も注目していない分野に投資することで、2年で資産を約10倍に増やし、現在は50億ドル規模のファンドを運用しているとされる。彼の成功の鍵は、自身の投資哲学を詳細に記したホワイトペーパー『Situational Awareness(状況認識)』を公開したことにある。このペーパーでは、今後10年間のAIの進化、米中対立の激化、そしてそれに伴う特定のセクターへの影響について、非常に具体的で大胆な予測が述べられており、これが多くの賢明な投資家の共感を呼び、資金を集める原動力となった。
Shaanは、このペーパーをAIツール「Victor」に読み込ませ、10の主要なアイデアに分解して説明させた経験を共有した。Victorは、単に要約するだけでなく、その後の質問にも答えてくれ、非常に有用だったという。SamもこのVictorというツールに惚れ込み、実際に投資まで行ったと明かした。このエピソードは、AI時代における情報収集と分析の新しい方法を示すと同時に、アッシェンクロートのような「天才的な個人投資家」が、従来のヘッジファンドの仕組みを介さずに、直接個人投資家から資金を集められるプラットフォームとしてのAutopilotの可能性を浮き彫りにした。Brianは、Autopilotの目標は、個人投資家が自分の資産の10~15%をこうした高リスク・高リターンの戦略に振り向けるためのプラットフォームになることだと語った。
結びに
このエピソードがリスナーに残すものは、単なるビジネスアイデアの羅列ではない。それは、「成功」や「ビジネス」に対する固定観念を打ち砕き、可能性の扉を開く感覚である。Shaanが語ったように、かつて彼は成功を「干し草の山の中の一本の針」のように希少なものと考えていた。しかし、このポッドキャストを通じて、無数の「奇妙でニッチな」ビジネスが現実に存在し、それぞれのオーナーが異なる形で成功と幸福を手にしていることを知った。Alexの穏やかな自信、Joshの地に足のついた成長戦略、Brianの型破りなマーケティングと急成長。彼らのスタイルは全く異なるが、いずれも「自分たちの道」を歩んでいる点で共通している。このエピソードは、リスナーに対して「自分だけの成功の形」を追求する勇気を与え、同時に、あらゆる場所に存在するチャンスに気づくための「豊かさのマインドセット」を植え付ける。すべての人から何かを学び、すべての人の成功を応援するという姿勢こそが、このポッドキャストの真髄であり、このエピソードの価値である。
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