
アドバイスライン:M.M. LaFleur の Sarah LaFleur と共に
- 概要 このエピソードは、女性向けアパレルブランド「M.M.
- LaFleur」の創業者サラ・ラフルールがゲストとして参加し、3人のアーリーステージの創業者からの相談に答えるアドバイスライン形式で進行する。パンデミックで売上が60%減...
- [0:00] 番組導入とサラ・ラフルールの近況 ガイ・ラズは、今週のゲストとしてサラ・ラフルールを迎える。彼女は2011年に創業したM.M.
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
How I Built This with Guy Raz / Guy Raz | Wondery
概要
このエピソードは、女性向けアパレルブランド「M.M. LaFleur」の創業者サラ・ラフルールがゲストとして参加し、3人のアーリーステージの創業者からの相談に答えるアドバイスライン形式で進行する。パンデミックで売上が60%減少し、3度のレイオフを経験しながらも再建を果たしたサラが、自己疑念の克服、プレミアム価格の正当化、消費者行動の変革といった普遍的な課題に対して、自身の実体験に基づいた実践的なアドバイスを提供する。ガイ・ラズの軽妙な進行と、創業者たちの生々しい悩みが交錯する、温かくも示唆に富んだ対話が特徴的だ。
番組導入とサラ・ラフルールの近況
ガイ・ラズは、今週のゲストとしてサラ・ラフルールを迎える。彼女は2011年に創業したM.M. LaFleurのCEOであり、これまでに2度「How I Built This」に出演している。最初の出演は2020年2月、彼女が妊娠7ヶ月の時だった。それから5年半、彼女は「10回分の人生を生きた」と語る。
パンデミックは彼女のビジネスに壊滅的な打撃を与えた。2020年の収益は2019年比で60%減少し、3度のレイオフを余儀なくされた。全店舗を閉鎖し、その後一部を再開、さらに新店舗もオープンした。2022年に再び黒字化を達成し、それ以降着実に成長を続けている。「すべてを失うと思った。2度目のチャンスを得て、より賢く再構築できたのは幸運だった」と彼女は振り返る。
M.M. LaFleurの核となるコンセプトは「ユニフォーム」だ。ガイ自身も青いブレザーと緑がかったトラウザーズ、白いシャツというユニフォームを愛用していることを明かし、このコンセプトに共感を示す。現在はオフィス向けだけでなく、「パワーカジュアル」と呼ばれる、ブレザーとデニムの組み合わせなど、よりカジュアルなラインも展開している。ターゲットは20代後半から50代半ばのプロフェッショナル女性で、年齢分布がほぼ均等であることをサラは誇りに思っている。「27歳の女性と47歳の女性の服装はそれほど変わらない。私たちはデモグラフィックではなくサイコグラフィックで見ている」と彼女は説明する。
第一相談者:自己疑念との向き合い方
最初の相談者はニュージャージー州ポイント・プレザント・ビーチからデイビッド・ルスティアーノ。彼の会社「Sorsoap」は、筋肉回復用のオールナチュラル石鹸「Sore Soap」を製造している。この製品は、理学療法で使われる「グラストンツール」に着想を得て、シャワーで使える超硬質の鎮痛石鹸として開発された。共同創業者は理学療法士のドクター・ダンだ。
事業はCOVID禍中に偶然から始まった。デイビッドがランニング後にシャワーを浴びていると、妻が置いたアイリッシュ・スプリング石鹸の底面のカーブが、以前理学療法士が使っていたグラストンツールを思い出させた。その石鹸で腰の筋肉を擦ると即座に relief を感じ、そこから製品開発が始まった。
売上は初年度16,000ドル、翌年33,000ドル、翌々年120,000ドルと成長。さらに「Shark Tank」出演後は440,000ドルに跳ね上がったが、2025年には105,000ドルに落ち着いた。現在はD2Cが85〜90%を占め、理学療法士のオフィスやVitamin Shopでも販売している。
デイビッドの質問は「自己疑念が消えない中で、どうやって直感を信じて前進し続けたのか」というもの。サラは「自己疑念の管理こそがCEOの仕事の大部分」と断言する。彼女は昨年からメンタルストレングスコーチと組み、瞑想とジャーナリングを始めた。14年の事業運営の中で初めて「救い」を見つけたという。COVID、シリコンバレーバンクの破綻(72時間の恐怖)、2024年の貸し手の破綻による緊急資金調達——これらの危機のたびに「どうしてこんなことに」という自己疑念に苛まれたが、それでも諦められなかったと語る。
ガイは「自己疑念を持たない創業者の方が心配だ」と述べ、データやフィードバックといった「実際に意味のあるシグナル」に焦点を当てることを提案する。サラは瞑想の重要性を強調し、「外部の承認や数字が心の平穏をもたらすわけではない。自分の中に calm を見つけなければならない」と語る。デイビッドにとっての瞑想は、このポッドキャストを聴きながらのランニングだという。
第二相談者:プレミアム価格の正当化
2人目の相談者はオーストラリア東海岸の小さな町からモーニー。彼女の会社「Tick Socks」は、ダニよけ機能を内蔵したカラフルなソックスを販売している。製品には「パーメトリン」という防虫剤が工場で繊維に結合されており、70回の洗濯に耐える。DIYでスプレーする方法は6回程度しか持続しない。
アイデアは数年前、生まれたばかりの息子に「ヌーディー・ルーディー・タイム」(おむつなし時間)を与えていた時に生まれた。蚊を追い払いたいが、新生児にスプレーは使いたくない。そこで「毛布自体に防虫剤を織り込めないか」と考えた。
現在は米国市場に特化してD2Cで販売。4足入り119ドル(送料込み)で、これまでに約20件の売上を達成している。バイラル投稿が何度かあったが、それが売上に直結しなかったという。彼女の質問は「機能的価値と感情的価値を併せ持つ製品が、人々が安く買うことに慣れているカテゴリーで、どうすれば最初の数秒で価格を正当化できるか」というもの。
サラは自身の経験を共有する。M.M. LaFleurも当初、対面では顧客が製品を試着して理解するが、オンラインでは「なぜこの黒いドレスが他社の何分の一かの価格のドレスより優れているのか」を示すのが難しかったという。モーニーの製品について、サラは「119ドルは4足のソックスの値段ではなく、夏の間の保護の値段」と再定義することを提案。特にライム病が蔓延するコネチカットやマサチューセッツのサマーキャンプに子供を送る母親層をターゲットにすべきだとアドバイスする。
ガイは「D2Cは単一のニッチ製品には適さない」と指摘。キャンプディレクターに直接メールを送る、キャンプと提携して売上の一部を寄付するなどのB2B的アプローチを提案する。サラも「D2Cは利益率が高いが、パフォーマンスマーケティングや広告は高くつく」と同意する。また、製品のパッケージングの楽しさを評価し、「ブランディングと楽しさ」を武器にすべきだと助言する。
第三相談者:消費者行動の変革
3人目の相談者はブルックリンからデイビッド・ブロンケ。彼の会社「Siblings」は、使い捨て文化に挑戦するエコなホームフレグランスブランドだ。姉と共同で2019年に創業。ニューヨーク州バッファロー郊外の馬牧場で育った二人は、両親の持続可能な生活様式に影響を受けた。姉がストックホルムに住んでいた時、長く暗い冬に大量のキャンドルを燃やし、そのたびに捨てることに違和感を覚えたことがきっかけだ。
製品は、95%再生粘土のセラミック容器と、100%堆肥化可能な袋に入ったワックスのブロックで構成される。袋ごと電子レンジで数分加熱し、溶けたワックスを容器に注ぐだけで新しいキャンドルになる。昨年の売上は200万ドル超だが、ここ数年は低めの7桁台で推移しており、そこからの脱却を目指している。
デイビッドの質問は「人々が捨てることに慣れているものを、詰め替え可能にする方向に消費者行動をどう変えるか」というもの。サラは「容器こそが最も重要な製品」だと指摘する。容器は家に永遠に残るものであり、一目でSiblingsとわかる「圧倒的に美しい」デザインが必要だと主張する。現在の容器は「素敵だが、劇的に異なるわけではない」と評価する。
ガイは「環境に優しい」というメッセージよりも、「より少ないがより良いものを持つことこそが新しいラグジュアリー」という価値観に訴えかけるべきだと提案。また、サラは電子レンジ加熱というプロセスが「面倒」という印象を与える可能性を指摘し、ショート動画でその簡単さを視覚的に示すことを勧める。さらに、キャンドルはギフト需要が大きいにもかかわらず、そのマーケティングが不足している点も指摘する。
サラから過去の自分へのアドバイス
エピソードの締めくくりとして、ガイはサラに「15年前の自分にどんなアドバイスをするか」と質問する。サラは「創業者は1日目からなれるが、CEOになるには10年かかる」と語る。27歳でCEOという肩書きを得たが、実際には何もわかっていなかった。事業運営、重要な指標の理解、人材管理スキル——これらを学ぶのに10年を要したという。「もっと助けを求めてもよかった。CEOになる方法を。誰でも創業者にはなれるが、CEOは難しい仕事で、ある意味で実地で学ぶしかない」と締めくくる。
まとめ
このエピソードが聴き手に残すのは、創業という旅路における普遍的な真理だ。自己疑念は消えないが、それを管理する方法は学べる。価格の正当化は「何を売っているか」の再定義次第だ。消費者行動の変革には、製品そのものよりも「容器」や「体験」の美しさが鍵となる。そして何より、創業者からCEOへの成長には時間がかかるという、サラの率直な告白は、多くの起業家に勇気と安堵をもたらすだろう。3人の相談者それぞれが直面する課題は異なるが、サラとガイのアドバイスは一貫して「本質に立ち返れ」というメッセージに収斂している。
要点
- 自己疑念は創業者の宿命であり、それを完全に消すことはできないが、瞑想やデータへの着地など「心の平穏を見つける実践」によって管理可能になる
- プレミアム価格を正当化するには、製品の価値を「何を買っているか」の再定義で伝える——「4足のソックス」ではなく「夏の間の保護」
- 単一のニッチ製品はD2C単独では厳しく、キャンプや小売店とのB2B的パートナーシップが有効な成長経路となる
- 消費者行動を変えるには「環境に優しい」よりも「より少ないがより良いもの」という新しいラグジュアリーの価値観に訴える方が効果的
- 詰め替え可能な製品では、容器のデザインが最も重要——「永遠に残るもの」として圧倒的な美しさと識別性が必要
- 創業者は1日目からなれるが、CEOになるには10年かかる——人材管理、指標の理解、事業運営は実地で学ぶしかない
- パンデミックで売上60%減、3度のレイオフを経験しても再建は可能——「2度目のチャンスをより賢く活かす」というサラの経験は希望となる