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The a16z Show · 2026年8月1日

マーク・アンドリーセンとクリス・ディクソン:暗号規制の危機

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • 米国議会で現在審議されている暗号資産(クリプト)市場構造法案「CLARITY Act」をめぐる議論は、単なる業界規制の枠組みを超え、次世代の金融インフラがどこに建設さ...
  • 2014年にAndreessenがニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した「Why Bitcoin Matters」から始まったこの対談は、暗号資産が趣味人のサブカルチャー...
  • [0:00] 暗号資産の進化:2014年から現在まで Andreessenは、2014年に自身が書いたニューヨーク・タイムズの論説を振り返り、当時はビットコインが暗号...
こんな人向け

自分では見つけにくい海外Podcastの話題に、日本語で気軽に触れたい人。

出典Podcast

The a16z Show / Andreessen Horowitz

要点
  1. Marc Andreessenは2014年のNYT論説でビットコインの将来を予測したが、当時は「ビットコイン」と書いた部分は現在ではすべて「クリプト」に置き換えるべきだと述べた。
  2. ステーブルコインの取引量は現在Visaネットワークに匹敵し、ブラックロック、JPモルガン、Visa、マスターカードなど巨大金融機関が参入している。
  3. CLARITY Actは、現在存在しない暗号資産取引所の連邦規制を創設し、SECとCFTCに監督権限を与えることでFTXのような事件を防ぐことを目的としている。
  4. エリザベス・ウォーレン上院議員は法案を「制裁回避のチケット」と批判するが、国家安全保障の専門家はむしろ犯罪者に暗号資産を使ってほしいと考えている。ブロックチェーンには取引の痕跡が残るためだ。
  5. 開発者への無制限の下流責任を課すことは、オープンソース、学術研究、ベンチャー投資、そしてすべてのテック企業を死滅させる「殺し文句」だとAndreessenは主張する。
  6. 株式をトークン化した場合、それは依然として証券でありSECの規制下にある。CLARITY Actは、分散化の度合いに応じてSECまたはCFTCのいずれかが監督することを明確にする。
  7. 銀行ロビーはステーブルコインの利息支払いに反対したが、法案では残高への利息支払いは禁止され、銀行の要求がほぼ通った。しかしJPモルガン自身は大規模なブロックチェーン部門を持っている。
  8. Andreessenは前政権の規制姿勢を「アナーコ・タイラニー(無政府暴政)」と表現し、法律を守る者を過度に規制し、法律を破る者を野放しにする悪しき統治形態だったと批判した。
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他のエピソード

米国議会で現在審議されている暗号資産(クリプト)市場構造法案「CLARITY Act」をめぐる議論は、単なる業界規制の枠組みを超え、次世代の金融インフラがどこに建設されるのか、そして米国が世界の技術革新のリーダーであり続けるのかという国家的な岐路に立っている。a16zの共同創業者であるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)と、同社のクリプト部門を率いるChris Dixon(クリス・ディクソン)が、ホストのRobert Hackett(ロバート・ハケット)とともに、この法案の意義、反対論への反論、そして規制の明確化がもたらす未来について深く掘り下げた対談が、このエピソードの核心である。

2014年にAndreessenがニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した「Why Bitcoin Matters」から始まったこの対談は、暗号資産が趣味人のサブカルチャーから、ブラックロックやJPモルガン、Visaといった巨大金融機関が参入する一大産業へと変貌を遂げた過程を振り返る。そして、ステーブルコインの取引量がVisaネットワークに匹敵するまでに成長した現在、なぜ包括的な連邦規制が不可欠なのか、そして規制の不確実性がもたらす「底辺への競争」の危険性について、二人の論客が持論を展開する。さらに、FTXの崩壊やテラルナの暴落といった過去の災害を繰り返さないための具体的な法案内容、銀行ロビーとの攻防、開発者責任論、政府倫理規定など、法案をめぐる主要な論点が詳細に語られる。

0:00暗号資産の進化:2014年から現在まで

Andreessenは、2014年に自身が書いたニューヨーク・タイムズの論説を振り返り、当時はビットコインが暗号資産そのものであり、技術としての認知度も低かったと語る。彼はその論説で、この技術の本質を教育することに力を注いだといい、その予測は現在でも十分に通用すると述べる。ただし、当時「ビットコイン」と書いた部分は、現在ではすべて「クリプト(暗号資産)」に置き換えるべきだと指摘する。当時は「カラードコイン」と呼ばれる、ビットコインに他の資産を表すプロパティをタグ付けする提案があったが、結局その道は選ばれず、代わりにイーサリアムなど新しいブロックチェーンが登場し、技術が産業へと発展した経緯を説明する。

Dixonは、2014年当時の暗号資産は趣味人や超熱狂者のサブカルチャーであり、技術的にも性能やスケーリングに課題があったと振り返る。しかし現在では、毎日のように大手銀行やフィンテック企業がステーブルコインやトークン化された株式を発表する時代になった。特にステーブルコイン、つまりブロックチェーン上のドルは、取引量がVisaネットワークに匹敵する規模に成長し、ほぼ無料で世界中に送金できるようになった。これは「お金がビットのように動く」という、インターネットの先駆者たちが夢見ていた世界の実現だとDixonは強調する。技術的にも、3年前は数ドルかかっていた取引が、現在ではソラナやイーサリアムなどの主要ブロックチェーンで1秒未満、1ペニー未満で完了するようになったという。

セキュリティ面についてDixonは、ビットコインやイーサリアムのチェーン自体は一度もハッキングされたことがないと指摘する。ハッキング事件は、これらの技術を利用する組織のセキュリティ管理体制が甘いことが原因であり、基盤技術自体は高度に安全で高性能だと語る。こうした成熟した産業の現状を踏まえると、規制の明確化、つまり枠組みが必要になるというのが二人の主張だ。

12:44規制の現状と「CLARITY Act」の必要性

現在の規制状況についてDixonは、政治・政策的理由から暗号資産の規制がステーブルコインとその他の市場の二つに分断されていると説明する。市場規模で言えばステーブルコインが約15%、残りの85%がその他の市場だ。昨年、ステーブルコインの包括的な規制枠組みを提供する「GENIUS Act」が議会を通過し、大統領が署名した。そして、規制の明確化が進んだステーブルコイン分野が最も成長したのは偶然ではないとDixonは指摘する。規制が明確になれば、ビルダーは確実性を得られ、消費者は保護される。例えば、米国の消費者がUSDCなどのGENIUS準拠のステーブルコインを使う場合、1ドルのステーブルコインには1ドルが銀行に預けられていることが保証される。これは監査され、短期国債に投資されているため、FTXやテラルナのような消失リスクがない。

しかし、ステーブルコインが構築される基盤であるブロックチェーン自体を含む「その他の85%の市場」には、包括的な連邦規制の枠組みがまだ存在しない。これがCLARITY Actが重要な理由だとDixonは強調する。彼は比喩を用いて、携帯電話には規制があるのに、携帯電話の電波塔には規制がないようなものだと説明する。技術の半分は規制されているが、もう半分は不確実性の中にある状態だ。SECやCFTCなどの機関によるガイダンスは存在するが、産業が真に構築される基盤は立法であるとDixonは主張する。立法は不変であり、米国議会の承認印があり、異なる政党の賢人たちが妥協して業界と消費者保護のバランスを見つけた結果だからだ。

Andreessenは、過去数年間の「奇妙な黄昏状態」を振り返る。2020年から2024年にかけての政権は、規制することを拒否し、代わりに起訴することを選択した。つまり、業界を殺すことを明確に宣言したようなものだった。しかし、驚くべきことに、この攻撃にもかかわらず業界は生き残った。彼はワシントンの議員から「殺そうとしたのに死ななかったから、これは本物だ」と言われたエピソードを紹介し、逆転した論理だと笑う。また、この時期に米国企業への攻撃が行われている間、海外企業はそれぞれの法域で活動し、その結果がFTXの大惨事を生んだと指摘する。FTXは顧客資金を公然と盗み、その後の暴落は「暗号資産は信用できない」という認識を広めた。しかし、本当の答えは「完全に無規制の暗号資産は信用できない」ということであり、だからこそ、株式や債券と同じように、安定した恒久的な規制構造が必要なのだとAndreessenは結論づける。

16:23FTXの再来を防ぐ:法案の具体的な内容

FTXのような事件を防ぐためにCLARITY Actが何を含んでいるのかについて、Dixonは明確に説明する。現在、暗号資産取引所には連邦規制当局が存在しない。ニューヨーク証券取引所やナスダックには連邦規制当局がいるが、コインベースやクラーケン、FTXのような取引所にはいない。良い企業であるコインベースの隣には、常に悪質なオフショア企業が存在する。CLARITY Actの重要な部分は、SECとCFTCに監督権限を与え、開示制度、不正防止制度、インサイダー取引規則など、他の金融市場と同じ規則を適用することだ。FTXは適切に監査されておらず、異なる事業体間で資金を移動させていた。連邦登録された取引所であれば、最低限の監査、各種コントロール、監視体制が義務付けられ、これに従わなければ米国で事業を運営できない。これによりFTXのような事件は防げたはずだとDixonは主張する。

また、テラルナのような事件も挙げる。これは「ステーブル」ではなかったステーブルコインであり、ドルや他の安定通貨に裏付けられていなかった。本質的に自己参照的な仕組みで、トークンがトークンによって価値付けられており、ステーブルコインとして提示されるべきではなかった。これはGENIUSフレームワークの下では違法となる。Dixonは、詳細は難しいからこそ、CLARITY Actの策定に7年もの時間がかかっていると認める。下院での可決から1年以上が経過し、上院での審議が続いている。しかし、金融産業はこれまでに規制されてきた実績があり、他の産業で使われている原則がここでも適用されると述べる。

さらにDixonは、法案の内容を読まずに批判する報道に不満を示す。例えば、マネーロンダリング防止(AML)や制裁制度が含まれていないという批判は事実に反すると指摘する。法案には、誰がこれらの要件の対象となるかの厳格な定義があり、他の市場で適用されるのと同じマネーロンダリング防止規則や財務省規則を暗号資産仲介業者に適用する。実際、全米最大の法執行機関組織である「フラターナル・オーダー・オブ・ポリス」がCLARITY Actへの支持を表明していると述べ、反対派の主張が事実に基づかないことを強調する。

20:29反対論との対決:不正資金、倫理、銀行ロビー

法案への最大の反対者の一人であるエリザベス・ウォーレン上院議員は、この法案を「制裁回避のチケット」と呼び、北朝鮮やテロリスト、ランサムウェアハッカーが野放しになると主張している。これに対しDixonは、規制のグレーゾーンがあると「底辺への競争」が起こると反論する。コインベースのような米国企業は規制とコンプライアンスを真剣に重視しているが、それはコストがかかり、製品開発を遅らせる。そのため、毎年新しいオフショア競合他社が登場し、コンプライアンスを怠ることで低い手数料や迅速な製品開発を実現し、人気を得る。つまり、曖昧さは悪質な行為者を利するのだ。CLARITY Actは規制の境界線を明確に定義し、米国で事業を行う者はすべて規制の対象となることを明確にする。金融仲介業者は、StripeやPayPalなどのフィンテック企業と同じ規則に従うことになる。

Andreessenは、国家安全保障の専門家たちはウォーレンの主張に同意していないと述べる。むしろ彼らは、犯罪者やテロリストがもっと暗号資産を使うことを望んでいる。なぜなら、ブロックチェーンには取引の痕跡が残るからだ。彼は中東のテロ組織が資金調達に使う「ハワラ」という数世紀前からある非公式な送金システムを例に挙げる。これは二人のいとこが異なる国にいて、片方に現金を渡すと、もう片方にその情報が伝わり、実際にはお金が移動せずに支払いが完了する仕組みだ。物理的な現金の移動もなく、デジタルの痕跡も残らないため、捕捉が極めて困難だ。国家安全保障関係者の間では、暗号資産を「起訴の先物」と呼ぶ言葉があったとAndreessenは紹介する。悪者に暗号資産を使わせれば、後でブロックチェーンを解析して起訴できるからだ。つまり、より多くの悪者が暗号資産を使えば、より多くの悪者が捕まるというのが現実だ。

政府倫理規定の問題について、Dixonは、政府関係者には倫理規則が当然必要だと述べつつ、それが暗号資産に限定されるべきではないと主張する。株式取引や他の金融資産にも倫理規則はあるべきだ。CLARITY Actは、暗号資産のリスクと保有に関する開示要件、ロックアップ要件など、誰に対しても適用される制限を追加するものだ。そして、この法案は米国史上初めて、産業規制と政府関係者の倫理規定を同時に含む法案だと指摘する。通常、政府倫理規則と産業規制は別々に行われるものであり、暗号資産産業だけが異なる基準で扱われていると不満を述べる。ただし、政府関係者の暗号資産取引に関する制限は、株式取引に適用されるものよりも強力であると付け加える。

銀行ロビー、特にJPモルガン・チェースは、ステーブルコイン保有で利息を得られることに反対している。預金流出を引き起こすという懸念からだ。Dixonは、法案では銀行の要求がほぼ通っており、残高に対して利息を支払うことは禁止されていると説明する。ただし、ウォルマートで月2回ステーブルコインウォレットを使った場合の報酬など、銀行口座と機能的・経済的に類似しない複雑な取引には報酬が認められる。これはクレジットカードのポイント制度に似ている。しかし、これ以上進むとスターバックスのリワードポイントまで禁止することになりかねないとDixonは指摘する。興味深いことに、JPモルガンには大規模なブロックチェーン部門があり、トークン化された預金をチェーン上で運用している。銀行は技術の近代化の機会としてブロックチェーンに注目しており、CLARITY Actが可決されれば、これらの取り組みが本格的に展開されるだろうとDixonは予測する。

41:43開発者責任論とAIへの影響

元ホワイトハウスのサイバーセキュリティ責任者であるキャロル・ハウスは、開発者が自分たちが書いたソフトウェアに対してより大きな責任を負うべきだと主張している。これに対しAndreessenは「これは業界への殺し文句だ」と断じる。ソフトウェア開発者が将来のソフトウェアの使用法を予測することは不可能であり、ホテルに犯罪者が泊まったからといってホテル経営者が共謀者になるわけがない。車が銀行強盗に使われたからといって、エンジニアが強盗の共犯者になるわけがない。多くの人々に様々な理由で使われる製品を作る人々に、下流の責任を負わせることは、業界を殺すことだと主張する。そして、これが明確に目的であると述べる。

Dixonは、故意に犯罪を支援する場合と、汎用的なソフトウェアを作る場合を区別する必要があると補足する。犯罪者に「どうやって犯罪を犯すか」とメールで尋ねられて教えるようなケースは犯罪であり、誰もこれを擁護しない。問題は、オープンソースソフトウェアやAIモデル、ブロックチェーンを建設的な目的で作る場合だ。無制限の下流責任を課せば、オープンソース開発者はそのリスクを負うことができず、開発を断念するだろう。カリフォルニア州で可決されかけたAI法案も同様の無制限責任を課そうとしており、これはオープンソースを殺すものだとDixonは警告する。

Andreessenは、このような責任論が実現した場合の連鎖的な影響を詳細に説明する。まずオープンソースが死ぬ。オープンソース開発者はそもそも報酬を得ていないため、巨額の負債を負うことはできない。次に、オープンソースなしではコンピュータサイエンスの研究は成り立たないため、学術研究が死ぬ。そして、ベンチャー投資が死ぬ。投資家は、知らないうちに誰かが起こした行為に対して無限の責任を負う可能性のある企業には投資できない。最終的には、すべてのスタートアップと大企業が死ぬ。これは、ビジネスを運営することの本質を完全に理解していないか、意図的に業界を殺そうとしているかのどちらかだとAndreessenは結論づける。

45:40証券法との関係と法案不成立の場合の帰結

CLARITY Actが証券法に穴を開けるという批判について、Andreessenは明確に否定する。株式をトークン化した場合、それは証券であり、SECの規制下にある。これは法案に明確に規定されている。ブロックチェーン規制に関して異なるのは、ビットコインやイーサリアムのようなトークンが、状況に応じてSECまたはCFTCのいずれかの規制下に入ることを明確にしている点だ。新しいブロックチェーンが作成された時点では、作成者が支配力と内部情報を持っているため、そのトークンはSECの規制下にある。しかし、時間の経過とともに分散化が進み、中央の支配者がいなくなり、今日のビットコインやイーサリアムのようになると、CFTCが監督し、商品として規制される。これは金や他の商品と同じ扱いだ。この枠組みは、暗号資産に反対だった前政権も暗黙のうちに同意していたものであり、裁判所や機関の決定にも10年間反映されてきた。CLARITY Actはこれを法律として明確に定めるものだ。

Dixonは、法案が可決されれば、ベンチャーキャピタリストや創業者に対するロックアップ期間が大幅に延長されると指摘する。これは投資家と創業者が長期的な製品を構築し、市場の信頼を築くための賢明なリスクベースの規制枠組みだ。法案が不成立の場合、Andreessenは「引き続き取り組み、いつか必ず可決される」と楽観的な見方を示す。しかし、立法は事実上恒久的であるのに対し、機関の規則制定は変更される可能性がある。企業が長期的な投資を行うためには、安定した法的基盤が必要であり、規制の迷路が変化し続ける環境では、起業家は投資を躊躇するだろう。

Andreessenは、規制とイノベーションは対立するものではなく、適切な規制はイノベーションを強化すると主張する。彼は政治学の概念である「アナーコ・タイラニー(無政府暴政)」を引用する。これは、法律を守る人々を過度に規制して苦しめる一方で、法律を破る人々を野放しにするという悪しき統治形態だ。前政権はまさにこの状態であり、米国以外のスタートアップは好き放題に活動し、米国内のスタートアップは残酷に罰せられた。理想はその中間、つまり適切なレベルの規制がある状態だ。消費者保護、投資家保護、イノベーションの自由、高品質な製品の提供、そして1年後に事業を継続できるという確実性。これらをバランスよく実現するのがCLARITY ActだとAndreessenは語る。

結びに

このエピソードの核心は、暗号資産規制が単なる技術政策ではなく、米国の技術的覇権と国家安全保障に直結する問題であるという認識だ。AndreessenとDixonは、規制の明確化がイノベーションを阻害するのではなく、むしろ促進するという信念を、過去のインターネット暗号化規制の事例や、FTXのような災害の教訓を通じて説得力を持って語る。特に印象的なのは、国家安全保障の専門家たちが犯罪者に暗号資産を使ってほしいと願っているという逆説的な事実だ。ブロックチェーンは透明性が高く、取引の痕跡が残るため、法執行にとってはむしろ有利なのだ。また、銀行ロビーがステーブルコインの利息支払いに反対しながらも、自社ではブロックチェーン技術を積極的に活用しているという矛盾も、この業界の複雑さを象徴している。

この対談が重要なのは、暗号資産が投機の対象から、実際の金融インフラへと変貌しつつある現在の転換点を捉えているからだ。ステーブルコインの取引量がVisaネットワークに匹敵し、ブラックロックやJPモルガンといった巨大金融機関が参入している現実は、もはや無視できない規模だ。そして、規制の不確実性が「底辺への競争」を生み、悪質な行為者を利するという指摘は、規制の必要性を最も明確に示している。CLARITY Actの可決は、米国がこの成長産業を自国内に留め、世界の金融システムの近代化を主導するための最後のチャンスかもしれない。法案の行方は、今後の米国の技術政策と金融の未来を左右する重要な分岐点となるだろう。

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