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The a16z Show · 2026年6月17日

ジャック・アルトマンが語るプロダクト・マーケット・フィット

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • Jack Altman(ジャック・アルトマン)は、Latticeを共同創業し、従業員管理プラットフォームとして評価額30億ドル(約4,500億円)のユニコーン企業に成...
  • Altmanのキャリアは、投資銀行からスタートアップTeespringの初期社員、そしてLatticeの創業者へと移り変わる。彼はLatticeを立ち上げる前、3度の...
  • [0:00] プロダクト・マーケット・フィットの本質とピボットの判断基準 Altmanは、PMFに関して「うまくいくものは、ほとんどの場合、すぐにうまくいく」という強...
こんな人向け

自分では見つけにくい海外Podcastの話題に、日本語で気軽に触れたい人。

出典Podcast

The a16z Show / Andreessen Horowitz

要点
  1. Jack Altmanは、Latticeを3度のピボットを経てPMFに到達させた経験から、「うまくいくものはほとんどの場合すぐにうまくいく」という信念を持ち、機能追加を続けるアプローチの危険性を警告する。
  2. 顧客フィードバックの取捨選択には単純な公式は存在せず、創業者は「North Star」となるプロダクトビジョンを持ちながら、大口顧客の要求が他の顧客にも役立つかどうかを熟考する必要がある。
  3. 初期採用においては、「ダイヤモンド・イン・ザ・ラフ」、すなわち世間的にはまだ評価されていないが実際には優れた人材を見つけることが成功の鍵であり、明らかに優秀な人材はスタートアップの初期社員にはならないというパラドックスを認識すべきである。
  4. 共同創業者関係では、高いプロフェッショナルな信頼に基づく領域の明確な分割と、個人攻撃に陥らない健全な対立(アイデアに関する議論)が、困難な時期を乗り越える原動力となる。
  5. CEOの役割は、従業員数約20人を境に「製品を作り顧客にサービスを提供すること」から「その仕組みを作ること」へと移行し、その後もCEOは「氷床コアの採取」のように組織のミクロな状態を自らサンプリングし続けるべきである。
  6. ファンドレイジングにおいては、アクセラレーターのアドバイス(広いファネル、期間圧縮、練習、フォローアップ)に忠実に従うべきであり、「プレエンプティブ」の申し出はタームシートがなければ投資の約束ではないと認識すべきである。
  7. 現在のAIブームにより、テクノロジーの源泉がフロンティアラボに移ったことで、創業者の役割は「新しい超能力を独自の方法でチャネリングすること」へと変化しており、従来のクラウドソフトウェア時代とは異なる思考が求められる。
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他のエピソード

Jack Altman(ジャック・アルトマン)は、Latticeを共同創業し、従業員管理プラットフォームとして評価額30億ドル(約4,500億円)のユニコーン企業に成長させた起業家である。現在は自身のファンドAlt Capitalで投資家として活動する彼が、a16zのポッドキャスト「Speedrun」に登場し、プロダクト・マーケット・フィット(PMF)の本質、顧客フィードバックとの向き合い方、ピボットの判断基準、初期採用、共同創業者関係、そしてセールスとプロダクト開発の緊張関係について、実体験に基づく具体的な知見を語った。本エピソードの核心は、「顧客の声を聞け」という定型的なアドバイスが、実際には創業者に極めて難しい判断を強いるという現実にある。Altmanは、すべての顧客要求に飛びつくことの危険性と、顧客を完全に無視することの愚かさの間で、創業者がどのようにバランスを取るべきかを、自身の失敗と成功の両方から描き出した。

Altmanのキャリアは、投資銀行からスタートアップTeespringの初期社員、そしてLatticeの創業者へと移り変わる。彼はLatticeを立ち上げる前、3度のピボットを経験しており、正しい問題設定(スタートアップにおける人事管理の課題)を持ちながらも、最初のソリューションは間違っていたと振り返る。このエピソードでは、PMFを見極めるための「速さ」の指標、セールスをCEO自らが行うことの価値、そしてスケールに伴うCEOの役割の変化について、実践的なフレームワークが提供されている。また、現在のAIブームがスタートアップエコシステムに与える影響についても、投資家としての視点から考察が加えられた。

0:00プロダクト・マーケット・フィットの本質とピボットの判断基準

Altmanは、PMFに関して「うまくいくものは、ほとんどの場合、すぐにうまくいく」という強い信念を持っている。これは絶対的なルールではないが、方向性として、顧客が製品を欲しがっているかどうかは比較的早く分かると彼は主張する。Latticeの初期、彼らは目標管理(OKR)ツールを最初の製品として開発したが、どれだけ機能を追加しても顧客からの「プル(引き合い)」が発生しなかった。この経験から、彼は「あと一つの機能」を追加し続けるアプローチが誤りであることを学んだ。3度目の挑戦でようやく、パフォーマンスレビュー機能という正しいソリューションにたどり着いたが、その時点でも製品は不完全だった。彼らは「まだ完成していないクローズ機能」を抱えたまま、最初の年間契約顧客に製品を販売した。共同創業者のEric Koslowが、最初のパフォーマンスレビューサイクルが始まったその瞬間に、フィードバックを共有してサイクルを終了する機能をプログラミングしていたという逸話は、スタートアップの「不完全さを受け入れるエネルギー」の重要性を象徴している。

PMFの判断において、Altmanは「顧客が製品を手に入れたら、それを維持したいと思うか、さらに買い足したいと思うか」という純粋な指標を重視する。シード期の創業者にとって、PMFへの執着こそがすべてであり、それ以外のことは二次的な問題だと彼は言う。しかし、PMFは一度達成すれば終わりではない。それを「深掘り」し続ける必要がある。会社が成長するにつれて、CEOの仕事は「製品を構築し顧客にサービスを提供すること」から、「製品を構築し顧客にサービスを提供する機械を構築すること」へと移行する。この転換点は、従業員数が約20人に達したあたりで訪れるとAltmanは指摘する。それ以降、CEOが自然にPMFに集中し続けることは難しくなり、意図的な努力が必要になる。

5:26顧客フィードバックの取捨選択と「North Star」の重要性

「顧客の声を聞け」というアドバイスは最も一般的なスタートアップの教訓の一つだが、Altmanはこれが単純ではないと強調する。すべての顧客要求に飛びつくことは明らかに間違っているが、すべてを無視して「自分が正しい」と主張することもまた誤りだ。彼は、創業者は「North Star(北極星)」となるプロダクトビジョンを持ちながら、その枠組みの中で顧客が「空白を埋める」のを助けてくれると考えるべきだと述べる。顧客はプロダクトのアウトラインを描くのは得意ではないが、その中の細部を埋めることには貢献できるというのが彼の見解だ。

特に難しい判断を迫られるのは、大口のエンタープライズ顧客が現れた時である。例えば、現在のARR(年間経常収益)が22万ドルしかないスタートアップに対して、40万ドルの契約を提示する代わりに、これまで誰も要求したことのない特定の機能開発を求められるケースだ。これは売上を一気に3倍にできる魅力的なオファーだが、Altmanは「それは決して1ヶ月で終わる仕事ではなく、彼らの最後の要求でもない」と警告する。彼はStripeの事例を引き合いに出し、ShopifyやLyftといった初期の大口顧客がプロダクトロードマップを押し進めた結果、それが他の多くの顧客にとっても有益な方向に働いたケースもあると認める。つまり、この判断には単純な公式は存在せず、創業者は「この要求に応えることで、他の多くの顧客にも役立つ機能が生まれるか」という視点で熟考する必要がある。

Altman自身は、CEOとしてセールスを自ら行うことの価値を強く信じている。彼はLatticeのARRが1億ドルに達した後も、定期的に顧客とのセールス対話に参加していた。その理由は、セールスこそがPMFを見つける最良の方法だからだ。顧客が何に反応し、何に興奮するのかを直接知ることができる。また、彼は意図的に「6ヶ月先」の機能を売り込むこともあった。これは共同創業者を怒らせる行為だったが、顧客の反応を探るための有用な手段だったと振り返る。ただし、セールスチームに対しては「まだ存在しないものを売るな」と指導していたという。ブランドと評判を損なうリスクを考慮した結果である。

10:08初期採用:ダイヤモンド・イン・ザ・ラフを見つける

初期の従業員採用について、Altmanは「偉大な企業になるためには、最初の10人の従業員の高い割合が真に優れた人材でなければならない」と断言する。しかし、ここには根本的なパラドックスが存在する。明らかに優秀な人材は、フロンティアラボやSpaceX、あるいは超ホットなシリーズD企業で巨額の報酬を得るか、自ら創業者になる道を選ぶ。そのため、スタートアップが採用できるのは「世間的にはまだ評価されていないが、実際には優れた人材」、すなわち「ダイヤモンド・イン・ザ・ラフ」だけだと彼は言う。これは80%の確信度でのアドバイスであり、3社連続でユニコーンを創業したような経験者がいる場合には当てはまらないが、一般的な創業者にとっては正しい指針だと主張する。

Latticeの初期、彼らは大企業出身のセールス経験者を試したが、うまくいかなかった。彼らは「プレイブック」を求め、まだ確立されていないセールスプロセスをただこなそうとしたからだ。初期に必要なのは、創造的で起業家精神にあふれたセールス担当者であり、プロセスをゼロから作り上げる能力を持つ人材だった。Altmanは、初期のセールスは「製品を売ること」と同時に「セールスプロセスそのものを発明すること」だと説明する。

チームビルディングにおいて、彼は「プロアクティブな仕事」と「リアクティブな仕事」の比率を意識することの重要性を強調する。多くの創業者は時間の90%を受信トレイからのリアクティブな仕事に費やしているが、理想はそれを9%に抑えることだ。また、会社の規模が大きくなった後も、CEOは「氷床コアを採取する」ように、会社のあらゆる部分を定期的にサンプリングし、ミクロなレベルで組織が正しく機能しているかを確認し続けるべきだと述べた。

14:14共同創業者関係:信頼、領域の明確化、そして健全な対立

Altmanと共同創業者のEric Koslowの関係は、Latticeの成功の重要な基盤だった。彼らはTeespring時代からの同僚であり友人だったため、すでに高い信頼関係が存在していた。Altmanは、もし異なる共同創業者と組んでいたら、PMFを見つける前に二人とも辞めていたかもしれないと率直に認める。「この人をこの冒険に誘った以上、簡単に諦められない」という相互責任感が、困難な時期を乗り越える原動力になった。

彼らの関係を特徴づけたのは、高い「プロフェッショナルな信頼」だった。AltmanはKoslowの能力を信頼し、KoslowもAltmanの能力を信頼していた。その結果、担当領域が明確に分かれており、互いの仕事に干渉したり、同じ問題を二人で同時に解決しようとしたりすることがなかった。「分割して統治する」アプローチが機能していたのである。また、彼らは仕事以外でも多くの時間を共に過ごし、それが仕事上の「ショートハンド(暗黙の了解)」を生み出した。

特筆すべきは、彼らの対立のスタイルである。Altmanは「小さなことは見逃す」ことと「本音を言うことをためらわない」ことの両立が重要だったと語る。彼らはチームの前で大声で議論することもあったが、それは常に「アイデア」に関するものであり、決して個人攻撃にはならなかった。彼はこれを「兄弟げんかのようなもの」と表現し、意見が20度違う程度であれば「まあいいか」と流す関係ではなく、積極的に食い下がる関係こそが重要だったと振り返る。創造的な仕事には摩擦がつきものであり、それを健全に処理できる関係性が、スタートアップの生存確率を高めるというのが彼の見解である。

17:01アクセラレーターの価値とファンドレイジングの実践

Y Combinator(YC)のようなアクセラレータープログラムについて、Altmanは二つの大きな価値を挙げる。第一に、「本当に重要なこと」の明確化である。PMFの獲得と優れたチームの構築だけが重要であり、それ以外のことは基本的にノイズであるという認識を、繰り返しのインプットを通じて創業者に内面化させる効果がある。第二に、ファンドレイジングに関するアドバイスの質の高さである。彼は「アクセラレーターのファンドレイジングアドバイスは極めて正確なので、それに従うべきだ」と断言する。具体的には、広いファネルと話すこと、期間を圧縮すること、話す練習をすること、フォローアップを徹底すること、全体を短く保つこと、といった原則が正しいと述べる。

Altmanは現在のファンドレイジング環境を「想像できる限り最高の市場」と評価する。AI企業が驚異的な成長率を記録しているため、市場全体がその方向に大きくシフトしており、投資家は「このスタートアップがどのように急成長するか」というストーリーを強く求めている。しかし、彼は「プレエンプティブ(先制)ラウンド」の幻想に注意を促す。投資家が「君の会社に興奮している。会って話そう」と言ってきても、それはタームシート(条件書)を提示されたわけではない。タームシートがなければ、それは投資の約束ではない。彼は「もし素晴らしい投資家がXの評価額でYの金額を提供すると言ってきて、それが気に入れば、それは一つの選択肢だ。しかし、単にプロセスに引きずり込もうとしているだけなら、それは自分のタイムラインで進めるべきだ」と助言する。

また、Altmanは投資家選びについて、創業者によって意見が分かれることを認めつつ、自身は「投資家を好きでいること」を重視したと語る。リファレンスチェック(参考意見の確認)を徹底し、単なる資金提供者ではなく、関係を構築できるパートナーを選んだ。彼は、投資家の有用性は「ゼロから中程度」の範囲に収まることが多いとしながらも、自分にとってはその関係性が重要だったと振り返る。

23:52CEOの役割の進化と「Maslowの階層」

Altmanは、CEOの役割を「Maslowの欲求階層説」に例えて説明する。最優先事項は「資金が尽きないこと」であり、その次に「PMFを持っているかどうか」、さらにその次に「優れたチームを持っているかどうか」というように、階層を上がっていく。シード期においては、資金が尽きないことを除けば、PMFへの純粋な執着がすべてだと彼は言う。

しかし、会社が成長するにつれて、CEOの仕事は「製品を作り、顧客にサービスを提供すること」から、「製品を作り、顧客にサービスを提供する『仕組み』を作ること」へと変化する。この転換点は、従業員数が20人を超えたあたりで訪れる。それ以降、CEOは自然に顧客や製品と接する機会が減り、チームからの報告に依存するようになる。Altmanは、この段階でCEOが「氷床コアを採取する」ように、組織のあらゆる部分を自らサンプリングし続けることの重要性を強調する。顧客との直接対話、製品のデモ、サポートチケットの内容など、生の情報に定期的に触れる習慣が、CEOの判断力を維持する。

彼が最も重要だと考える習慣は、「プロアクティブな仕事」と「リアクティブな仕事」の比率を逆転させることだ。多くの創業者は、他人からの依頼で会議を入れられ、受信トレイを処理するだけで一日が終わる。Altmanは、このリアクティブな仕事の割合を90%から9%に減らすべきだと主張する。自分自身の「To Doリスト」に基づいて行動し、自分が主導権を握る時間を確保することが、長期的な成果を生むと彼は結論づける。

結びに

本エピソードが特に印象的だったのは、Altmanが「顧客の声を聞け」という一見単純なアドバイスに潜む複雑さと、創業者に求められる判断力の本質を、自身の失敗と成功の両方から描き出した点である。彼は、PMFの追求、顧客要求の取捨選択、共同創業者との関係構築、そしてCEOとしての役割の進化について、抽象論ではなく、具体的な数字(ARR22万ドル、従業員20人、6ヶ月先のセールスなど)と生々しいエピソード(不完全な製品の出荷、共同創業者との兄弟げんか)を通じて語った。特に、Latticeが最初のパフォーマンスレビュー機能を、クローズ機能が未完成のまま顧客に販売した逸話は、スタートアップにおける「不完全さを受け入れる勇気」と「実行のスピード」の重要性を象徴している。また、現在のAIブームがスタートアップエコシステムに与える影響について、Altmanが「テクノロジーの源泉がフロンティアラボに移ったことで、創業者の役割自体が変化している」と指摘した点は、今後の起業の在り方を考える上で示唆に富む。このエピソードは、スタートアップのリアルな困難と、それを乗り越えるための実践的な思考法を凝縮した、貴重な教材である。

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