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Cloudbase Mayhem Podcast · 2026年5月11日

#271 Why the Sports Racing Class (SRS) is taking the Paragliding world by storm with Brett Janaway

AI generated article / ja / deep
この記事でわかること
  • パラグライダー競技界に旋風を巻き起こす「SRS」——その成功の秘密と、スポーツの未来 パラグライダー競技の世界に、新しいムーブメントが生まれている。その名は「SRS(Sp...
  • [3:44] 「SRS」はなぜ生まれたのか——13年の構想と、ある「恐怖」がきっかけだった Brett Janawayは、パラグライダー競技の運営に24年以上携わってきた...
  • しかし、SRSの構想そのものは実に13年前に遡る。当時、世界ランキング1位だったスロベニアのパイロット、Aljoša (Aljoša) と、女子世界チャンピオンのNico...
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出典Podcast

Cloudbase Mayhem Podcast / Gavin McClurg

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パラグライダー競技界に旋風を巻き起こす「SRS」——その成功の秘密と、スポーツの未来

パラグライダー競技の世界に、新しいムーブメントが生まれている。その名は「SRS(Sports Racing Series)」。わずか4シーズンで登録者450人を超え、参加枠を巡ってワイルドカード申請が殺到するほどの人気を博している。ホストのGavin McClurgと、SRSの創設者であり長年コンペ運営に携わってきたBrett Janawayの対話は、このシリーズがなぜこれほどまでに急速に成長したのか、その背景にある哲学と緻密な設計、そしてパラグライダー競技全体が直面する安全性と競技性のジレンマにまで及ぶ。終始リラックスした雰囲気の中にも、競技運営のプロフェッショナルならではの熱意と、スポーツへの深い愛情がにじみ出る会話だ。

3:44「SRS」はなぜ生まれたのか——13年の構想と、ある「恐怖」がきっかけだった

Brett Janawayは、パラグライダー競技の運営に24年以上携わってきたベテランだ。彼が運営する「Air Tribune」は、多くのコンペで使われる登録・結果管理プラットフォームとして知られている。そんな彼がSRSを立ち上げた背景には、1990年代後半の英国でのローカルコンペでの経験がある。当時、彼の師匠が主催していた冬のコンペは「とにかく楽しいこと」が第一で、100人ものパイロットが集まり、最後には全員に賞品が行き渡る——そんな雰囲気だったという。「競争の要素はほんの少しあって、勝ちたい人もいる。でも最終的には100の賞品がテーブルに並び、全員が何かをもらえる。勝者が一番いいものを選び、最後の人が残りを受け取る。それで十分なんです」とBrettは振り返る。

しかし、SRSの構想そのものは実に13年前に遡る。当時、世界ランキング1位だったスロベニアのパイロット、Aljoša (Aljoša) と、女子世界チャンピオンのNicole Fedeleが、それぞれ別々にBrettに「コンペを連携させてシリーズ化できないか」と持ちかけた。しかし、彼らは踏み切れなかった。その理由は、パラグライダー競技の歴史が教えた「ある恐怖」にあった。

「ちょうどオープンクラスの翼が禁止され、CCC(Competition Class)が台頭してきた時期でした」とBrettは説明する。EN-Cクラスは、もともと「クロスカントリーを楽しむためのレジャー用ハイエンド翼」として設計された。ところが、競技シーンがそれを採用せざるを得なくなると、メーカーは性能を追求し始め、クラスそのものを破壊してしまった。同じ轍を、スポーツクラス(EN-C)で繰り返したくなかったのだ。

転機は4年前、2ライナー(2本の主吊り線を持つ)のEN-C翼が登場したことだった。この設計は、折りたたみラインの構造上、自然な性能の上限が生まれる。つまり、メーカーが際限なく性能を追求するのを防ぐ「自然の障壁」ができたのだ。「これでスポーツクラスが守られる」と確信したBrettは、ついにSRSのローンチに踏み切った。

8:04複雑で巧妙なスコアリングシステム——「65%ルール」が生む戦略性

SRSの最大の特徴のひとつが、そのスコアリングシステムにある。通常のコンペは単独開催がほとんどだが、SRSは年間5戦をリンクさせ、シーズンチャンピオンを決める。しかし、すべての大会に参加しなければならないわけではない。

ここで使われるのが「FTV(Fault Tolerance Value)」という仕組みだ。通常のコンペでは、最も悪かった1タスクをドロップ(無効化)するために使われるが、SRSではこれを拡大適用する。年間5戦で約25の有効タスクが得られると想定し、その65%——つまり10タスクだけを各パイロットのシーズン成績として採用する。2大会に参加して天候に恵まれれば10タスクを得られる計算で、残りの大会に行かなくてもFTVが「不参加」のスコアを自動的に除去してくれる。

「だから、2大会だけ出てチャンピオンになることも可能なんです」とBrettは言う。実際、世界ランキング10位前後のDylan Mansleyは2大会だけ出場してシーズン2位に入った。もちろん、5大会すべてに出れば、悪いタスクをより多く切り捨てられるというアドバンテージはある。この設計により、パイロットは自分のスケジュールや予算に合わせて戦略的にシーズンを戦えるのだ。

さらに、WPRS(World Pilot Ranking System)ポイントも付与される。SRS初期は30〜40ポイント程度だったが、今では次のイベントで77ポイントが見込めるという。「これはほとんどの国内大会よりずっと高い数字です。優秀なパイロットが集まり、彼らのランキングが上がることで、さらにシステム全体が底上げされる——好循環が生まれています」とBrettは語る。

12:01なぜパイロットはSRSに熱狂するのか——「リラックスした真剣さ」という魔法

SRSの人気の秘密はどこにあるのか。Brett自身も「特別な公式があるわけではない」と謙遜するが、彼の長年の経験がにじみ出る。最大の要因は「雰囲気」だと彼は言う。

「ナショナルコンペはいつもすごくシリアスです。PWC(Paragliding World Cup)レベルになると、かけるものが大きすぎて、集中して飛ばなければならない、ホットな翼に乗らなければならない、というプレッシャーがある。でもSRSはもっとリラックスしているんです」

ただし、これは「真剣じゃない」という意味ではない。メーカーが関わる資金やポイント争いは極めて真剣だ。しかし、パイロットの視点では「熱くなりすぎない」雰囲気が保たれている。翼の性能差がCCCクラスほど極端ではないため、空中でのリラックスが地上での良い雰囲気につながるという好循環がある。

もうひとつの魅力は、「ヒーローたちと同じ空を飛べること」だ。Pal TakátsやDylan Mansleyといったトップパイロットが、あえてスポーツクラスの翼でSRSに参戦している。彼らにとっては「ステップダウン」だが、他の参加者にとっては憧れの選手と同じフィールドで競える貴重な機会だ。同時に、SRSで育った若手が将来PWCにステップアップするルートもできつつある。

ただし、Brettは「SRSを初めてのコンペにすべきではない」と警告する。「まずは地元のコンペやトレーニングイベントで、インストゥルメントの使い方やレース・トゥ・ゴールの基本を学んでください。WPRSポイントで20点程度を獲得できるレベルになってから、SRSに挑戦するのが理想的です」とアドバイスする。

24:41成功がもたらした「予想外の問題」——スポーツクラスを守るための規制

SRSの成功は、Brett自身の予想を超えるものだった。「成功しすぎて、今度はスポーツそのものを変え始めている」と彼は率直に認める。懸念されたのは、かつてEN-Cクラスがそうだったように、メーカーが競技用に特化した高性能翼を開発し、レジャー用翼としての性質を損なうことだ。

この問題に対処するため、Brettは主要メーカー(Ozone、Skywalk、BGD)と即座にWhatsAppグループを立ち上げ、対策を協議した。まず導入されたのが「スピードリミッター(AとBのライザーをテープで固定する方式)」の義務化。これはCCC翼を製造していないメーカーには馴染みが薄いが、競技での安全性に不可欠だ。

さらに、アスペクト比(翼の縦横比)の制限も検討された。現在のスポーツクラス翼の最高アスペクト比は6.9。そこでSRSは6.8に設定し、セル数も最大67に制限する。これらのルールは、CIVL(FAIのハンググライダー・パラグライダー委員会)が新たに制定した「CSCクラス」の基準とも連動している。「メーカーの設計の自由を奪うのではなく、今のスポーツクラスの性質をそのまま保存するためのルールです」とBrettは強調する。

28:13安全性か、競技性か——バラスト制限と「ヌードル」論争の深層

会話は、パラグライダー競技界全体を揺るがす大きな議論に及ぶ。発端は、ブラジルで開催された世界選手権での事故だ。これを機に、CIVLのプレナリー(総会)では過去最多の議案が審議された。

最大の変更点は、バラスト(加重)の制限だ。Brettの妻Magdalenaは、CCC翼で競技するために22リットルもの鉛と水を搭載していたが、その負担に耐えかねて世界選手権を途中棄権した。「小さな体格のパイロットが大量のバラストを積むのは明らかに安全上の問題です」とBrettは言う。新しいルールでは、パイロットの体重に応じて搭載可能なバラスト量が制限される。

しかし、ホストのGavinはこの決定に異議を唱える。「バラスト制限だけを導入しても、小柄なパイロットは競争力を失うだけです」と彼は指摘する。現在のコンペ用翼は、ハーネスや予備パラシュートを含めるとすでに約25kgの基本重量がある。新ルールではわずか8kgの余裕しかなく、小柄なパイロットはXSかSサイズの翼を選ばざるを得ないが、これらの翼は競技用としては性能が不十分だ。

この問題の解決策として期待されているのが「ヌードル(Equalizer)」だ。これはプール用のヌードルを細くしたような形状で、Bラインに取り付けることで抗力を増加させる。大きな翼を飛ばす重いパイロットほど多くの抗力を発生させるため、理論上は体格による有利不利を相殺できる。しかし、この「ヌードル」はまだテスト段階で、今年のプレナリーでは承認が見送られた。「テストイベントが来月に控えているので、来年には導入されるでしょう」とBrettは見通しを語る。

Gavinは「バラスト制限とヌードルはセットで導入すべきだった」と主張するが、Brettは「安全性を優先する必要があった」と反論する。「確かに、小柄なパイロットにとっては厳しい決定です。しかし、バラスト関連の重大事故が複数発生している以上、まずは安全を取らざるを得ませんでした」

36:13知られざる「軽量級世界チャンピオン」の創設——新ルールがもたらす可能性

バラスト制限の議論で見落とされがちなのが、同時に創設された「軽量級世界チャンピオン(95kg以下)」のタイトルだとBrettは指摘する。「95kgのパイロットも世界チャンピオンになれる。これは単なるおまけではありません」

これまで、メーカーは軽量級の翼の開発に積極的ではなかった。小さな翼は操縦が難しく、市場も小さいからだ。しかし、世界タイトルがかかるとなれば話は別だ。「メーカーが軽量級の翼を真剣に開発するインセンティブが生まれます。そうなれば、小柄なパイロットが使う翼の性能も向上するでしょう」

もうひとつの大きな変更は、世界選手権への出場枠の見直しだ。従来は「3人+1人の女性」という枠組みで、強豪国はさらに多くの出場枠を得ていた。新ルールでは「男性3人+女性1人」に統一され、各国の出場枠は最大4人に制限される。女性選手の出場機会は変わらないが、チームスコアに女性の結果が自動的に加算される仕組みは廃止された。「大多数の国にとっては良い変更です。イギリスはフランスと対等になり、小国との差も縮まりました」とBrettは評価する。

44:49まとめ——SRSが示した「持続可能な競技」の可能性

このエピソードが聴き手に残すものは、単なる新しい競技シリーズの紹介ではない。それは、パラグライダーというスポーツが「楽しさ」と「競技性」を両立させるための、ひとつのモデルケースだ。Brett Janawayは、13年の構想期間を経て、過去の失敗から学び、メーカーと協力しながら、レジャー用翼としてのEN-Cクラスを守るためのルールを先取りして作った。SRSは非営利組織として運営され、チームメンバーは情熱で動いている。その成功は「儲かるから」ではなく、「参加者が本当に楽しめるから」生まれている。

同時に、この会話はパラグライダー競技が直面する根本的なジレンマ——安全性、公平性、競技性のバランス——を浮き彫りにした。バラスト制限とヌードルをめぐる議論は、データ不足の中で決断を迫られるスポーツ運営の難しさを象徴している。しかし、Brettの「まずは安全を取る」という姿勢と、Gavinの「小柄なパイロットの競争機会を守るべきだ」という主張は、どちらもスポーツを愛するがゆえの立場だ。

「SRSはパイロットの成長を加速させる」とBrettは言う。教えるのではなく、強い競争環境に身を置くことで、自然と上達する。トップパイロットも、アマチュアも、同じ翼で、同じ空を飛ぶ。そのシンプルな魅力こそが、SRSを「パラグライダー界を席巻する現象」にしたのだろう。そして、このムーブメントはまだ始まったばかりだ。