
ザックのAIマニフェストはデータセンターPRの教科書 | E2323
- 概要 今週のエピソードは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)が発表した6,500語に及ぶAIマニフェストを中心に展開された。Jason Cala...
- 番組後半では、Xの収益分配プログラム終了と新たな「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」の導入、暗号資産規制法案CLARITY Actの上院での停滞、AIエージェントに...
- [0:00] ザッカーバーグのAIマニフェスト:データセンターPRの傑作 ザッカーバーグが発表したエッセイ「The Future is for Everyone: T...
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This Week in Startups / Jason Calacanis
- ザッカーバーグの6,500語のAIマニフェストは、データセンター建設への理解を得るための戦略的PRであり、「豊かさ」の物語で世論を好転させようとする試み。Jasonは「彼のキャリア全体で最高のザッカーバーグ」と評価した。
- 「遅れているときはオープンに、先行しているときはクローズドに」という原則。MetaはAI競争で遅れを取っているため、オープンウェイトモデル(Muse Glimmer、Muse Spark 1.2)をリリースする戦略。
- ザッカーバーグの生物・化学兵器リスクへの提案は革新的。モデル規制より化学物質の前駆体へのアクセス制限が効果的という主張は、オクラホマシティ爆破事件後の肥料規制の前例に基づく。
- Xの新「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」は、他人のコンテンツを盗む組織的クリッパーを排除し、オリジナルコンテンツ制作者に報酬を集中させる。500万から50万インプレッションへ要件を引き下げたが、Jasonは新プログラムの対象外になる可能性。
- CLARITY Actは上院共和党が8月休会前に審議せず、成立は9月以降に先送り。民主党の倫理条項追加要求が争点で、トランプ大統領と暗号資産プロジェクトの関係が選挙前に問題化することを共和党は懸念。
- Brown大学の教授が公開した成績分布は、AIを使った中間試験(自宅受験)と対面の期末試験のスコア乖離を明確に示した。Jasonは「非同期型クラスの廃止」が唯一の解決策だと主張。
- Spotifyの広告スキップ機能テストは、自社販売広告はスキップ不可だが出版社販売広告はスキップ可能という不公平な仕様。Jasonは「Podcasting 2.0の標準規格(ドネートボタン、ライブ配信通知)をサポートすべき」と訴えた。
概要
今週のエピソードは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)が発表した6,500語に及ぶAIマニフェストを中心に展開された。Jason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)はこのエッセイを「彼のキャリア全体を通じて見た中で最高のザッカーバーグ」と評し、データセンター建設をめぐる世論を好転させるための「PRのマスターピース」だと分析する。ザッカーバーグは「豊かさ(abundance)」の物語を掲げ、AIがもたらす恩恵——すべての学生にPhDレベルのチューターを、すべての人にパーソナルエージェントを、無料のデザインツールを——を約束する一方で、その代償としてデータセンター建設への理解を求めている。Jasonはこれを「あなたの人生はAIでより良くなる。私はあなたの味方だ。私たちがデータセンターを建てることを許してほしいだけだ」と要約した。
番組後半では、Xの収益分配プログラム終了と新たな「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」の導入、暗号資産規制法案CLARITY Actの上院での停滞、AIエージェントによる大学生のカンニング蔓延問題、Spotifyの広告スキップ機能テストなど、複数のニュースを取り上げた。JasonとAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)はそれぞれの話題について、投資家視点と実務者視点から意見を交わし、しばしば鋭い対立を見せた。
ザッカーバーグのAIマニフェスト:データセンターPRの傑作
ザッカーバーグが発表したエッセイ「The Future is for Everyone: The Path to a Positive AI Future」は、単なる技術ビジョンではなく、データセンター建設をめぐる世論を好転させるための戦略的メッセージだとJasonは分析する。エッセイの核となる主張は「超知能の最大のリスクは集中化であって、技術そのものではない」というもので、個人のエンパワーメント、AIの主目的は自動化ではなく発明であること、情報アクセスと知能の活用における権力の均衡という三つの原則を掲げている。
Jasonは「遅れているときはオープンにし、先行しているときはクローズドにする」という原則を指摘する。FacebookやInstagramのネットワークはブラックボックスであり、APIも公開されていない。一方で、AIモデル競争でOpenAIやAnthropicに遅れを取っているMetaは、オープンウェイトモデルのMuse Glimmerをリリースし、Muse Spark 1.2のオープンウェイト版も計画している。これは「OpenAIのマニフェストとまったく同じ立場」だとJasonは言う。「この技術は一人の人間がコントロールするにはあまりに強力だ」という主張は、かつてOpenAIが掲げたものと identical だ。
ザッカーバーグのエッセイで最も革新的だったのは、生物・化学兵器のリスクに対する具体的な政策提案だとJasonは評価する。ザッカーバーグは「モデルを規制するよりも、危険な化学物質や前駆体へのアクセスを制限する方が効果的だ」と主張する。Jasonはこれを「初めて聞いたアイデア」と驚きを示し、肥料爆弾の例を挙げて「オープンソースモデルが爆弾の作り方を教えるのを防ぐのは難しいが、肥料の販売を規制するのは簡単だ」と補足した。オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の後、肥料にタグ付けが行われ、購入者が監視されるようになった事例を挙げ、具体的な規制の前例があることを指摘した。
サイバーセキュリティについても、ザッカーバーグは「AIがコードを検証可能なほど堅牢にすることで、システムはより安全になる」という楽観的な見方を示した。Jasonは「ザッカーバーグは問題を予測し、第一原理から解決策を考えている。これはInstagramが若い女性に身体醜形障害や摂食障害を引き起こしたときに欠けていたアプローチだ」と述べ、彼の変化を評価した。
Metaのロードマップ:パーソナルエージェントからWhatsAppビジネスまで
ザッカーバーグはエッセイの中で、Metaが構築している具体的な製品群を列挙した。第一は「すべての人のためのパーソナルAIエージェント」だ。Jasonは「FacebookはOpenAIのOperatorやAnthropicのClaude Coworkの競合製品を立ち上げるだろう」と予測し、そのエージェントがユーザーのソーシャルメディア活動を学習し、「IMAXで『オデッセイ』が上映されているのを見ましたが、チケットを探しましょうか?」といった形で能動的に提案する未来を描いた。Instagramのブックマーク機能を例に挙げ、「日本やパリに行くときにレストランやホテルをブックマークしているが、AIがそれを自動的にリスト化してくれる」と具体的なユースケースを示した。
第二の製品群は「コーディング、ビデオ、デザインツールをすべての人に」というものだ。JasonはInstagramがCapCut(キャップカット)のようなAIベースのビデオエディターを立ち上げると予測する。フィルター機能を追加したように、AIビデオ編集をプラットフォームに統合するのは自然な流れだと述べた。ただし、コーディングツールについては「世界はMetaにコーディングツールを必要としていない。CodexやClaude Cowork、Lovableがすでに存在する」と懐疑的な見方を示した。
第三は「チームや資金なしでビジネスを立ち上げる方法」だ。JasonはここでWhatsAppに注目する。欧州やアジアではWhatsAppがすべての取引の基盤になっており、ツアーガイドや運転手、ホテル、レストランとのコミュニケーションはすべてWhatsAppで行われる。Jason自身も「アメリカにいる間はWhatsAppを一度も使わなかったが、日本に着いたその日に登録した」と体験を語った。WhatsApp Businessにはすでに小規模ビジネスページや顧客サポート機能があり、そこにAIを組み込むことで「WixのようなホームページビルダーやHubSpotのようなCRMの80%版を3〜6ヶ月で構築できる」とJasonは分析する。
最後にJasonは、これらすべての製品がMetaの広告ビジネスに接続されることを指摘する。「Facebook GPT、Instagram GPT、WhatsApp GPT」のような検索機能を追加すれば、ユーザーについて10倍多く学習でき、広告ネットワークの価値は劇的に向上する。Jasonは「FacebookはPerplexityを買収するか、独自の検索エンジンを構築すべきだ。DuckDuckGoを買収してブランドファミリーに加えるのも手だ」と提案した。
データセンター論争に勝つ方法:豊かさの物語とコミュニティ買収
Jasonはザッカーバーグのマニフェストが発表された同日朝、MSNBCのMorning JoeでMetaのデータセンターに関する特集が放送されたことに注目した。ユタ州の高校にMetaが25万ドルを寄付し、水耕栽培ファームを建設したという内容で、生徒たちがレタスを栽培し、ファーマーズマーケットで販売して起業家精神を学んでいるという「心温まる」ストーリーだった。Jasonは「これは完全に仕組まれている。MetaのPRチームが『データセンターの物語をどう好転させるか』を考えた結果だ」と断じた。
JasonはMark Cuban(マーク・キューバン)の言葉を引用し、「コミュニティを買収する」戦略だと説明する。データセンターに対する批判は「水を吸い取り、電力を消費し、雇用も生まない」というものだが、このPRキャンペーンは「データセンターはコミュニティに利益をもたらす」という逆の物語を構築している。Jasonは「どのPR会社がこのキャンペーンを担当したか知らないが、1,000万ドルではなく2,000万ドル払うべきだった。それだけ効果的だ」と皮肉を込めて評価した。
Alexは「データセンターが地域に何をもたらすのか」という批判に直接応える戦略だと分析する。「これまでは『データセンターは水と電力を消費し、金持ちに利益をもたらすだけだ』という批判があった。このマニフェストは『いや、実際にはあなたの地域にこれだけの利益をもたらす』と具体的に示している」と述べた。
JasonはDario Amodei(ダリオ・アモデイ、Anthropic CEO)やSam Altman(サム・アルトマン、OpenAI CEO)の「仕事の半分がなくなる」「UBI(ベーシックインカム)が必要だ」という恐怖を煽るメッセージと対比させ、「彼らの物語は人々を怖がらせた。データセンターがハッキングや核爆弾、バイオ兵器につながるという恐怖だ。ザッカーバーグはその物語を完全に逆転させた」と評価した。
ただしJasonは、マニフェスト自体はザッカーバーグ自身が書いたものではないと推測する。「AIが書いたものではない。プロのライターが書いたものだ。しかし、アイデアは彼自身のものだと思う。彼は初めてメッセージをコントロールしようとしている」と述べた。ザッカーバーグは歴史的に「ひどいコミュニケーター」であり、「目を合わせない」「人を惹きつける話し方をしない」とJasonは指摘する。しかし今回のマニフェストは「彼のキャリア全体で最も思慮深いアプローチ」だと評価した。
Xの収益分配プログラム終了:オリジナルコンテンツへのシフト
X(旧Twitter)は9月7日をもって既存の収益分配プログラムを終了し、新たに「オリジナルコンテンツ報酬プログラム」を導入する。新しいプログラムでは、投稿、ブログ記事、動画、ライブ配信など、ユーザーが「自ら作成、執筆、撮影、デザイン、制作した」オリジナルコンテンツによって生み出された「認定インプレッション」に基づいて報酬が支払われる。対象となるには、Xのサブスクリプション加入、18歳以上、500人以上の認証済みフォロワー、過去90日間に50万回以上の認証済みホームタイムラインインプレッションが必要だ。旧プログラムの500万インプレッション要件からは大幅に引き下げられた。
Jasonはこの変更を「素晴らしい」と評価する。「MarioやKanekoaといった、他人のコンテンツを盗んでいたアカウントには以前から反対だった。彼らはオフショアから他人のコンテンツを盗み、巨額の収入を得ていた。元プロダクト責任者のNikita Bier(ニキータ・ビア)もこの問題を指摘していた」と述べた。All-InやJoe Roganのエピソードが公開されると、すぐに20個のクリップを作成して大量のインプレッションを得る「組織的なクリッパー」が横行していたが、新しいプログラムは「コメント目的のクリップは許可するが、収益化はできない」という形で、この問題を解決する。
Jasonは自身のXでの収益分配実績を公開し、「これまでに15万ドル以上を受け取ったが、変動が激しい。直近の2週間サイクルでは8,000ドル、その前は2,000ドル、その前は6ドルと5ドルだった」と明かした。新しいプログラムでは自身は対象外になる可能性があるが、「Xでお金を稼ぐためにやっているわけではない」と気にしていない様子だ。
Alexは「新しいプログラムはYouTubeのクリエイタープログラムに似ている」と指摘し、「911速報やWall Street Apesのような、毎日同じようなコンテンツを投稿するアカウントが減るだろう」と期待を示した。Jasonは「エンド・ウォークネス(wokenessに反対するコンテンツ)のような、毎日同じテーマを投稿するアカウントも対象になるだろう」と付け加えた。
さらにJasonは、Xのチップ機能を使ってサンフランシスコの犯罪を報告しているJJ Smithというアカウントに100ドルを送金したことを明かし、路上で盗品を販売する組織的なギャングの仕組みについて詳しく説明した。フェンタニル中毒者に「カミソリ、制汗剤、販売しやすい商品を持ってこい」と指示し、1〜2ドルで買い取った商品をオークランドの倉庫に集め、ロサンゼルスやサンディエゴの雑貨店に転売するという組織犯罪の実態だ。各企業が「サンフランシスコ向け」とラベルされた制汗剤がサンディエゴで見つかったことから摘発に至ったという。
CLARITY Actの停滞:暗号資産規制をめぐる政治力学
暗号資産規制法案CLARITY Act(Digital Asset Market Clarity Act)は、上院共和党が8月の休会前に審議を行わなかったため、少なくとも9月まで先送りされた。ノースカロライナ州選出の共和党上院議員Thom Tillis(トム・ティリス)は「成立の可能性は急激に低下した」と述べ、「1ヶ月休会し、戻ってきたら選挙が待っている。成立させるのは難しくなる」と語った。
この法案は暗号資産業界の大多数が支持しており、Coinbaseも当初は懐疑的だったが現在は支持に回っている。法案の内容は、分散型デジタルコミュニティはCFTC(商品先物取引委員会)が管轄し、資金調達と投資契約はSEC(証券取引委員会)が管轄するという枠組みを提供するものだ。また、ステーブルコイン残高に対する利子や報酬の提供の可否など、具体的な論点も扱う。
最大の争点は、民主党が「暗号資産業界と関係のある政府高官」に関する倫理条項を追加しようとしていることだ。Jasonは「民主党はトランプ大統領と彼の暗号資産プロジェクトとの関係を選挙前に問題にしたいのだろう」と分析する。共和党は中間選挙前にそのような議論をしたくないというのが本音だと述べた。
Jasonは「この法案は選挙後に成立するだろう。暗号資産業界は共和党と民主党の両方に巨額の献金を行ってきた。彼らはこの法案を買ったのだ」と皮肉を込めて語った。ただし、法案の具体的な内容については疑問を呈した。「スタートアップが1,000個のメンバーシップNFTを1個100ドルで販売し、購入者に収益の1%を分配するという場合、何が許されるのか」と具体例を挙げて疑問を投げかけた。
法案には75百万ドル(約1,100億円)の調達上限や、発行者の登録義務などが含まれるが、Jasonは「これは混乱を招く」と批判した。自身の投資先スタートアップが「パナマに匿名の取締役会を持つ財団を設立してICOを行う」と提案してきた経験を語り、「取締役会にセキュリティ上の懸念があるから匿名にする? そんな話を聞いたら投資家として降りるしかない。娘が3人いる。刑務所には行けない」と述べた。
AlexはClaude(AnthropicのAIアシスタント)にこの法案の解釈を尋ねた結果を共有した。「トークンを立ち上げた時点ではSECの管轄下にある。チームがアップグレードやトレジャリー、供給量の大部分をコントロールしている限り、投資契約資産の発行者として扱われる。しかし、トークンがCoinbaseやKrakenに上場され、他の人が売買するようになると、その取引については証券ではなくなる」という説明だった。ただしClaudeも「実際の不確実性は残る」と認め、アドバイスを拒否したという。Jasonは「Claudeが『自分では扱えない』と手を挙げたのは初めて見た」と笑いを交えて語った。
AIエージェントによる大学生のカンニング蔓延
ニューヨーク・タイムズの報道によると、AIエージェントが大学生のカンニングを大規模に支援している。特に「非同期型」のオンラインコース——学生が教授やクラスメートとリアルタイムで交流せず、録画された講義を視聴する形式——で問題が深刻化している。学生はAIエージェントに「ログインして、すべてのコースワークを完了して」と指示するだけで、エージェントが動画を視聴し、テストを受け、論文を書き、クラスメートとのチャットまで代行する。
コミュニティカレッジの教授Catherine Kaysar(キャサリン・カイザー)は「長年教えてきた編集者や作家は、安っぽいAI生成の文章を30秒以内に見分けられる」と語る。しかし、問題は検出ではなく予防にあるとJasonは主張する。「答えは非同期型クラスを廃止することだ。それが唯一の解決策だ」と断じた。
JasonはBrown大学の教授が公開した成績分布を紹介した。AIを使って自宅で受験した中間試験と、教室で対面受験した期末試験のスコアを比較したもので、学生1は95.5点と95点とほぼ一致していたが、学生22は59点と55点だった。Jasonは「自宅と教室の成績が大きく乖離している学生はAIを使っていた可能性が高い」と説明する。成績が一致している学生、つまり「59点を取った学生こそが雇うべき人材だ」と述べ、「キャプテン・アメリカがグレネードに飛び込んだように、誠実さを持つ人こそが価値ある人材だ」と比喩で語った。
さらに、期末試験で0点を取った学生が3人いたことを紹介し、「彼らはAIを使えば100点が取れると気づいて、そもそも試験を受けなかった。そういう学生は退学させるべきだ」と述べた。ただし「ビジネス開発の仕事はあるかもしれない」と冗談を交えた。
Jasonは自身の子育てでの実践も紹介した。娘たちに夏休みの読書課題をさせる際、2冊の本を購入し、「これはワークブックだ」と伝えて、知らない単語に丸を付け、各ページで最も重要な文に下線を引き、章末に要約を書かせたという。「手書き(hand mind)の重要性」を強調し、Ursula K. Le Guin(アーシュラ・K・ル=グウィン)から学んだ概念だと説明した。「心は手の速度でしか進まない。だからポッドキャスト中もメモを手書きしている」と述べた。
Alexは「AIチュータリングや教育アプリを作っているスタートアップは多いが、学習意欲を持って使わなければ意味がない。『答えを教えて』と使うか、『実際に学ぶまで反復する』と使うかだ」と補足した。
Spotifyの広告スキップ機能とポッドキャスト標準規格
Spotifyがプレミアムユーザー向けに「スキップ」ボタンのテストを開始した。この機能はポッドキャストのセクションをスキップできるが、Spotify自身が販売した広告はスキップできないという仕様だ。つまり、ポッドキャスト出版社が自社で販売した広告はスキップできるが、Spotifyが販売した広告はスキップできない。Crooked MediaのTommy Vietor(トミー・ビエトール)は「Spotifyがポッドキャスト業界を破壊しようとしている。なんて素晴らしいパートナーだ」と皮肉を投稿した。
Jasonは「Spotifyはこの件で引き下がるだろう」と予測する。「すでに15秒スキップボタンが存在し、人々はそれで広告を飛ばしている。私は広告を聞いている。スマホを取り出してスキップする手間を考えると、聞いた方が楽だからだ」と述べた。さらに「1.5倍速で聞いているなら、広告も楽しめばいい。広告がポッドキャストを無料にしているのだから」と付け加えた。
Jasonはより根本的な問題として、Spotifyがポッドキャストのオープン標準規格を尊重していないことを批判した。「Podcasting 2.0の標準規格には、SpotifyとAppleが絶対に採用すべき2つの機能がある。一つはRSSフィードに埋め込むドネートボタンだ。PayPalを使いたい人、Stripeを使いたい人、Patreonを使いたい人、それぞれの好みの決済手段に直接リンクできるようにすべきだ。もう一つはライブ配信時にRSSフィードにライブ情報をドロップし、リスナーに通知する機能だ。YouTubeはすでにこれをやっている」と説明した。
Jasonは「Spotifyほどポッドキャストから利益を得ている企業はない。Spotifyのビジネスはポッドキャストなしでは成り立たない」と主張する。「YouTubeはブラックボックスで、RSSフィードも標準規格も使っていない。Spotifyはポッドキャスターの味方になるべきだ。オープン標準規格を支持すべきだ」と訴えた。
Alexはポッドキャストエコシステムの中央集権化を懸念する。「以前は独立したサービスやHimalaya、iTunes、Spotifyなど、どこでもポッドキャストを聴けた。今はYouTube、Spotify、そして大きくなればNetflixという感じで、選択肢が減っている」と述べた。Jasonは「XがRSSフィードをサポートすればいいのに」と提案し、「プロフィールページに最新ポッドキャストのタブを追加できれば、ポッドキャストの配信が劇的に効果的になる」と語った。
JasonはSpotifyとの直接交渉の経験も明かした。「SXSWで彼らと会ったとき、『標準規格を壊すのをやめて、新しい標準規格をサポートしてほしい』と伝えた。Spotifyがこれほどトラフィックを得ているのはポッドキャスト標準規格のおかげだ。なぜそれを壊そうとするのか」と述べた。また、Spotifyの配信プラットフォームを使わないとアナリティクスが取得しにくいという問題も指摘し、「アナリティクスは広告販売に必要だ。データを解放してほしい」と訴えた。
結びに
今回のエピソードで最も印象的だったのは、ザッカーバーグのマニフェストに対するJasonの評価だ。「これは彼のキャリア全体で最高のバージョンだ」と絶賛しつつも、その背後にあるデータセンター建設という実利的な動機を見抜いていた。ザッカーバーグが「豊かさ」の物語を掲げ、AIの恩恵を約束する一方で、データセンター建設への理解を求めるという構図は、テクノロジー企業と地域社会の関係を再定義する試みだと言える。Jasonが指摘した「遅れているときはオープンに、先行しているときはクローズドに」という原則は、テクノロジー企業の戦略を理解する上で重要なフレームワークだ。
また、Xの収益分配プログラム変更、CLARITY Actの停滞、AIカンニング問題、Spotifyの広告スキップ機能など、各トピックでJasonとAlexが異なる視点から議論を展開した点も印象的だった。特にAIカンニング問題では、Jasonが「非同期型クラスの廃止」という明確な解決策を主張し、Brown大学の教授が公開した成績分布を詳細に分析するなど、具体的なデータに基づいた議論が展開された。
このエピソードが重要なのは、AIが社会のさまざまな側面——教育、メディア、政治、地域社会——に与える影響を、投資家視点と実務者視点の両方から考察している点だ。ザッカーバーグのマニフェストに代表される「豊かさ」の物語と、AIカンニングやデータセンター反対運動に代表される「不安」の物語が交錯する中で、テクノロジーと社会の関係をどう構築すべきかという問いが浮かび上がってくる。
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