
Beavers Wetlands & Wildlife Podcast episode 2, May 26 2025
- ビーバーの食習慣から社会性まで——自然観察者たちが語る、知られざるビーバーの世界 ビーバー・ウェットランズ&ワイルドライフ・ポッドキャストの第2回は、ホストのマット・ペリ...
- [1:27] ビーバーは一日にどれだけの枝を食べるのか?——給餌をめぐる実践的知恵 会話はマットの「ビーバーは24時間でどれくらいの枝を食べるのか?」という質問から始まっ...
- パティは野生動物リハビリテーターとしての経験から、2歳くらいのビーバー1匹につき、6フィート(約1.8メートル)のアスペンの苗木を1日3本与えれば十分だとアドバイスする。...
自分では見つけにくい海外Podcastの話題に、日本語で気軽に触れたい人。
Beavers Wetlands & Wildlife Podcast / Matthew Perry
ビーバーの食習慣から社会性まで——自然観察者たちが語る、知られざるビーバーの世界
ビーバー・ウェットランズ&ワイルドライフ・ポッドキャストの第2回は、ホストのマット・ペリーが、バーモント州の自然観察者パティ・スミスとウォルター・オドノヒューを迎え、ビーバーの採食行動、社会構造、そして人間との関係性について、約1時間にわたって自由闊達に語り合った回である。専門家然とした堅苦しさは一切なく、長年の観察から得た具体的なエピソードを「ああ、それ見たことある!」と共感し合いながら、時に驚き、時に笑い、時に憤る——そんな親密な雰囲気が全体を貫いている。ビーバーを「研究対象」ではなく、一人ひとり個性を持った「隣人」として見つめる視点が、この会話の核心だ。
ビーバーは一日にどれだけの枝を食べるのか?——給餌をめぐる実践的知恵
会話はマットの「ビーバーは24時間でどれくらいの枝を食べるのか?」という質問から始まった。ウォルターは現在、自分の池に残った2匹のビーバーを何とかして留まらせたい一心で、積極的に餌を与えている最中だ。「もう彼らの行動に影響を与えないなんてモードはやめた。完全に給餌モードに突入したよ」とウォルターは自嘲気味に語る。彼はリンゴの枝やポプラの枝を与えているが、特に成熟したポプラの枝の方が若い苗木よりも栄養価が高く、ビーバーも好むと指摘する。
パティは野生動物リハビリテーターとしての経験から、2歳くらいのビーバー1匹につき、6フィート(約1.8メートル)のアスペンの苗木を1日3本与えれば十分だとアドバイスする。ただし、それでも多少の残りが出るという。一方、マットのコロニーは7〜8匹のビーバーがいて、彼は1日に12フィートと15フィートの苗木を2本与えているが、それでも余剰が出て冬の備蓄に回されているという。
リンゴについては意見が分かれた。ウォルターはリンゴの与えすぎを心配し、「ビーバーが糖尿病になったり歯を悪くしたりしないか」とパティに相談したことがあると明かす。パティは「野生のビーバーは自分で調整する。リンゴを数個食べたら、あとはブランブル(野生のブラックベリーやラズベリーの茂み)をかじりに行く」と述べ、過剰摂取のリスクは低いと見る。しかし彼女自身も「自分はビーバーに砂糖中毒者を作り出してしまった。毎日池に行くたびに、自分は彼らのドラッグ・ディーラーだと思う」と笑いを交えて認める。
リンゴの謎——なぜ鼻先にある餌を見つけられないのか?
ウォルターが長年頭を悩ませてきた現象がある。それは、ビーバーがリンゴの破片を鼻先1インチ(約2.5センチ)のところに置いても、まったく気づかずに「手をバタバタさせながら探し回る」という行動だ。ところが、風で15フィート(約4.5メートル)も離れた場所に流されたリンゴには、まっすぐに泳いでいって見つけることができる。ウォルターは「これは本当に長年の謎だ」と語る。
パティは「香りが近すぎると、むしろ方向性がわからなくなるのではないか」と推測する。ウォルターも、サツマイモを切って断面を出すとビーバーが見つけやすいことから、香りの拡散の仕方が関係しているのではないかと考えている。また、ビーバーの鼻が突き出ている構造上の問題で、目の前に盲点がある可能性も指摘する。実際にウォルターは自分の眼科医に「ビーバーの視野を計算できるか」と尋ねたこともあるという。
このエピソードは、ビーバーの感覚能力についての素朴な疑問が、観察者たちの間でどれほど深く共有されているかを示している。3人とも同じ現象を見て、同じように「なんでだ?」と首をかしげてきたのだ。
ビーバーの食の多様性——「うちのビーバーはそれを食べない」という驚き
このセクションでは、ビーバーの食性に関する驚くべき地域差と個体差が浮き彫りになる。パティのバーモント州のビーバーは、なんとジュエルウィード(ホウセンカの一種)やアスター、ゴールデンロッドなどの草本植物まで食べるという。彼女は「ある日、12〜20個のニューイングランド・アスターの花の頭が池の縁に浮かんでいるのを見た。花は全部残して、植物の部分だけを食べていた」と具体的に描写する。
さらに驚くべきことに、パティのビーバーは陸に上がってシダの根やスゲの根を掘り起こして食べる。マットは「25年間ビーバーを観察してきたが、うちのビーバーは一度もそんなことをしたことがない」と驚きを隠さない。ウォルターも「うちのビーバーも根を掘るよ。泥だらけの根を水で洗ってから食べるんだ。彼らが食べ物を『洗う』という行動は、認知能力の高さを示している」と付け加える。
マットのニューヨーク州のビーバーは、レッドメープル(アカカエデ)をほとんど食べない。ところが近年、周囲に他の落葉樹がなくなったため、やむを得ず直径2フィート(約60センチ)を超える大きなレッドメープルを倒し始めたという。これは「好みではないが、他に選択肢がないから食べる」という適応行動の一例だ。パティは「バーモントのビーバーはニューヨークのビーバーよりずっと幅広い食物を受け入れるようだ」と総括する。
兄弟間の社会力学——「妹の仕事を邪魔する弟」と「母の威厳」
ウォルターが観察しているコロニーでは、2歳のメスがダムの修復作業のほとんどを担い、同い年のオス(おそらく兄弟)はほとんど働かない。ある日、メスがダムの一箇所に3〜4回分の泥を置いた。15分後、オスが泳いできて、妹が置いた泥を拾い上げ、わずか1フィート(約30センチ)横に移動させた。ウォルターは「これは明らかに、妹を真似ているか、あるいは妹を喜ばせようとしているように見える」と解釈する。
さらに奇妙な行動として、メスがヘムロックの木をかじっていると、オスが古いトウヒの枝を見つけてきて、彼女のそばに置き、また戻して、また置き直す——という一連の動作を観察した。最終的にメスはその枝を池に運んでダムの別の場所に使った。ウォルターは「まるで小さな弟が姉に認められようと必死になっているようだ」と述べる。
パティは、母親ビーバーが子どもに餌を与える時期と「断ち切る」時期の移行について詳しく語る。生後4〜5ヶ月までは、子どもが母親から枝を奪おうとしても許されるが、それを過ぎると母親は許さなくなる。リンゴを食べている母親に他のビーバーが6〜7フィート(約1.8〜2.1メートル)以内に近づくと、警告の「うなり声」(パティはこれを「ハフ」と表現する)を発し、さらに近づくと前足で叩くこともあるという。この「甘やかしから自立へ」の移行は、ビーバーの子育てにおける明確な節目を示している。
人間とビーバーの関係——「パパを叱った日」と「償いの2週間」
ウォルターは、オスのビーバー「パパ」との間で起きた印象的な出来事を語る。パパが彼に突進してきて、実際にブーツに歯が当たったことが3回あった。いずれも子どもが生まれてから数週間以内のことで、防衛本能からだったとウォルターは後で理解する。しかし最初の時、彼は反射的にパパのお尻を手で叩いてしまった。「その後何週間も罪悪感に苛まれた」と彼は認める。
翌日、ウォルターが板を持って行き、パパにリンゴを与えないことで「突進したら報酬はない」という因果関係を教えようとした。すると、ママと別の子どもは、ウォルターがパパだけを拒否していることを理解したかのように、パパを避けて普通に近づいてきたという。パパはその後2週間ほど距離を置いたが、ウォルターが積極的に「パパ、もう大丈夫だよ」と働きかけることで、関係は元に戻った。
パティはこれに対して、負傷した若いメスのビーバーを自分のオスのビーバーに紹介した時のエピソードを語る。メスが恐怖で「ハフ」と威嚇する中、オスはあえて数フィートの距離で彼女に背を向けて座り、じっと時間をかけて彼女を慣らした。「まるで『初デートで手もつながないよ、ただ一緒に散歩しよう』と言っているようだった」とパティは表現する。この「背中を見せる」という行動が、威嚇ではなく安心感を与えるための社会的シグナルである可能性を示唆している。
トラウマと記憶——捕食者を経験したコロニーの変化
ウォルターのコロニーでは、昨年、母親がクマに食べられ、兄弟の1匹も何かに捕食された。それ以来、ビーバーたちの行動に変化が見られる。以前はガチョウが池に来てもほとんど気にしなかったが、今では2羽のガチョウが来ただけで全員がロッジに避難し、リンゴを置き去りにしてしまうという。ウォルターは「これは長期的なトラウマ反応ではないか」と疑う。
マットも同様の経験を語る。彼のコロニーでも、犬などが近づきすぎて怖い思いをすると、その後しばらくは陸に上がらなくなるという。「捕食の歴史が行動に影響を与えているのは間違いない」とマットは言う。一方、パティの地域にはクマがいないため、彼女のビーバーは平気で陸上を半マイル(約800メートル)も移動するという。この違いは、捕食リスクがビーバーの行動圏に与える影響を如実に示している。
ビーバー保護の政治と現実——「報復としての給餌」という視点
会話の終盤、話題はビーバー保護の政治的な側面に移る。マットは「私たちがビーバーにしていることは、何百年にもわたる絶滅政策に対する『報復(レパレーションズ)』のようなものだ」と述べる。ウォルターも「我々は彼らをほぼ絶滅に追いやった。せめて彼らが生きられる場所では、できる限り快適にしてやるべきだ」と同意する。
しかし現実は厳しい。バーモント州南部のウッドフォードでは、スキーで調査に入った観察者スキップが、かつて多数あったビーバーコロニーがすべて消えているのを発見した。病気の可能性もあるが、おそらく罠猟師によるものだ。マットは「一つの河川流域全体を罠で根こそぎにできないような法律が必要だ」と訴える。
さらに、バーモント州魚類野生生物局のファーベアラー(毛皮獣)専門家が「バーモント州はビーバーの収容能力(キャリング・キャパシティ)に達している」と主張したことに対し、パティは「証拠を求めても持ってこなかった」と憤る。マットは「管理者たちは自分たちの存在意義を証明したいだけだ。ビーバーは自分で調整できるのに」と批判する。
また、アメリカ北西部で進行中の「バード・オウル(アメリカフクロウ)10万羽の射殺計画」についても話題が及ぶ。これは気候変動で生息域を広げたバード・オウルが、絶滅危惧種のスポッテッド・オウル(ニシアメリカフクロウ)と競合するためだ。ウォルターは「生きたまま捕獲して移動させればいいのに、射殺の方が簡単だからそうするんだ。なんという傲慢さだ」と怒りをあらわにする。
まとめ
このエピソードの最大の魅力は、3人の観察者が「ビーバーとはこういう生き物だ」という一般論を語るのではなく、「うちのビーバーはこうだった」「いや、うちのは違う」という具体的な観察を積み重ねていくプロセスそのものにある。ビーバーの食性、社会構造、認知能力、そして人間との関係性——すべてにおいて個体差と地域差が大きく、一つの正解があるわけではない。しかしだからこそ、長年の観察から得られた「あの時、あのビーバーがこうした」というエピソードの一つひとつが貴重なデータとなる。
特に印象的なのは、ビーバーを「管理すべき資源」ではなく、個性を持った「隣人」として見る視点だ。ウォルターが「パパ」を叱った後に2週間かけて関係を修復した話や、パティのオスのビーバーが臆病なメスに背中を見せて安心させた話は、ビーバーが単なる本能で動く動物ではなく、状況を判断し、他者との関係を調整する社会的知性を持っていることを示している。
そして、給餌を「報復」と表現するマットの言葉は、人間と野生動物の関係を考える上で深い示唆を与える。私たちはビーバーを何世紀にもわたって迫害してきた。今、彼らが生き残るために私たちができることは、単なる「管理」ではなく、共に生きるための知恵を彼らから学ぶことなのかもしれない。このポッドキャストは、そのための第一歩として、観察者たちの「目」と「経験」を共有する貴重な場となっている。