
Hyperliquid Strategies CEO:Hyperliquidは極めて過小評価されている(...そして次に来るもの)
- ハイパーリキッド戦略CEO:「ハイパーリキッドは極度に過小評価されている(…そして次に来るもの)」 暗号資産取引所ハイパーリキッド(Hyperliquid)に特化した最大...
- [01:01] ハイパーリキッド・ストラテジーズとは何か デイビッド・シャミスは、バークレイズ元CEOのボブ・ダイアモンドと共同設立したプライベート・エクイティ会社アトラ...
- 当時、ハイパーリキッドのトークン(HYPE)は米国内で容易に取引できず、主にオンチェーンでのみ取引されていた。株式に似た特性を持つこのトークンを、フィデリティやチャールズ...
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
The Rollup / Where digital assets meet capital markets. Hosted by Robbie & Andy
ハイパーリキッド戦略CEO:「ハイパーリキッドは極度に過小評価されている(…そして次に来るもの)」
暗号資産取引所ハイパーリキッド(Hyperliquid)に特化した最大のDAT(デジタル資産トラスト)であるハイパーリキッド・ストラテジーズのCEOデイビッド・シャミスが、同社がどのようにして8億8800万ドルを調達したか、なぜ他のほとんどのDATが苦境にあるのか、そしてHIP-3がなぜすべてを変えたのかを語る。エンパイア・ステート・ビルディングからの収録で、伝統的金融(TradFi)と暗号資産の交差点に立つこの対話は、ハイパーリキッドの強気・弱気両方のケースを提示しつつ、24時間取引可能なオンチェーン金融の未来に対する確信をにじませる。
ハイパーリキッド・ストラテジーズとは何か
デイビッド・シャミスは、バークレイズ元CEOのボブ・ダイアモンドと共同設立したプライベート・エクイティ会社アトラス・マーチャント・キャピタルのCIOでもある。彼のキャリアはほぼ完全に伝統的金融(TradFi)にあり、暗号資産への関与はサークル(Circle)への投資と2015年に個人的に購入したビットコイン程度だった。そんな彼がハイパーリキッドに関心を持ったのは約10ヶ月前、パートナー企業の友人たちから「世界はおそらく別のマイケル・セイラーもどきを必要としていない。しかしハイパーリキッドには実際にDATが必要だ」と説得されたことがきっかけだった。
当時、ハイパーリキッドのトークン(HYPE)は米国内で容易に取引できず、主にオンチェーンでのみ取引されていた。株式に似た特性を持つこのトークンを、フィデリティやチャールズ・シュワブ、ロビンフッドのような通常の証券口座で購入できるようにする必要性を感じたという。調査を進めるうちに、パラダイム(Paradigm)も同じ構想を持っていることを知り、両社は「天の配剤のような」パートナーシップを結んだ。パラダイムが持つものをアトラスは欠き、アトラスが持つものをパラダイムは欠いていたため、初回会合からわずか2〜3週間で合意に至った。
8億8800万ドルの資金調達とその巧妙な仕組み
2024年6月中旬、両社はこの構想のために3億ドルの調達を目指して動き始めた。ところが7月初頭には8億8800万ドルの取引を発表することになる。目標の約3倍という成功は、「世界がハイパーリキッドのDATを必要としている」という信念が自分たちだけではないことの証明だった。
この調達の特徴は、資金の約62%がHYPEトークンで、残りの38%が現金だったことだ。トークンでの拠出は税制上有利な交換(tax-free exchange)として処理された。さらに重要なのは、署名からクロージングまでに長い期間があったことだ。通常のDATではクロージングと同時に大量のロック解除(unlock)が発生し、株価が急落する「ドラマ」が起きる。しかしハイパーリキッド・ストラテジーズの場合、クロージング時に全員の株式がすでに完全に取引可能だったため、そのような問題は発生しなかった。結果として、結果的に前回の市場サイクルの天井を回避することにもなった。
現金部分については、2025年1月まで本格的にHYPEトークンの購入を開始しなかったため、平均取得価格を現在のトークン価格(約39ドル)付近に抑えることができた。現在も約1億ドル以上の現金を残しており、この柔軟性が他社との差別化要因となっている。多くのDATが現金不足に陥り、コール・オプションの売却など「不自然な行動」を強いられているのとは対照的だ。
進化するハイパーリキッドのテーゼ
シャミスは、ハイパーリキッドの評価について「昨夏、私はこれを本当に優れた暗号資産取引所だと見ていた。伝統的な評価指標で見れば、暗号取引所として比較的割安だった」と振り返る。当時はまだHIP-3(後述)は存在せず、市場はその可能性をまったく評価していなかった。
HIP-3は、ハイパーリキッドを「暗号デジェン(投機家)のための取引所」から「世界中のあらゆる資産のオンチェーン価格発見の場」へと変貌させた。2025年1月のシルバー、2月の原油といった実物資産の取引が開始され、ウォール・ストリート・ジャーナルやブルームバーグ、フィナンシャル・タイムズなどの主要メディアでも取り上げられるようになった。
シャミスは「1月半ば以降、ビットコインとイーサリアムが一方方向に動いたのに対し、ハイパーリキッドは別の方向に動いた。グラフを見れば一目瞭然だ」と語る。市場は当初「見せてもらわなければ信じない」という態度だったが、実際の取引が始まると評価を変え始めた。ただし、現在のオープンインタレストは約14億ドルと、潜在的な市場規模(TAM)に比べれば「まだ表面をかすっているに過ぎない」と控えめに評価する。
「戦争」が証明したハイパーリキッドの価値
2025年初頭、地政学的緊張が高まる中で起きたある出来事が、ハイパーリキッドの真価を証明した。金曜日の夕方、伝統的市場が閉まった後に戦争関連のニュースが流れ、原油価格が急変動した。その後48時間、原油を取引できる唯一の場所がハイパーリキッドだったのだ。
「戦争が週末を取らないように、こうした出来事は週末を取らない。そして原油がこれほど重要な要素となる戦争では、人々は24時間365日の流動性を求める」とシャミスは指摘する。伝統的金融の世界では9時30分から16時までの取引とT+1決済が標準だが、オンチェーンでは24時間取引と即時決済が可能で、すべてが監査可能で公開されている。
この「ハイパー金融化された世界」では、不安定性とボラティリティが加速し、見出しが日々変わる。トランプ政権下では「ランダム性の加速スイッチが入れられた」とシャミスは表現する。戦争から株価、大型買収まで、かつては月次または四半期ごとに起きていた出来事が毎日起こるようになり、24時間取引の需要はますます高まっている。
S&P500との提携とHIP-3の未来
S&PグローバルがTrade XYZにS&P500パープ(永久先物)の独占ライセンスを付与したことは、大きな節目だとシャミスは評価する。「S&Pという会社にとって最も価値のある資産はその名前だ。彼らが名前に裏打ちされたものを提供するのは、決して軽々しい決断ではない」。この提携は、S&PがハイパーリキッドとTrade XYZを「真面目なビジネス」と認め、オンチェーンが未来であると確信した証拠だという。
一方で、元パラファイ投資家でインバージョン創業者のサンティアゴが「トークン化された株式取引よりもコモディティ取引の方がボリュームが大きくなる」と予測したことに対し、シャミスは異論を唱える。「コモディティトレーダーはデリバティブ取引に慣れているという点では彼の言い分も理解できる。しかし株式にははるかに多くのリテールトレーダーが存在し、アクセスの問題(非米国・非西欧諸国の人々が株式を購入する難しさ)も考慮すれば、長期では株式の方が大きな市場になる」と述べ、サンティアゴに「ビール一杯賭けてもいい」と冗談交じりに語る。
さらにシャミスは、パープ(永久先物)がリテールトレーダーにとってオプションよりも優れた商品だと主張する。オプションの価格変動を理解するには高度な知識が必要だが、パープの仕組みは比較的シンプルだ。「レバレッジ取引が推奨されるわけではないが、パープなら清算価格が明確で、資金調達率も監視できる」。ロビンフッドの収益のかなりの部分がゼロデイオプション(同日中に開閉される超高レバレッジ商品)から来ている現状を考えると、パープへの移行は理にかなっていると指摘する。
ハイパーリキッドのTAMと強気・弱気の両ケース
シャミスは強気のケースを「非常にシンプル」と表現する。暗号資産部分での成長が続き、伝統的金融から市場シェアを奪い続ける。そして実物資産(RWA)側では、オラクル価格で価格設定できるあらゆる資産をオンチェーンに持ち込める。さらにHIP-4では予測市場とオプションが追加され、保険にも応用可能だ。「これらすべてを信じ、イーサリアムやソラナと同じように評価するなら、現在の40ドルという価格は到底妥当な数字ではない」。
弱気のケースとしては、まず規制の不確実性を挙げる。米国での取引が制限されている現状は、競合に機会を与える可能性がある。次に競争の激化だ。「金融サービスにおいて真のフランチャイズ価値は存在しない。人々は最良の価格と最高の流動性を求めて移動する」。4年前にはハイパーリキッドの名前すら聞いたことがなかったという事実が、競争の現実を物語っている。
技術面でのリスクも存在する。「これは毎秒20万トランザクションを処理するために構築されたテクノロジービジネスだ。従業員は12人で、そのうち6〜7人が開発側。何かがうまくいかない可能性は常にある」。しかしシャミスは、25年以上のプライベート・エクイティ経験から「上昇の可能性と下降リスクを比較すると、これは本当に良い案件だ」と結論づける。
規制環境とワシントンでの取り組み
ハイパーリキッド財団は新たに政策部門を設置し、著名な暗号資産弁護士ジェイク・チャービンスキーを責任者に迎えた。シャミスは収録の2時間前にチャービンスキーと会っていたことを明かし、「彼は優秀で、本当に良いチームを編成している」と評価する。
過去4年間の政権下では暗号資産に関する動きがほとんどなかったため、ハイパーリキッドはワシントンに直接の代表を置く必要を感じていなかった。しかし2025年に入り、議会での「クラリティ法」などの立法措置や、SEC・CFTCによる規制措置が活発化する中で、ハイパーリキッド独自の利益を代表する必要性が高まった。「ハイパーリキッドの利益とコインベースの利益は、ワシントンではかなり異なる」。11月の会議で「クラリティ法は2025年末までに100%成立する」と断言した高官がいたが、現実はそうなっていないというエピソードを交え、ワシントンの予測不可能性を強調する。
ウォール街への売り込み方
シャミスは伝統的金融の投資家にハイパーリキッドを説明する際、まず「11人のチーム(最近12人になった)が、第三者資本を一切受け入れずに3年余りで約10億ドルのフリーキャッシュフローを生み出している」という事実から話し始めるという。「そこで一旦止めれば、たいていの人の注意を引ける」。その後、ウォール・ストリート・ジャーナルやブルームバーグが報じた原油取引の事例を出すと、「ああ、週末に読んだよ」という反応が返ってくる。
投資家のタイプによってアプローチは異なる。暗号資産ネイティブの投資家はすでにDEXで取引しており、単にシャミスの見解を聞きたいだけだ。一方、ヘッジファンドのロングショート運用者など、これまで暗号資産を購入したことがない層には、コインベースで口座を開設するよりも、純資産価値の約1倍で取引されるDATの株式を購入する方がはるかに簡単だと説明する。「コンプライアンス担当者を4週間悩ませるか、純資産の1倍で株式を買うか。簡単な選択だ」。
ステーキング、利回り、そして次なる展開
ハイパーリキッド・ストラテジーズは現在、保有するHYPEトークンのほぼ100%をステーキングしており、約2%の利回りを得ている。しかしシャミスは「それ以上のことを考えている」と明かす。具体的には、ハイパーリキッドネットワーク上のバリデーターになることを検討中だ。ただしバリデーター収入は「針を大きく動かすものではない」と認める。
より高い利回りを追求するには、ハイパーリキッドVM上のスマートコントラクトに関与する必要があるが、それには新たなリスクが伴う。「現在のテーゼは12人に支えられている。他のプロトコルやチームに拡大すれば、リスクは急速に増大する」。シャミスは「2026年までに2〜3の発表ができれば満足」と、慎重な姿勢を示す。
ハイパーリキッドの創設者ジェフについて、シャミスは「彼は自らコードを書き、開発を行うことを好む。エコシステムに多くのことを任せるという、非常に謙虚な決断をした」と評する。ユニット(Uni)がスポット取引をハイパーリキッドにもたらしたように、エコシステムが様々な機能を担うことで、コアチームは自分たちが本当に得意なことに集中できるというのがジェフの哲学だ。
まとめ
このエピソードが最も印象的に伝えるのは、ハイパーリキッドが単なる「デジェン向け暗号取引所」から「あらゆる資産の24時間オンチェーン価格発見プラットフォーム」へと変貌を遂げつつあるという点だ。S&P500との提携、戦争下での原油取引、そしてHIP-3による実物資産の取引開始は、伝統的金融と暗号資産の融合が現実のものとなりつつあることを示している。シャミスの「見せてもらわなければ信じない」という市場の態度を理解した上での冷静な分析と、12人のチームで10億ドル近いフリーキャッシュフローを生み出す効率性への賞賛が、この対話に説得力を与えている。
要点
- ハイパーリキッド・ストラテジーズはパラダイムと提携し、目標の3倍にあたる8億8800万ドルを調達。資金の62%はHYPEトークンで、長期のクロージング期間により「ロック解除ショック」を回避した
- HIP-3により、ハイパーリキッドは原油やシルバーなどの実物資産のオンチェーン取引を実現。2025年1月以降、ビットコインやイーサリアムとは異なる値動きを見せている
- 戦争勃発時の週末、原油を取引できる唯一の場所がハイパーリキッドだったことが、24時間取引・即時決済の価値を証明した
- S&PグローバルがTrade XYZにS&P500パープの独占ライセンスを付与したことは、伝統的金融がオンチェーン取引を未来と認めた象徴的な出来事
- 強気ケース:暗号取引所としての成長+実物資産+予測市場+保険=巨大なTAM。弱気ケース:規制の不確実性、競合の台頭、12人という小規模チームの技術リスク
- ジェイク・チャービンスキー率いる新設の政策部門は、ハイパーリキッド独自の利益をワシントンで代表するための重要な投資
- シャミスは伝統的金融の投資家に対し、「第三者資本なしで3年余りで10億ドルのフリーキャッシュフロー」という事実から売り込む戦略を取っている
- ハイパーリキッド・ストラテジーズは現在ほぼ全量のトークンをステーキング中。バリデーター運用など利回り向上策を検討しているが、リスク管理を優先し慎重な姿勢を崩さない