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Lenny's Podcast: プロダクト | キャリア | グロース · 2026年8月9日

高タレント密度チーム構築のプレイブック | Adam Ward, Cursor タレント責任者

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • Adam Ward(アダム・ワード)は、CursorのHead of Talentとして、業界でも最も才能密度の高いチームを構築することで知られる人物だ。彼はPint...
  • 現在の採用市場について、Adamは「スケールで言えば11」と表現する。モバイルエンジニアが存在しなかった時代と類似点はあるものの、当時は2年かけて市場が調整されたのに...
  • [11:25] 採用の3ステップ・フレームワーク:スコーピング、マッピング、執拗な追跡 Adamが提唱する採用アプローチの中核は、従来の「ファネル・オブ・ドゥーム(絶...
こんな人向け

英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。

出典Podcast

Lenny's Podcast: プロダクト | キャリア | グロース / Lenny Rachitsky

要点
  1. 従来の採用ファネルは「ファネル・オブ・ドゥーム」であり、100人に連絡して返信があった20人は「トップ20%」ではなく「たまたま都合の悪い日に捕まった20人」に過ぎない。この「リマインダー・ハイアリング」は凡庸な結果を生む。
  2. 採用はセールスファネルと類比すべきではない。セールスでは商品は静的だが、採用には非合理的な採用マネージャーと候補者が存在する。採用は「検証」ではなく「仮説の確認」として行うべきだ。
  3. 採用の3ステップは「スコーピング(トップ1%の定義)」「マッピング(世界でその役割を遂行できる50人の特定)」「執拗な追跡(その50人の活性化)」である。
  4. 「誰が最高のプロダクトエンジニアか」と尋ねるのは最悪の質問だ。代わりに「デザイナーと最も協力的だった人は誰か」といった具体的な質問を複数の人に投げかけ、名前を三角測量する。
  5. 「思いやりは無料」であり、候補者満足度で常にトップに来るのは「会社が本当に自分を欲しがっている」という感覚だ。クロージングはプロセスの集大成であり、開始点ではない。
  6. ワークトライアルは、Cursorが一度廃止を試みたが、シグナルの質が大幅に低下したため復活させた。実際の仕事を一緒に行うことが、技術スキルだけでなくコラボレーションや価値観の最良の予測因子となる。
  7. 初期段階の企業が最初の採用担当者を雇う際の最大の失敗は、「実行型」と「システム構築型」という競合する2つのスキルセットを1人に求めることだ。これらは分離し、外部リソースで補完すべきだ。
  8. 才能密度は個人ではなくチームの特性であり、「10倍の個人は悪いチームには存在しない」。優れたリーダーは「パズルビルダー」として、互いに補完し合うチームを構築する。
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他のエピソード

Adam Ward(アダム・ワード)は、CursorのHead of Talentとして、業界でも最も才能密度の高いチームを構築することで知られる人物だ。彼はPinterestで従業員を200人から2,000人以上に拡大し、Facebookではテック組織を1,000人から10,000人以上にスケールさせた実績を持つ。その後、独立系リクルーティング会社Growth by Designを共同創業し、昨年Cursorに完全買収された。このエピソードでは、Lenny Rachitsky(レニー・ラキツキー)がAdamを迎え、従来の採用プロセスがなぜ凡庸な人材しか生まないのか、そして「才能密度の高いチーム」を構築するための具体的なプレイブックを深掘りしている。Adamの語り口は極めて実践的で、抽象論ではなく、具体的な戦術と実例に満ちている。

現在の採用市場について、Adamは「スケールで言えば11」と表現する。モバイルエンジニアが存在しなかった時代と類似点はあるものの、当時は2年かけて市場が調整されたのに対し、今回は「日単位、週単位」で状況が変化する圧縮された市場だと指摘する。さらに、この市場は「二つの都市の物語」であり、新卒PhDにNBA級のオファーが出る一方で、大手企業が従業員の10%をレイオフするという矛盾が同時に起きている。Adamはこれを「才能と労働の再定住」と捉え、いずれは均衡点に戻るとの見方を示す。需要が高まっているのは「フォワード・デプロイ・エンジニア(FDE)」と呼ばれる、技術力と顧客対応力を兼ね備えた人材であり、逆に需要が減っているのは過度に専門化された人材と、実務経験の浅い新卒だという。

11:25採用の3ステップ・フレームワーク:スコーピング、マッピング、執拗な追跡

Adamが提唱する採用アプローチの中核は、従来の「ファネル・オブ・ドゥーム(絶望のファネル)」からの脱却だ。この概念は、彼が1998年にインターンとして働いたTrilogyという会社で、最初のマネージャーだったJeff Danielが生み出したものだという。従来の採用はセールスファネルと同様に考えられ、100人に連絡して20人が返信すれば、その20人が「トップ20%」だと誤認される。しかし、実際にはそれは「たまたま都合の悪い日に捕まった20人」に過ぎない。そして、各段階で人をふるい落とし、最後に残った人を採用する「リマインダー・ハイアリング」が、凡庸な結果を生む根本原因だとAdamは主張する。

このアプローチの問題点は、セールスファネルとの誤った類比にある。セールスでは商品は静的で合理的だが、採用には非合理的な採用マネージャーと候補者が存在する。そこでAdamが提唱するのは、エグゼクティブサーチと同じ3ステップのプロセスだ。第一に「スコーピング」、つまり「トップ1%」が何を意味するのかを客観的に定義する。第二に「マッピング」、つまり世界でこの役割を遂行できる50人を特定する。第三に「執拗な追跡」、つまりその50人を活性化することに全エネルギーを集中する。このアプローチでは、採用プロセスを「検証」として使うのではなく、事前に立てた仮説を「確認」するために使う。

スコーピングの重要性は、採用プロセス全体を左右する点にある。多くの企業は「見ればわかる」と言うが、実際には客観的な基準を定義していないため、良い人材を見逃す。Adamは、スキルと経験を洗い出し、優先順位をつけ、客観的に定義することを推奨する。また、他社の採用基準をそのまま流用するのではなく、自社の製品と役割に固有の「素晴らしさ」を定義すべきだと強調する。履歴書のロゴ(企業名)に惑わされるのは罠であり、特定の企業の特定のチームに所属していたことが必ずしも優秀さを保証するわけではない。

21:58最良の人材を見つける:ネットワークの掘り起こしと「思いやりは無料」

マッピングの段階では、まず信頼できる人々のネットワークを活用する。しかし、ここでAdamは重要な注意点を挙げる。「誰が最高のプロダクトエンジニアか」と尋ねるのは最悪の質問であり、代わりに「これまで一緒に働いたプロダクトエンジニアの中で、デザイナーと最も協力的だった人は誰か」「フレームワークを製品に変換するのが最も上手い人は誰か」といった具体的な質問をすべきだという。このような具体的な質問を複数の人に投げかけることで、同じ名前が浮かび上がってくる「三角測量」が可能になる。

さらに、求める特性を共有する企業を特定する方法もある。例えば「好奇心が強い」「システム思考」といった特性を定義したら、同じ特性を重視する企業の求人情報を検索し、そこでスキルを磨いた人材を探す。しかし、最も価値が高く、最も時間のかかる方法は、現在の従業員のネットワークを掘り起こすことだ。Adamのチームには、従業員のネットワークを掘り起こすことだけを仕事にしているメンバーがいる。AIツールで自動化することも可能だが、6週間にわたって隔週で1対1のセッションを行い、前回のセッションで得た名前のフォローアップ状況を確認し、さらに新しい名前を引き出すという「手と手を結ぶ」プロセスに勝るものはないという。

Cursorでは、このプロセスを組織全体に広げる「Hiring Ideas」というSlackチャンネルが存在する。従業員が製品、投稿、バーベキューでの会話などで印象的な人を見つけたら、その人のプロフィールをチャンネルに投稿する。すると、チーム全体が「ああ、あの人か」「どうやってアプローチしようか」と盛り上がり、採用活動が自然と組織全体の運動になる。これは採用チームが主導するのではなく、非採用部門の従業員が自発的に参加する点が特徴的だ。このような文化は、採用を「社会的信用」の一部として捉えることで醸成される。

32:19執拗な追跡:種まきと継続的なタッチポイント

「執拗な追跡」の段階では、まず候補者との会話を始めることが最初のハードルになる。多くの候補者は「今はタイミングが良くない」と言うが、Adamは「インタビューを求めているわけでも、入社を検討してほしいわけでもない。次の会話をお願いしているだけだ」と返す。そして、タイミングが悪いと言われたら、コーヒーだけでも、オフィス見学だけでも、チームの誰かとの会話だけでも、とにかく接点を維持することを提案する。この「継続的タッチポイント」アプローチは、数日、数週間、数ヶ月、時には数年単位で行われる。

このプロセスで重要なのは、最初のコンタクトの質だ。一度無視されると、二度目、三度目はさらに無視されやすくなる。そこで、Adamのチームは実際のメッセージングと同じくらい、誰が温かい紹介をできるかに時間をかける。適切な紹介者を見つけることで、活性化までの時間と労力を大幅に圧縮できる。また、候補者の興味を引く可能性のあるトピックや人物を事前にリサーチし、パーソナライズされたアプローチを心がける。

Adamが繰り返し強調するのが「思いやりは無料(Caring is free)」という原則だ。候補者満足度調査で常にトップに来るのは、「会社が本当に自分を欲しがっている」という感覚だという。この思いやりは、採用プロセスの各段階での「余分な意図性」として現れる。ファネル思考に陥ると、数字ゲームに没頭し、人間性を失いがちだが、Adamは「この役割には10人ではなく1人を採用しようとしている」とチームに常に言い聞かせている。このリフレームは、採用プロセス全体の質を根本的に変える。

45:04オフサイトの真の目的:双方向の体験とワークトライアル

採用プロセスの評価段階について、Adamは「ワークサンプル(実際の仕事のサンプル)が成功の最良の予測因子である」という研究結果を挙げる。しかし、多くの企業は依然として1対1の面接評価に時間を費やしている。Cursorは、一部の役割で長時間のオフサイト体験を実施し、候補者が実際のプロジェクトに取り組み、チームと一緒に仕事をする機会を提供している。これにより、企業側は強いシグナルを得られるだけでなく、候補者側も仕事の実際を体験できる。

Adamが指摘する重要な点は、多くの企業のオフサイトが「一方的な評価」に終始していることだ。企業は情報を抽出することに集中し、候補者に何も返していない。しかし、Cursorではオフサイトを「双方向の体験」として設計している。誰が候補者を迎えるか、誰がランチの隣に座るか、すべてをキュレーションし、候補者が「ここに属している」と感じられるようにする。これは、Airbnbの初期にJoe Gebbiaが「とにかくエレベーターに乗せろ」と言った戦略と同様の考え方だ。オフィスに足を踏み入れた瞬間に「ここが我が家だ」と感じさせる瞬間が、採用の成否を分ける。

ワークトライアル(実際の仕事を体験する試用期間)は、Cursorが一度廃止を試みたが、シグナルの質が大幅に低下したため、すぐに復活させたものだ。Michael Truell(Cursor共同創業者兼CEO)もこの経験を語っている。ワークトライアルは候補者にとって大きな時間的コミットメントだが、技術的なスキルだけでなく、コラボレーションや価値観など、より重要なシグナルを得られる。Cursorでは、エンジニアリングだけでなく、プロダクトやGo-to-Marketチームにも、それぞれの機能に合わせたバージョンのワークトライアルを用意している。候補者が選べる問題のセットを用意し、土曜日など候補者の都合に合わせてスケジュールを調整する柔軟性も持たせている。

53:10オファー段階:動機の理解と「売り込み」の継続

オファー段階に移ると、Adamは「クロージングで売り込もうとしてはいけない」と強調する。採用のクラフトは、プロセスの初期段階で候補者の動機を明確に理解し、その動機に沿った体験を提供することにある。オファーはプロセスの「集大成」であり、「開始点」ではない。競合他社が巨額のオファーを提示してきた場合、Adamのチームは「内発的動機」に焦点を当てる。外発的報酬(給与)ではなく、仕事の内容、チーム、人々との関係性といった内発的要素を強調するのだ。

「人々が最高額のオファーを蹴って入社することはよくあるのか」という質問に対し、Adamは「補償を入社理由にしないようにすることが目標だ」と答える。多くの場合、Cursorのオファーが最高額ではないが、6ヶ月後に振り返ったとき、給与は「新しい生活水準」になるだけで、仕事の満足感にはつながらないと彼は指摘する。また、候補者が最終的にCursorを選ばなかった場合でも、それは「適切な人材が適切な企業に適切なタイミングで」という原則に沿ったものであり、採用担当者としては6ヶ月後に再び同じ仕事をやり直すより、今この瞬間に結論が出る方が良いと考える。

クロージングは「チームスポーツ」であり、特に重要度の高い候補者については、毎日のスタンドアップミーティングを開催し、候補者を「イエス」に導くための戦略をチーム全体で共有する。さらに、候補者ごとに専用のSlackチャンネルを作成し、全員が情報を共有し、戦略を練る。そして、個人的なタッチを忘れない。最近の例では、ニューヨークの候補者がクラシック音楽の訓練を受けたヴァイオリニストであることを知り、専門店でユニークなトルコ製ギターを見つけて、オファーを提示するディナーの場で贈ったという。数百ドルの贈り物だが、その思いやりと個別性が、候補者に「これは自分に合わせて作られた体験だ」と感じさせる。

01:07:23才能密度と最初の採用担当者:よくある失敗と成功の条件

Cursorの経営陣が採用を最重要事項と考えることについて、Adamは「贈り物であり、時には信じられないほど苛立たしい」と表現する。創業者たちは最初の80人を自ら採用した経験があり、採用の難しさを理解している。そのため、採用への関与を求める必要はないが、彼らが「あなたの領域に入り込んでくる」こともある。しかし、Adamは「その努力と関心を毎日受け入れる」と語る。

才能密度について、Adamは「個人ではなく、チームとしての10倍(10x)」を考えるべきだと主張する。優れたリーダーは「パズルビルダー」であり、互いに補完し合うチームを構築する。才能密度は「分子と分母が両方とも1でない限り」個人の特性ではなく、集合的な性質だ。優れた個人が悪いチームにいれば、その能力は発揮されない。彼は「10倍の個人は悪いチームには存在しない」と断言する。

初期段階の企業が最初の採用担当者を雇う際の最大の失敗は、「銀の弾丸」を求めることだ。多くの創業者は、採用の遅れを解消する「実行型」と、将来のスケールを見据えた「システム構築型」という、競合する2つのスキルセットを1人に求めてしまう。しかし、これは通常うまくいかない。実行型は採用を進めるがシステムを構築せず、システム構築型はシステムを作るが採用が進まない。Adamは、この2つの役割を分離し、一方を社内で雇い、もう一方を外部の契約リクルーターで補完することを推奨する。最初の採用担当者に求める資質としては、ビジネスへの好奇心と理解力、そして「ハイモーター」と呼ばれる高い実行力が挙げられる。リクルーターは「90%から110%のキャパシティ」で最も力を発揮し、それ以下では力を発揮できず、それ以上では圧倒されてしまうという。

結びに

このエピソードが特に印象的なのは、Adamの採用哲学が単なるテクニックの集合ではなく、人材を「リソース」ではなく「人間」として扱うという一貫した世界観に基づいている点だ。「ファネル・オブ・ドゥーム」という概念は、従来の採用プロセスがなぜ凡庸な結果を生むのかを鋭く説明しており、多くの採用担当者や創業者にとって「目から鱗」のフレームワークとなるだろう。また、「思いやりは無料」という原則は、採用プロセスにおける人間性の重要性を再認識させる。Cursorが採用を組織全体の運動として捉え、従業員が自発的に人材を紹介する文化を築いている点も、示唆に富む。このエピソードは、採用を「コスト」ではなく「最も重要な投資」と捉え直すための、実践的かつ哲学的なガイドだと言える。

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