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Invest Like the Best with Patrick O'Shaughnessy · 2026年6月3日

ダラ・コスロウシャヒ - UberのAV、AI、スーパーアプリ構築への賭け - [Invest Like the Best, EP.476]

AI generated article / ja / study
この記事でわかること
  • UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロウシャヒ)が、2017年に同社のCEOに就任した経緯から、現在の自動運転車(AV)戦略、そして同社の...
  • ダラは、Uberの現在を「これまでで最もエキサイティングな時期」と表現する。同社は年間100億回以上のトリップを処理し、100億ドルを超えるフリーキャッシュフローを生み出...
  • [03:37] 混沌の只中へ:Uber CEO就任の決断と初期の課題 ダラがUberのCEO就任を打診されたのは、同社がトラビス・カラニック前CEOの退任後、取締役会の主...
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Invest Like the Best with Patrick O'Shaughnessy / Colossus | Investing & Business Podcasts

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UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロウシャヒ)が、2017年に同社のCEOに就任した経緯から、現在の自動運転車(AV)戦略、そして同社の未来像に至るまでを、ホストのPatrick O'Shaughnessyとの対話を通じて深く掘り下げたエピソードである。ダラは、ExpediaのCEOを13年間務めた後、混乱の極みにあったUberの舵取りを引き受けた。その決断の背景には、SpotifyのDaniel Ekからの「人生とは幸福ではなく、インパクトだ」という言葉があった。本エピソードでは、Uberがどのようにして「供給主導型」の企業として成長し、自動運転という物理的AIの時代において「需要の集約者」としての地位を確立しようとしているのかが、具体的な数字や戦略とともに語られる。また、イランからの移民としての幼少期の経験が、いかに彼のリーダーシップスタイルやストレスへの対処法を形成したかについても、深く掘り下げられている。

ダラは、Uberの現在を「これまでで最もエキサイティングな時期」と表現する。同社は年間100億回以上のトリップを処理し、100億ドルを超えるフリーキャッシュフローを生み出す巨大企業へと成長した。しかし、その成長の原動力は、単なる需要の拡大ではなく、ドライバーやレストランといった「供給」の圧倒的な集約にあると彼は強調する。自動運転車(AV)の分野では、Uberは自ら車両を開発するのではなく、WaymoやNuroなど30以上のパートナーと連携し、彼らに「需要」と「運用インフラ」を提供するプラットフォームとしての役割を目指している。この戦略の核心は、AVがもたらす「魔法」をいかにして一般化し、コストを下げ、より多くの人々にサービスを提供するかという点にある。ダラは、AVの普及によって交通費が劇的に低下し、新たな市場が創出されると予測し、Uberの未来は「スーパーアプリ」化と、AIによるパーソナライズされた体験の提供にあると語る。

03:37混沌の只中へ:Uber CEO就任の決断と初期の課題

ダラがUberのCEO就任を打診されたのは、同社がトラビス・カラニック前CEOの退任後、取締役会の主導権争いや規制当局との関係悪化など、内外から批判を浴びていた時期だった。彼は当初、その話を「絶対にない」と断ったが、サンバレー会議で出会ったDaniel Ekから「人生は幸福ではなく、インパクトが重要だ」と諭され、考えを改める。Ekの言葉は、世界に影響を与える企業であるUberが危機にある今こそ、自らが挑戦すべき時だとダラに決断を促した。

就任初日から10日間の印象を、ダラは「完全な混沌」だったと振り返る。取締役会は会社の将来ではなく支配権に固執し、経営陣は暫定委員会によって運営され、社内外の信頼は地に落ちていた。彼はこの状況を打開するために、問題を「構成要素」に分解するエンジニアリング的なアプローチを採用した。取締役会には新たな議長を迎え入れ、ステークホルダーに対しては「傾聴ツアー」を実施し、社内では旧態依然とした人材の入れ替えと、優秀な人材の登用を進めた。

このプロセスにおいて、ダラは自身の幼少期の経験が大きく役立っていると語る。9歳の時に家族と共にイランを離れ、財産を失った父親がその後、精神的な輝きを失っていく様子を目の当たりにした。この経験は、彼に「仕事や富に心を壊されてはならない」という強固な精神性と、「移民としての負けん気」を与えた。彼は、どんなに混沌とした状況でも「問題をリストアップし、それぞれに解決策を講じる」という冷静な姿勢を崩さず、結果的にUberを安定した軌道に乗せることに成功した。

14:13AIと物理世界の融合:Uberの「供給主導型」戦略と自動運転への賭け

ダラは、Uberの本質を「供給主導型(supply-led company)」のビジネスであると定義する。Expedia時代は需要(顧客)を集めることに注力していたが、Uberではまずドライバーやレストランといった供給を確保することが最優先事項となる。供給が充実すれば、需要は自然と後からついてくるというのが彼の信念だ。この考え方は、自動運転車(AV)の戦略においても一貫している。Uberは自らAVを開発するのではなく、Waymo、Nuro、Lucid、Nvidiaなど30以上のパートナーと提携し、彼らが開発した「デジタルドライバー」を市場に投入するための「Go-to-Marketソリューション」を提供する立場を取る。

UberがAVパートナーに提供する価値は多岐にわたる。車両の駐車・充電のためのデポの確保、Santanderとの10億ドルの融資枠を通じた車両ファイナンス、自動運転向け保険の開発、そして何より、Uberプラットフォーム上の「インスタントな需要」である。実際、Uberのネットワークに接続されたAVは、そうでない場合と比較して1日あたりのトリップ数が30%以上高いというデータがある。これは、AVの収益性(ROI)を大きく左右する要素であり、Uberが「需要の集約者」として持つ圧倒的な優位性を示している。

ダラは、AV業界の将来について、基盤モデル(foundation model)の市場と同様に、単一の勝者ではなく、複数のプレイヤーが共存する世界を予想する。Uberは、それらすべてのプレイヤーにとって不可欠な「需要と運用のプラットフォーム」となることを目指している。彼は、AVの普及が進むにつれて、交通コストが劇的に低下し、タクシー市場をはるかに超える新たな市場が創出されると確信している。また、ドローン配送についても、バッテリー密度やペイロードの課題はあるものの、5年から10年のスパンで日常生活に浸透していくとの見方を示した。

37:35グローバル展開と「スーパーアプリ」への道:Uber Eatsとホテル予約

Uber Eatsの国際展開において、Uberは米国よりもむしろ海外市場で成功を収めている。その成功要因としてダラは、まず「選択肢(selection)」と「信頼性(reliability)」の基本を徹底することに加え、Uberの持つ「クロスプラットフォーム」の力を挙げる。モビリティ(配車)アプリのユーザーに対して、Uber Eatsのサービスを効果的にアップセルすることで、新規顧客獲得コストを抑えながら、既存顧客のライフタイムバリューを高めている。現在、Uber Eatsの予約の約13%は、モビリティアプリからの流入によって生まれている。

このクロスプラットフォーム戦略をさらに強力にしているのが、会員プログラム「Uber One」である。現在5,000万人の会員を抱え、前年比50%の成長を続けるこのプログラムは、Netflixのような固定費ベースのビジネスとは異なり、利用が増えるほどコストがかかるという課題を抱えていた。しかしダラは、Amazon Primeが初期に経験した「絶望の谷」を乗り越えた事例から学び、会員獲得当初は損失を出しても、長期的な顧客生涯価値(LTV)の向上に賭ける戦略を採用した。その結果、Uber Oneは現在、安定した収益源へと成長している。

そして、この「スーパーアプリ」構想の最新のピースが、ホテル予約サービスである。Uberは、年間15億回のトリップがユーザーの居住都市外で発生しているというデータに着目した。特に、全トリップの15%が空港関連であることから、旅行者向けのサービスを拡充するのは自然な流れだった。ダラは、Expediaとの提携によりホテル在庫を確保し、Uber One会員には10%から20%の割引を提供する。しかし、彼の真の狙いは予約そのものではなく、旅行体験全体をUberのエコシステムで包み込むことにある。例えば、フライト情報を基に空港までのUberを自動予約し、ホテル到着時にはフロントをスキップしてアプリをルームキーとして使えるようにするなど、リアルな移動体験とデジタルサービスを融合させる未来像を描いている。

50:46マーケティングとリーダーシップ:真実への執着と「トラブルメーカー」の価値

マーケティング戦略について、ダラは自身の考えを大きく変えたと認める。かつては「マーケティングの役割はアプリにユーザーを呼び込むことであり、その後はプロダクトチームが適切なサービスを適切なタイミングで表示する」と考えていた。しかし、マーケティングチームから「それは間違いだ」と指摘され、考えを改めた。現在では、Uber Teens(10代の子供の送迎)や、コーヒーのデリバリーといった具体的なユースケースを「ストーリー」として伝えることの重要性を認識している。これらのストーリーは、Uberが単なる移動手段ではなく、人々の時間を創出する「ローカルサービスのプラットフォーム」であることを伝える役割を果たす。

ダラのリーダーシップスタイルの根幹には、長年の mentor であるBarry Dillerから学んだ「真実への執着」がある。Dillerは、意思決定の際にフィルターを通した情報ではなく、常に「生の情報源(source material)」から直接真実を得ることを重視した。ダラは、大企業ほど経営層に届く情報は薄く、加工されがちだと指摘する。この問題を克服するために、彼は自ら「ランダムな相互作用」を社内に作り出し、構造化された会議の枠を超えて、現場の「トラブルメーカー」たちと積極的に関わるようにしている。

ダラは、企業を「突然変異によって進化する有機体」に例え、トラブルメーカーを「突然変異」として捉える。彼らは時に既存の文化やプロセスに挑戦する存在だが、企業が変化に適応するためには不可欠な存在だ。特に、AIの進化によって企業内の変化のスピードが5倍に加速している現在、このような「突然変異」を受け入れ、変化を楽しめる企業だけが生き残れると彼は主張する。この姿勢は、Allen & CompanyのHerbert Allenから学んだ「人に賭ける」という哲学にも通じており、ダラ自身もまた、ビジネス上の決断においては、戦略や数字以上に「人」を最も重要な判断基準としてきた。

1:00:09資本配分の妙:成長投資と自社株買いの両立

Uberは現在、年間100億ドルを超えるフリーキャッシュフローを生み出す企業へと成長した。この潤沢な資金をどのように配分するかは、CEOとしての極めて重要な判断である。ダラは、この問いに対して「アマゾンになるのか、アップルになるのか」というフレームワークを用いる。アマゾンは成長に全てを再投資する一方、アップルは巨額の自社株買いを実行することで知られる。ダラの答えは「その中間」であり、優先順位は明確に「有機的成長への投資」にあると語る。

具体的には、第一優先は自社のサービスへの有機的投資である。Uber Eatsは彼の就任時には10億ドルにも満たなかったグロスブッキングが、現在では1,000億ドルを超えるまでに成長した。この成長は、継続的な投資の賜物である。第二に、自動運転(AV)という新たな現実への投資を挙げる。これは、パートナー企業への出資だけでなく、サンタンデール銀行との提携による車両ファイナンスなど、市場そのものを創り出すための資本コミットメントを含む。そして、これらの投資を実行した上で、なお余剰となるキャッシュを自社株買いに充てるというのが、彼の基本的なスタンスである。

ダラは、この資本配分の判断を「科学というより芸術」と表現する。重要なのは、コアとなるユーザー指標を改善し、長期的な視点でコストの成長率を収益の成長率よりも低く抑えることだ。彼は投資銀行出身者として「複利の力」を深く理解しており、短期的な株価変動よりも、持続可能な成長を通じて長期的な株主価値を最大化することを重視している。この姿勢は、成長機会が豊富な現在の環境において、Uberが「アマゾン」的な成長志向と「アップル」的な資本効率のバランスをどのように取るかを示している。

1:04:17学び続けるリーダー:Barry Diller、Reed Hastings、そして妻から得た教訓

ダラは、自身のリーダーシップに影響を与えた人物として、Barry Dillerに加えて、Netflixの共同創業者であるReed Hastingsを挙げる。Hastingsの思考は極めて論理的で構造化されている一方で、時にはギャンブラーのように大胆な賭けに出る。この「構造化された思考」と「型にはまらない発想」の両立こそが、彼の尊敬する点だと語る。Hastingsは、Netflixを単なるレンタル会社からストリーミング巨人へと変貌させたが、その革新は常に「非常に構造化された意図的な方法」で行われたという。

ダラ自身のリーダーシップスタイルについて、彼は「自信はあるが、傲慢ではない」と自己分析する。その秘訣は、学び続けることへの貪欲さにある。彼は、成功すればするほど人は「話すこと」に傾き、「聞くこと」を怠る傾向があると指摘する。Barry Dillerは、議論の末に自分が間違っていたと気づくと、それを心から喜んだという。ダラは、学びにはしばしば「痛み」が伴うと述べ、間違いを犯さないことよりも、間違いから学び、予期せぬ出来事に適応することにこそ価値を見出している。

最後に、ダラは「これまで受けた最も親切なこと」として、妻であるSidとの出会いを挙げる。彼は、移民としての負けん気から、常に「あるべき自分」を演じて生きてきた。しかし、妻は富豪や有名人が集まる場でも、家庭でも、全く同じ「核となる人物」であり続けた。彼女のその姿勢に触れることで、ダラは初めて「他人が望む自分」ではなく、「自分がなりたい自分」でいることを許されたという。この個人的なエピソードは、彼のリーダーシップの根底にある「真実への執着」や「本物であること」の重要性を象徴している。

結びに

本エピソードは、単なるCEOインタビューを超えて、巨大プラットフォーム企業が次なる成長の波(AIと自動運転)にどう立ち向かうかという、現代ビジネスにおける最もエキサイティングな問いを体現している。ダラ・コスロウシャヒのリーダーシップは、混沌を構成要素に分解するエンジニアリング的思考と、Barry Dillerから学んだ「真実への執着」、そして移民としての経験に根ざした「負けん気」と「精神的な強靭さ」によって形作られている。彼が描くUberの未来は、単なる配車アプリから、移動、食事、配送、宿泊までも包含する「生活のためのオペレーティングシステム」への進化である。その過程で、Uberは自らAVを開発するのではなく、業界全体の「需要の集約者」として不可欠な存在となることを目指す。この戦略が成功するか否かは、技術の進化だけでなく、規制や社会の受容性といった外部環境にも左右されるが、ダラの冷静かつ楽観的なビジョンは、同社の未来に強い説得力を持たせている。

要点

  • ダラ・コスロウシャヒは、Daniel Ekの「人生は幸福ではなく、インパクトだ」という言葉に背中を押され、混乱の極みにあったUberのCEO就任を決意した。
  • Uberは「需要主導型」ではなく「供給主導型」の企業であり、ドライバーやレストランといった供給を圧倒的に集約することが成長の鍵である。
  • 自動運転車(AV)戦略では、自社開発ではなく、Waymoなど30以上のパートナーと連携し、需要と運用インフラを提供する「プラットフォーム」としての役割を目指す。
  • Uberのネットワークに接続されたAVは、そうでない場合と比較して1日あたりのトリップ数が30%以上高く、Uberの需要集約力がAVの収益性を大きく向上させる。
  • 会員プログラム「Uber One」は、Amazon Primeと同様に、獲得当初は損失を出しながらも、長期的な顧客生涯価値(LTV)の向上を目指す戦略で、現在5,000万人の会員を抱える。
  • ホテル予約サービスは、Uberを「スーパーアプリ」へと進化させる試みであり、単なる予約に留まらず、空港送迎からホテルチェックインまでをシームレスに繋ぐ体験を目指す。
  • ダラは、Barry Dillerから「フィルターを通さない生の情報(ground truth)」を得ることの重要性を学び、社内では「トラブルメーカー」とのランダムな相互作用を積極的に作り出している。
  • 資本配分においては、有機的成長とAVへの投資を最優先し、その上で余剰資金を自社株買いに充てるというバランスの取れたアプローチを取っている。
ダラ・コスロウシャヒ - UberのAV、AI、スーパーアプリ構築への賭け - [Invest Like the Best, EP.476] | Invest Like the Best with Patrick O'Shaughnessy | motpod | motpod