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Acquired · 2026年5月15日

特別編:Altos Ventures の Ho Nam — ベンチャーキャピタルへの異なるアプローチ

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この記事でわかること
  • 特別エピソード:Altos VenturesのHo Nam — ベンチャーキャピタルへの異なるアプローチ バークシャー・ハサウェイの投資哲学をアーリーステージのベンチャー...
  • [0:00] AltosとRobloxの物語——86.5百万ドルのファンドから4億ドル以上の投資へ Ho Namは、AltosがRobloxと出会った2007年秋のエピソ...
  • 当初の投資は2008年2月にクローズしたシリーズCで、Altosは150万ドルを投資した。当時のRobloxの月間売上は約5万ドル、年換算で60万ドル程度だった。しかし、...
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Acquired / Ben Gilbert and David Rosenthal

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特別エピソード:Altos VenturesのHo Nam — ベンチャーキャピタルへの異なるアプローチ

バークシャー・ハサウェイの投資哲学をアーリーステージのベンチャーキャピタルに適用したらどうなるか——それがAltos Venturesのアプローチだ。AcquiredのホストであるBen GilbertとDavid Rosenthalが、Altosの共同経営者Ho Namを迎え、同社がどのようにしてRoblox、Coupang、Woowa Brothers、Krafton(PUBGの開発元)といった企業に巨額の投資を行い、最大の株主となり得たのか、その全貌を明かす。このエピソードは、伝統的なVCの常識を覆すAltosのユニークな戦略と、それを可能にしたファンド構造、そして何よりも「ヘッジホッグ」と呼ばれる創業者たちとの長期にわたる関係構築の重要性を深く掘り下げている。

0:00AltosとRobloxの物語——86.5百万ドルのファンドから4億ドル以上の投資へ

Ho Namは、AltosがRobloxと出会った2007年秋のエピソードから語り始める。取引はWilson SonsiniのパートナーMark Weinstratからの紹介だった。彼は「彼らは本当にスクラップで、資本効率が良い。Altosにぴったりの起業家だ」と評した。実際、Robloxの創業者Dave BaszuckiはVCが好きではなく、Altosがタームシートを提示しても、創業者の父親と兄弟の「面接」に合格するまで資金を受け取らなかったという。

当初の投資は2008年2月にクローズしたシリーズCで、Altosは150万ドルを投資した。当時のRobloxの月間売上は約5万ドル、年換算で60万ドル程度だった。しかし、週7%の成長率を52週間連続で記録していたエンゲージメント時間のグラフが、Hoを「これは馬鹿げたアイデアだ」から「これは本当に面白い」へと変えた。さらに、YouTubeで200以上のRoblox関連動画を発見し、子供たちが自らの作品を誇らしげに共有するコミュニティの熱狂を目の当たりにした。

Altosの投資メモには、Dave Baszuckiを「ヘッジホッグ」と評した一文があった。これはJim Collinsの『Good to Great』に着想を得た概念で、一つの大きな使命に人生を捧げる起業家を指す。Hoは「キツネ」と呼ばれる多才な連続起業家とは対照的に、ヘッジホッグはVCとのネットワーキングが苦手で、資金調達も下手だが、一度正しい使命を見つけると驚異的な成果を上げると説明する。Sam WaltonやWarren Buffettがその典型だ。

8:23なぜAltosは追加投資を続けられたのか——セカンダリーとRIA登録の戦略

AltosがRobloxに最終的に4億ドル以上を投じた背景には、従来のVCでは考えられない戦略があった。Hoは「私たちは決して資金を使い果たさず、時間も使い果たさない」と語る。その鍵となったのが、セカンダリー(既存株主からの株式購入)とRIA(Registered Investment Advisor)登録だ。

AltosはRobloxに対し、6回にわたってセカンダリーで株式を購入した。価格は上昇し続けたが、5倍の売上高倍率を目安に評価を行った。転機は、会社の売却提案が来た時だった。提示された価格が低すぎたため、「この価格なら売るべきではなく、買うべきだ」と判断した。

しかし、真の転機はWoowa Brothers(韓国のフードテック企業)での経験から生まれた。同社の創業者は韓国のトップ大学出身ではなく、デザイン学校を出た非コンセンサスな人物だった。売上高が1,000万ドルに達した時、創業者は「自分は1億ドルに成長させる適任者ではない」と辞任を申し出たが、Altosは彼を引き留め、成長へのアクセルを踏むよう促した。結果的に同社は10億ドル規模に成長し、創業者は韓国初のGiving Pledge署名者となった。

Woowa Brothersでの成功を受け、AltosはRIA登録を決断。これにより、従来のVCでは制限されるセカンダリー取引(ファンドの25%以上)が可能になり、大規模なSPV(特別目的車両)を組成できるようになった。最初のSPVは3,000万ドルで、全額がセカンダリーだった。この仕組みが、後のRobloxでの120百万ドル、125百万ドル、そしてIPO前の45ドル/株での追加投資を可能にした。

48:37投資家としての確信——「傑作を描く」ことと「塗り絵」の違い

Hoは、Altosが投資先を見極める際の哲学を「傑作を描く(painting a masterpiece)」と「塗り絵(painting by numbers)」の比喩で説明する。塗り絵は再現可能で予測可能だが、傑作は毎回異なり、完成することがない。Warren Buffettがバークシャーを「私の絵」と呼び、買収した企業を「私の美術館に飾る」と言ったように、Altosも投資先を「傑作」として扱う。

この哲学の根底にあるのは、Jack McDonaldがスタンフォード経営大学院で50年にわたって教えた投資クラスの影響だ。Hoは「バリューとグロースは同じコインの両面だ」というBuffettの言葉を引用し、「グロースはバリューの構成要素の一つに過ぎない」と述べる。重要なのは、企業の本質的な価値を理解することであり、単なる成長率や評価額の大小ではない。

Altosは、企業が売上高1,000万〜2,000万ドルに達した時点で「本気で注目し始める」という。この段階で、ビジネスの仕組み、市場のダイナミクス、経営チームの質を深く理解しようとする。特に重要なのは、100人規模に成長する段階での文化と人材の質だ。「小さな会社はみんな素晴らしい文化を持っている。しかし、それが成長しても素晴らしいままであるとは限らない」とHoは警告する。

1:05:10バリュー投資とグロース投資の融合——Altosの投資判断基準

Hoは、Altosの投資判断を支える3つの基準を明かす。第一に「ビジネスがお金を生むか」という極めて基本的な問い。キャッシュフローがプラスでなくとも、ブレークイーブンへの明確な道筋があることが重要だ。第二に「堀(moat)」の存在。ネットワーク効果や特許、ノウハウなど、競合が容易に模倣できない保護可能な優位性が必要だ。

しかし、最も重要な第三の基準は「関係性」だ。Hoは「私たちは自分たちのポートフォリオ企業以外には投資しない」と明言する。これは、外部の投資家と同じように企業を評価するのではなく、長年の関係を通じて得た深い理解に基づいて判断するという意味だ。「私たちのサークル・オブ・コンピテンスは非常に狭い。それは自分たちの企業だけだ」とHoは言う。

このアプローチの背景には、「ベンチャー投資は世界最高の発見メカニズムだ」という認識がある。初期段階の投資は、優れたビジネスと人材を「発見」するための手段であり、発見した後は10年から20年かけて価値を育てる。Robloxの例で言えば、IPO時の評価額が680億ドルに達した時点で、その価値の90%以上は後半の成長から生まれていた。

1:13:55「逃した」という概念は幻想——BuffettのGEICO物語に学ぶ

Hoは「『逃した』という概念はすべて頭の中だけのものだ。いつでも投資できる」と主張する。その典型例がWarren BuffettとGEICOの70年にわたる関係だ。BuffettはGEICOの株式を買い、売り、また買い、一部を取得し、最終的に全部を買収した。重要なのは、一度投資した企業を継続的に追跡し、理解を深め続けることだ。

Altosはこの教訓を実践するため、パートナー全員が自身の401kを個別に管理し、公開市場での投資を「練習」している。Hoは「20年以上練習してきて、自分が公開市場の投資家としても通用すると確信した」と語る。この練習が、Altosが大規模な公開株式を保有する際の自信につながっている。

特に印象的なのは、2008年の金融危機時のSelect Comfort(現Sleep Number)の事例だ。多くの投資家が「不況時に3,000〜4,000ドルのマットレスを買う人はいない」と悲観したが、実際には同社は危機の最中でも6.5億ドルの売上を達成した。「世界は悪いことが起きても終わらない。ごく一部の企業しかゼロにはならない」とHoは指摘する。

1:42:42Twitter戦略——会話プラットフォームとしての活用

Hoは最近、Twitterでの活動を劇的に増やしている。過去3ヶ月で3,000回以上のツイートを行い、フォロワー数を7倍に増やした。しかし、これは戦略的なPR活動ではない。Hoは「TwitterをPRの放送プラットフォームとしてではなく、会話のプラットフォームとして使っている」と説明する。

きっかけは、Altosのポートフォリオ企業のIPOに際して、市場のセンチメントを把握するためにTwitterを再開したことだった。そこで出会った個人投資家たちの分析の質の高さに驚き、彼らとの対話を始めた。Hoは「機関投資家はファンド管理ビジネスを守るという制度的な制約があるが、個人投資家は純粋にリターンのためだけに投資している」と評価する。

特に印象的だったのは、Arthur Rockに関するツイートスレッドが70万以上のインプレッションを獲得したことだ。Hoは「自分自身と会話しているようなものだ」と笑いながら、このストリーム・オブ・コンシャスネス(意識の流れ)スタイルのツイートが自然とフォロワーを増やしたと語る。

1:49:02Altosの原点とLarry Morseへの感謝

エピソードの締めくくりとして、HoはAltosの最大の支援者であるLarry Morseに感謝の意を表する。Morseは2003年にAltosのファンドへのコミットメントを約束し、実際にファンドがクローズする2005年まで2年間待ち続けた。これはドットコムバブルの崩壊後、Altosが実績を全く持っていなかった時期のことだ。

Hoは「人々が投資を決める理由は、純粋に合理的なものではない。データを見て、人それぞれが自分の理由で決断する」と語る。実績がない時に支援してくれる人もいれば、素晴らしい実績があっても投資しない人もいる。重要なのは「自分たちを信じてくれる人々を見つけること」だ。そして、Warren Buffettでさえ55年の実績があっても疑う者がいるように、批判や疑念に惑わされないことの重要性を強調した。

まとめ

このエピソードの核心は、ベンチャーキャピタルという業界において「長期主義」と「関係性の重視」がどれほどの力を発揮するかという実証にある。Altos Venturesは、伝統的なVCが追い求める「次のラウンドでのマークアップ」や「DPI(分配済み資本/払込資本)」といった短期的な指標に惑わされることなく、真に優れた企業と創業者を見極め、10年、20年にわたって伴走し続けることで、驚異的なリターンを生み出してきた。Ho Namの語る「ヘッジホッグ」の哲学、RIA登録という戦略的な選択、そして「逃した」という概念を否定する投資姿勢は、ベンチャーキャピタルという業界の常識に挑戦するものであり、投資家だけでなく起業家にとっても多くの示唆に富んでいる。

要点

  • Altos VenturesはRobloxに当初150万ドルを投資し、その後セカンダリー購入とSPVを通じて総額4億ドル以上を投じ、IPO時点で最大の株主となった。この戦略は86.5百万ドルのファンドから実現された。
  • Altosの投資哲学は「ヘッジホッグ」(一つの使命に人生を捧げる起業家)への投資にあり、多才だが使命を見つけていない「キツネ」型の連続起業家とは区別される。
  • RIA(Registered Investment Advisor)登録により、従来のVCでは制限されるセカンダリー取引が可能になり、大規模な追加投資を実現した。この決断のきっかけはWoowa Brothersでの経験だった。
  • Altosは「バリューとグロースは同じコインの両面」というBuffettの考え方を採用し、企業の本質的価値を理解するために長期にわたる関係構築を重視する。
  • 投資判断の3基準は「キャッシュを生むか」「堀(moat)があるか」「深い関係性があるか」。特に3つ目が最も重要で、Altosは自社のポートフォリオ企業以外には投資しない。
  • 「逃した」という概念は幻想であり、BuffettのGEICO投資(70年にわたる売買)に示されるように、優れた企業を理解し続ければ、いつでも投資の機会は訪れる。
  • Altosのパートナーは全員が自身の401kを個別管理し、公開市場での投資を「練習」することで、大規模な公開株式の運用にも自信を持っている。
  • Ho NamのTwitter活用は「会話プラットフォーム」としてのものであり、個人投資家との対話を通じて、機関投資家にはない純粋なリターン追求の視点から学んでいる。