
【機械オンチ向け】ネット回線を速くする方法
- 家のネット回線を爆速にする方法:機械オンチでもできる壁内配線活用術 堀元見と水野太貴がお届けする「ゆるコンピュータ科学ラジオ」の今回のエピソードは、家のネット回線が遅いと...
- [4:43] ルーターのトラップ:業者が置いた場所が最適とは限らない 堀元は先日、ニューロヒカリが引き込み済みのマンションに引っ越した。業者が宅内工事をしてルーターを設置...
- この配置には大きな問題がある。玄関横の靴箱からリビングを越え、さらに奥の仕事部屋まで距離があるため、無線Wi-Fiの電波が届きにくいのだ。堀元によれば、この状態でもNet...
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
ゆるコンピュータ科学ラジオ / ゆるコンピュータ科学ラジオ
家のネット回線を爆速にする方法:機械オンチでもできる壁内配線活用術
堀元見と水野太貴がお届けする「ゆるコンピュータ科学ラジオ」の今回のエピソードは、家のネット回線が遅いと諦めて暮らしている「機械オンチ」の人々に向けて、たった1本のLANケーブルを挿すだけで回線が爆速になる方法を伝授する内容だ。堀元が自らの引っ越し体験を実例に、業者が設置したルーターをそのまま使う「トラップ」に引っかからず、マンションに元々備わっている壁内配線を活用するノウハウを、水野の情弱エピソードを交えながら丁寧に解説していく。このエピソードの核心は「与えられた環境で咲くな」というメッセージに集約される。
ルーターのトラップ:業者が置いた場所が最適とは限らない
堀元は先日、ニューロヒカリが引き込み済みのマンションに引っ越した。業者が宅内工事をしてルーターを設置し、「これで使えるようになりました」と言って帰っていった。しかし、そのルーターが置かれていた場所はなんと靴箱の中だった。光コンセントが靴箱の中にあったため、業者はそこにルーターを設置したのだ。
この配置には大きな問題がある。玄関横の靴箱からリビングを越え、さらに奥の仕事部屋まで距離があるため、無線Wi-Fiの電波が届きにくいのだ。堀元によれば、この状態でもNetflixを見る程度なら気にならないレベルではあるが、大きな動画のダウンロードやZoomでのビデオ通話にはストレスが生じる。機械オンチの人は「まあ使えているからいいか」と諦めてしまいがちだが、堀元は「そんな我慢する必要はない」と強調する。
ここで重要なのは、問題の本質を正しく理解することだ。堀元は「ルーターが遠い」のではなく、「アクセスポイントが遠い」のが問題だと指摘する。ルーターとWi-Fiアクセスポイントは本来別の機能であり、現代の家庭用機器では一体型が主流だが、概念としては区別すべきだ。ルーターは家の中と外の世界を繋ぐ「通信の玄関口」であり、アクセスポイントはスマホやパソコンと無線通信するための装置である。ルーターは本来の業務に加えて、Wi-Fiアクセスポイントの役割も副業でやらされている、と堀元は例える。
壁内配線:マンションに眠る爆速回線の秘密
堀元が提示する解決策のキーワードは「壁内配線」だ。多くのマンション、特に比較的新しい物件では、壁の中にネット回線が張り巡らされている。各部屋のコンセントにはLANケーブルの差し口が付いており、中には「インターネット」と書かれているものもある。水野はこの差し口について「廊下をちょっぴりエロくする間接照明以外に使う要素がない」と冗談を飛ばすが、堀元はこの口こそが壁内配線を活用する鍵だと説明する。
しかし、ここにもトラップがある。業者が帰った直後の状態で、この壁のインターネット口にLANケーブルを挿しても、ネットには繋がらないのだ。なぜなら、ルーターが各室の配線を束ねる「スイッチングハブ」(白い箱)に接続されていないからだ。堀元は自身の新居の靴箱の中の写真を見せながら、配線の見方を解説する。
まず、ルーター(黒い箱)に注目する。ルーターには光回線のケーブル(「光」と書かれた白い端子に接続)と電源ケーブルが繋がっているが、それ以外には何も刺さっていない。つまり、ルーターは外の世界とは繋がっているが、家の中の各室の配線とは全く接続されていないのだ。一方、右上にある白い箱(スイッチングハブ)には「用室1」「用室2」「LD1」「LD2」などと書かれたケーブルが刺さっており、各部屋のLAN口に繋がっている。しかし、この白い箱はルーターに接続されていないため、まったく機能していない。堀元は「こいつは無職だ」と笑う。
解決策は極めてシンプルだ。ルーターとこの白い箱を、自分で用意した1本のLANケーブルで繋ぐだけ。たったこれだけで、家中のインターネット口が使えるようになり、爆速の有線回線が各部屋で利用可能になる。堀元が実際にこの作業を行った結果、無線では100Mbpsだった速度が、有線に変えると800Mbpsにまで向上したという。実に8倍の差だ。
不親切な初期設定の理由:誰も責任を取らない中間領域
なぜ家の初期状態はこんなにも不親切なのか。堀元はその理由を「政治的な問題」と説明する。マンションの建築業者(大谷さん)は、ケーブル1本繋ぐだけで家中の回線が使える状態にしておくことしかできない。なぜなら、ネット回線は各住人が個別に契約するものだからだ。一方、ネットの業者は、契約した住人の家にルーターを設置して「最低限使えるようにする」ところまでが仕事で、家中の有線配線を整えるのは住人自身に任されている。
つまり、この「ケーブル1本」の領域は、建築業者とネット業者のちょうど中間にあり、誰も責任を持って教えてくれないのだ。堀元は「たった1個知らないだけで損することが多い」と語り、水野も「社会に出る前に知りたかった」と深く頷く。
さらに、業者の説明が機械オンチには理解しづらいという問題もある。堀元が「これはスイッチングハブですよね」と確認したところ、業者は「ああ、そうすね」とだけ言って帰ってしまったという。水野のような機械オンチが「このコンセントのLAN口は使えないんですか」と質問しても、業者の説明が理解できずに諦めてしまうケースが多い。堀元は「最近の機器はループ検知機能が付いていて、抜いたり刺したりしても壊れにくいから、勇気を持って実験してほしい」と励ます。
LANケーブルの選び方:カテゴリー5は社会の敵
堀元は、壁内配線を活用するために必要なLANケーブルの選び方についても詳しく解説する。LANケーブルには「カテゴリー」と呼ばれる規格があり、カテゴリー5、5e、6、6A、7などがある。見た目は同じでも、出せる速度が全く異なるのだ。
特に危険なのがカテゴリー5のケーブルだ。これは100Mbpsまでしか出せない。現代のネット回線は1Gbpsが基本なので、カテゴリー5のケーブルが1本挟まっているだけで、速度が10分の1に落ちてしまう。堀元は「家にカテゴリー5のケーブルがあったら全部すぐ捨ててください。社会の敵です」と断言する。さらに、家族が誤って使ってしまう可能性もあるため、見つけたら捨てておくのが善行だと付け加える。
確認方法は簡単で、ケーブル自体に「CAT5」や「CAT6」と書いてある。カテゴリー5eは1Gbpsまで対応しているため「必ず捨てろ」とは言い難いが、新しく買うならカテゴリー6以上を推奨する。なぜなら、ケーブルの値段差は300円から500円程度とわずかであり、オーバースペックでも問題ないからだ。パソコンと違い、ケーブルはオーバースペックを買っても数千円の損で済むが、ボトルネックになるケーブルを使い続ける方が大きな損失になる。
有線と無線の使い分け:メッシュWi-Fiとの共存戦略
堀元は、有線LANの重要性を強調した上で、無線技術との賢い使い分けについても語る。最近は「メッシュWi-Fi」が流行っているが、これは家中に複数の機器を置いて連携させることで、どこでも高速なWi-Fiを実現する技術だ。水野も自宅でメッシュWi-Fiを使っているが、堀元は「まず有線を設計した後に無線を考える」という順番が重要だと指摘する。
具体的には、仕事用のパソコンなど速度が要求される機器は有線で繋ぎ、IoT機器(部屋の湿度を記録してサーバーに送るような、速度を必要としない機器)はメッシュWi-Fiに繋ぐのが理想的だ。両方同時に使えるため、堀元の自宅でもこの方式を採用している。多くの人が「まず無線、その後有線」という順番で考えがちだが、逆の順序で設計するべきだと強調する。
また、壁内配線がない古い家でも諦める必要はない。「激薄LANケーブル」という極薄のケーブルを使えば、壁に這わせてドアの隙間を通すなど、邪魔にならない配線が可能だ。堀元は「工夫の余地でどうとでもなる」と語る。
置かれた場所で咲かないで:機械オンチへの最終メッセージ
エピソードの締めくくりとして、堀元は「置かれた場所で咲かないでください」という強いメッセージを送る。業者が与えた環境をそのまま使い続けるのは損であり、改善できそうなら積極的に手を加えるべきだ。機械オンチは「置かれた場所で咲こう」としてしまいがちだが、人間は歩いていけるのだから、好きな場所に移動すればいい。
また、自宅のネット環境がわからない場合の最終手段として、AIに写真を送って質問する方法を提案する。堀元自身も今回の配線の写真をChatGPTに読ませたところ、「右のやつがネット回線で、スイッチングハブにLANケーブルを繋げばいい」と正確なアドバイスを得られたという。機械オンチでも、AIを活用すれば自力で問題を解決できる時代になったと締めくくる。
まとめ
このエピソードが最も印象的に残すのは、「家のネット回線が遅い」という日常的な悩みが、たった1本のケーブルを挿すだけで劇的に改善するという事実と、その方法が驚くほどシンプルだという発見である。堀元の実体験に基づく具体的な解説と、水野の「情弱エピソード」が織りなすユーモアが、技術に詳しくないリスナーにも親しみやすく、かつ実践的な知識を提供している。ネットワークの専門知識がなくても、壁内配線の存在を知り、勇気を持ってケーブル1本を繋ぐだけで、生活の質が大きく変わることを教えてくれる貴重な回だ。
要点
- マンションの多くには壁内配線が備わっており、各部屋のLAN口を活用すれば有線接続が可能だが、業者が設置したルーターとスイッチングハブが繋がれていないため、自分で1本のLANケーブルを追加する必要がある
- ルーターとWi-Fiアクセスポイントは本来別の機能であり、現代の一体型機器ではルーターが副業としてアクセスポイントを兼務していることを理解すべき
- 無線(100Mbps)から有線(800Mbps)への切り替えで実に8倍の速度向上が確認でき、有線接続の安定性と速度は無線を大きく上回る
- LANケーブルはカテゴリー5(100Mbpsまで)が最も危険で、見つけたら即座に廃棄すべき。新しく買うならカテゴリー6以上を推奨(価格差は数百円程度)
- ネット環境の改善は「まず有線を設計し、その後無線(メッシュWi-Fiなど)を補完的に使う」という順序が正解
- 壁内配線がない古い家でも、激薄LANケーブルを使えばドアの隙間などを通して邪魔にならない配線が可能
- 自宅の配線がわからない場合は、写真を撮ってAI(ChatGPTなど)に質問すれば正確なアドバイスが得られる
- ネット業者が設置したルーターの場所(靴箱の中など)が最適とは限らず、与えられた環境をそのまま受け入れずに改善を試みる姿勢が重要