
#2489 - Ryan Bingham
- 概要 ライアン・ビンガムは、カウボーイ、ブルライダー、ミュージシャン、そして俳優として、極めて有機的なキャリアを築いてきた。ジョー・ローガンとのこのエピソードでは、10歳...
- [0:01] オースティンのコミュニティとテキサスへの愛着 会話は、マシュー・マコノヒーが主催するイベントでのビンガムのパフォーマンスについてのローガンの称賛から始まる。...
- [12:34] モンタナの大自然とガイドスクール体験 ビンガムは『イエローストーン』での役柄について、撮影の合間にフライフィッシングを楽しみ、モンタナの大自然に没頭できた...
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
The Joe Rogan Experience / Joe Rogan
概要
ライアン・ビンガムは、カウボーイ、ブルライダー、ミュージシャン、そして俳優として、極めて有機的なキャリアを築いてきた。ジョー・ローガンとのこのエピソードでは、10歳から始めたブルライディング、テキサスの牧場での過酷な労働、ギターを手にした偶然のきっかけ、そして『イエローストーン』への出演に至るまで、彼の人生がまるで映画のような自然な流れで紡がれていく。会話は終始リラックスした雰囲気で、西部の荒野や野生動物、規制の増大するカリフォルニアへの不満、そして本物の生き方とは何かというテーマが、二人の間で深く掘り下げられた。
オースティンのコミュニティとテキサスへの愛着
会話は、マシュー・マコノヒーが主催するイベントでのビンガムのパフォーマンスについてのローガンの称賛から始まる。ビンガムは、オースティンとヒルカントリー地域のコミュニティが自身のキャリアに与えた影響を強調した。「この地域のコミュニティがなければ、今のキャリアはなかったと思う」と彼は語り、ソングライターや音楽を支える人々の結束の強さを称賛した。ローガンもこれに同調し、カリフォルニアと比較してテキサスには「本物の人間」がいると述べ、自身もトパンガキャニオンからテキサスに戻る過程にあることを明かした。ビンガムは現在ダラス郊外のタイラーに住んでおり、カリフォルニアを離れるたびに「重荷が下りる」感覚があると語った。
モンタナの大自然とガイドスクール体験
ビンガムは『イエローストーン』での役柄について、撮影の合間にフライフィッシングを楽しみ、モンタナの大自然に没頭できたことが「最も簡単な仕事の一つ」だったと振り返る。しかし、彼のモンタナとの関わりはそれ以前に遡る。数年前、音楽に圧倒されていた時期に、彼は「Royal Tyne Outfitters」というガイドスクールに6週間参加した。このスクールでは、ラバの荷造り、荒野での応急処置、皮革加工、馬の蹄鉄、フライフィッシング、昆虫学など多岐にわたるスキルを学んだ。特に印象的だったのは、雪の中で火を起こす訓練だ。乾燥したニューメキシコ育ちのビンガムは小さな小枝を集めて苦戦したが、アラスカ出身のクラスメートは大きな枯れた松の枝を折って一瞬で巨大な火を起こした。「ああ、そうやるのか」と彼は学んだという。この経験は、文明から離れた場所での生活が人間の感覚を研ぎ澄ますという確信を与えた。
アラスカでの狩猟とフリトスの意外な使い道
ローガンはアラスカでの狩猟体験を語る。スティーブ・リネラらと共にプリンス・オブ・ウェールズ島で6日間過ごしたが、雨が続き、すべてが濡れていた。唯一の晴れ間を利用して火を起こそうとした際、彼らはフリトス(コーンチップス)を使った。「フリトスに火をつけると、油分がすごいんだ。ろうそくみたいに長く燃え続ける」とローガンは説明する。この経験から、彼は「そういうスキルを持っているだけでいい。実際に使うかどうかは別として」と語った。また、アラスカの人々のたくましさについても言及し、「外に出れば死ぬ可能性がある場所で生きている人々は、互いに助け合う。車が故障すれば誰かが止まって助ける。カリフォルニアでは誰も止まらない」と、コミュニティの違いを指摘した。
レミー・ウォーレンとの友情とハワイのアクシスジカ狩り
ビンガムは『イエローストーン』の撮影中、モンタナの辺鄙なキャビンに住み、隣人となったハンターのレミー・ウォーレンと親交を深めた。ウォーレンは「Solo Hunter」という自身で全てを撮影する番組を持っており、三脚を担いで山を駆け回るその体力は驚異的だ。ビンガムはウォーレンとハワイのラナイ島でアクシスジカ狩りをした経験を語る。アクシスジカは1800年代にインドからカメハメハ王への贈り物として持ち込まれ、現在ではラナイ島に約3万頭が生息する。ビンガムは「世界で最も美味しい肉」と絶賛するが、弓での狩猟は極めて難しい。彼は80ヤードから放った矢が時速275フィートで飛んだにもかかわらず、鹿が10ヤード手前で音を聞きつけて回避した映像を見せた。ローガンは、翌年に150人の弓猟師が挑戦したが成功したのはたった1人だったと付け加えた。
カリフォルニアの野生動物問題と規制の矛盾
話題はカリフォルニアの野生動物管理に移る。ローガンは、サンタカタリナ島で約2,000頭のミュールジカを根絶する計画について言及する。1930年代に狩猟用に導入されたこの鹿は、在来の生態系を破壊するとして、2026年初頭までに地上からのハンターによって完全に除去される予定だ。ローガンは「ただ人々に狩猟を許可すればいいのに」と批判する。さらに、カリフォルニアではマウンテンライオンの狩猟に犬を使うことが禁止された結果、個体数が増加し、彼らの餌の50%がペット(犬や猫)であることが調査で判明したと指摘する。ビンガムもトパンガの自宅に頻繁に現れる大型のマウンテンライオンについて語り、友人が昼間にゴミを出そうとした際、死んだウサギをくわえたライオンがフェンスを飛び越えてきたエピソードを紹介した。二人は、野生動物の管理と人間の安全のバランスを取ることの難しさ、そして「チーム・ピープル」の立場を明確にすべきだと主張する。
パリセーズ火災とカリフォルニアからの脱出
ビンガムは2025年のパリセーズ火災での避難経験を詳細に語る。彼はトパンガの自宅から煙を目視した瞬間、すぐに馬用トレーラーを準備し、妻と犬と共にバーバンクへ向かった。夜通しの運転中、風は「今まで見たことのないほど」吹き荒れ、電線が切れ、木々が倒れた。「まるで世界の終わりのようだった」と彼は振り返る。翌朝、喉の痛みで目覚めると、アルタデナ火災の黒煙が迫っていた。ムーアパークの友人を経由し、最終的にテキサスへと向かった。ローガンも2018年の火災で避難した経験を共有し、「いつ燃えるかではなく、いつ燃えるかだ」と、カリフォルニアの峡谷での生活の宿命を語る。二人は、貯水池が満水でなかったことに対する当局の「完全なる許容不能な無能さ」を批判し、火災後の土壌に残る有毒化学物質(電気自動車のバッテリー、古い家屋の鉛、電子機器など)の長期的な影響について懸念を示した。
カリフォルニアの過剰規制とテキサスの実用主義
ローガンはカリフォルニアの政治について痛烈に批判する。「政府が大きくなりすぎた。フレーバー付きジンを禁止し、ブラックジャックを禁止し、規制で息の根を止めている」と述べ、人口増加が1%未満であるのに対し政府支出は24%増加したと指摘する。ビンガムは、テキサスでは「フランクに電話すればブルドーザーを持ってきてくれる」という実用主義の文化があると対比する。彼は、カリフォルニアでは小さな工事でも許可や承認に何重もの手続きが必要だが、テキサスでは隣人が助けに来るという「長い伝統」があると語る。二人は、都市環境が人々に「食べ物はレストランから来る」という幻想を与え、自然との関係を歪めていると結論づける。
ブルライディングの世界:10歳から23歳までの軌跡
ビンガムは10歳から23歳までブルライディングに没頭した。最初は600ポンドの去勢牛(スティア)から始め、次第に1,500ポンドの本格的な雄牛へとステップアップした。彼の叔父はプロのブルライダーで、「どれだけ強いかじゃない。すべては心の問題だ。『できると思う』じゃなくて『できるし、やる』だ」と教えたという。ビンガムは、ウェザーフォードでの事故で唇が裂け、前歯4本を失ったエピソードを詳細に語る。雄牛が突然立ち止まったため拍車を当てたところ、猫のように垂直に跳ね上がり、頭をぶつけて気絶。その後、手がロープに絡まったまま引きずられ、蹴られ続けた。健康保険もなく、友人の車で救急病院を転々とし、ダラスでようやく口腔外科医に縫合された。「雄牛に乗るのは、人生で最も難しいことの一つだ。それを10歳からやっていれば、他のことは何でも簡単に思える」と彼は語る。
音楽への自然な移行と『イエローストーン』への道
ブルライディングから音楽への移行は、極めて自然なものだった。ビンガムは16歳のとき、父の家でドミノをしていた男性がギターで「ラ・マラゲーニャ」を弾くのを聞き、衝撃を受けた。その男性が彼にその曲の基礎を教え、その後は独学でコードを覚えていった。タールトン州立大学でブルライディングを続ける中、友人のバンドが演奏するバー「City Limits」に通い、自分でも曲を作り始めた。ロデオ会社の経営者マック・アルタイザーが彼にアフターパーティーで演奏する機会を与え、それがバーでのギグにつながった。「シャベルで穴を掘るより、ギターを弾いて100ドルのチップを稼ぐ方がずっといい」と気づいた彼は、音楽の道に本格的に進む。『イエローストーン』への出演は、プロデューサーのジョン・リンソンを通じてテイラー・シェリダンと知り合ったことがきっかけだった。シェリダンは「お前がうまくやれば生き残らせる。下手なら殺す」と言ったという。ビンガムは正式な演技訓練を受けたことがなく、共演者のコール・ハウザーやケリー・ライリーの演技力が自然な反応を引き出してくれたと感謝する。
現代の音楽シーンとオリバー・アンソニーの成功
ビンガムは、カントリーミュージックの復活と、若いアーティストたちの台頭に希望を語る。特にコールター・ウォールの「Kate McCannon」を例に挙げ、「21歳であの曲を作ったなんて信じられない。まるで一生タバコを吸ってきた58歳の男のようだ」と絶賛する。また、オリバー・アンソニーの「Rich Men North of Richmond」がYouTubeで2億3600万回以上再生された現象について、ローガンは自身がアンソニーに電話でアドバイスしたエピソードを明かす。「700万ドルの契約を持ちかけられたが、サインするなと言った。彼らは君から1400万ドルを搾り取ろうとしているだけだ。才能があれば、誰も必要ない」とローガンは語る。ビンガムは「良い曲は必ず人の心に届く。たとえすべてが消え去っても、歩道に座ってチップ缶を置けば、誰かが立ち止まって聴いてくれる」と、音楽の本質的な力を強調した。
まとめ
このエピソードの核心は、ライアン・ビンガムという一人の人間の「本物の人生」が、いかにして人々の心を掴むかという点にある。ブルライディングの過酷さ、牧場での労働、路上での音楽活動、そして大ヒットドラマへの出演——これらすべてが、計算ではなく自然な流れで紡がれている。ローガンとビンガムの会話は、文明から離れた自然の中での生活、過剰な規制への違和感、そして「本物」であることの価値について、深い共鳴を生み出している。特に印象的なのは、ビンガムが「ソングライティングはセラピーだ。部屋で一人、壁に向かって歌うことで、自分を救ってきた」と語る場面だ。このエピソードは、デジタル化とAIが進む現代において、人間らしい経験と情熱の重要性を改めて認識させてくれる。
要点
- ライアン・ビンガムは10歳から23歳までブルライディングに没頭し、その経験が後の音楽と演技のキャリアの基盤となった。
- モンタナのガイドスクールでの6週間は、彼の人生観を変える転機となり、文明から離れた自然の中での生活の価値を教えた。
- カリフォルニアの野生動物管理(マウンテンライオン、ミュールジカの根絶計画)に対する二人の批判は、規制と現実の乖離を浮き彫りにした。
- 2025年のパリセーズ火災では、貯水池の不備や有毒化学物質の土壌汚染など、行政の「許容不能な無能さ」が露呈した。
- ビンガムの『イエローストーン』出演は、テイラー・シェリダンとの偶然の出会いから生まれ、正式な演技訓練なしで自然な演技を評価された。
- オリバー・アンソニーの成功は、大手レコード会社の契約に頼らずとも、良い曲とインターネットだけで大衆の心を掴めることを証明した。
- ソングライティングはビンガムにとって「壁に向かって歌うセラピー」であり、商業的成功よりも自己表現のプロセス自体が重要である。