
「みんな俺の言うことを聞いてくれない」
- ハライチのターン!アフタートーク:誰も言うことを聞いてくれない このエピソードは、ハライチの岩井勇気と相方・井上裕介が、ライブ会場「烏山区民会館」の魅力から、深夜食堂への...
- [2:25] 烏山区民会館——聖地の魅力と運転手の悲哀 岩井と井上は、先日終了した「ハライチライブ60」を烏山区民会館で行ったことを振り返る。岩井は「全体として良かった」...
- しかし、ここで井上が衝撃の告白をする。毎回自分で車を運転して烏山に行っているというのだ。問題は、会場周辺の道が「本当に狭い」こと。商店街のような道をノロノロ運転し、歩行者...
英語Podcastの要点を、聴く前に日本語で把握したい人。
ハライチのターン! / TBS RADIO
ハライチのターン!アフタートーク:誰も言うことを聞いてくれない
このエピソードは、ハライチの岩井勇気と相方・井上裕介が、ライブ会場「烏山区民会館」の魅力から、深夜食堂への熱い愛、そして後輩芸人たちに全く言うことを聞いてもらえない悲哀までを縦横無尽に語るアフタートーク。岩井の「みんな俺の言うことを聞いてくれない」という嘆きがタイトルになっている通り、理論的に正しいアドバイスをしているのに誰も従ってくれないという、ある種の悲哀とユーモアが交錯する回だ。花王のクリアクリーン提供というスポンサー枠から始まり、終始リラックスした空気感で、二人の仲の良さと、岩井の「先輩としての悩み」がにじみ出ている。
烏山区民会館——聖地の魅力と運転手の悲哀
岩井と井上は、先日終了した「ハライチライブ60」を烏山区民会館で行ったことを振り返る。岩井は「全体として良かった」「企画も良かったしネタもやった」と満足げで、会場そのものへの愛着を隠さない。「結構好きになってきたな」「めっちゃいいよあそこ」と繰り返し、その魅力を語る。特に周辺の千歳烏山の雰囲気が「あったかい」と評し、駅前の一角でライブが行われているとは思えないほど日常と地続きな空間であることに驚きを表現する。毎回天気が良いイメージがあるが、最初のライブは雪だったというエピソードも飛び出し、記憶の美化と現実のギャップを笑いにする。
しかし、ここで井上が衝撃の告白をする。毎回自分で車を運転して烏山に行っているというのだ。問題は、会場周辺の道が「本当に狭い」こと。商店街のような道をノロノロ運転し、歩行者に「え?入ってきちゃってるよ」という目で見られながら進むという。さらに、その車内からお客さんに「お、井上さんだ」と認識されるという、まさに「オープンカーじゃないだけのパレード」状態。岩井は「なんで自分で運転してんだって話になっちゃう」と笑いを誘うが、井上はそれでも烏山区民会館が好きだと主張する。このエピソードは、芸人としての日常の滑稽さと、それでも愛着のある場所があるという温かさを同時に伝えている。
部屋のこだわり——CD棚と飾る用Tシャツの美学
話題は突如、部屋のインテリアに移る。岩井が「自分はアメカジ寄り」と認めつつ、CDの収納について熱く語り始める。かつてはCDを棚に並べて背表紙を鑑賞するのが好きだったが、今は「見えないようなところに収納している」という。その理由は、CDを飾る行為そのものに「ゾワッとしちゃう」からだ。芸人仲間の部屋に見られる「おしゃれぶったインテリア」——例えばレコードを飾ったり、ヴィンテージTシャツを壁にかけたりするスタイル——に対して、岩井は明確な違和感を表明する。「音楽聴きたいからすぐ出したいんだ」という実用主義と、「飾る用のTシャツ」というコンセプトそのものへの抵抗感が、彼の価値観を如実に表している。
井上は「くぼたさんちみたいな感じ?」と具体名を出して笑いを取ろうとするが、岩井は「ガッチャガチャしてる」と切り返す。さらに、ユニフォームや楽譜を額装する話になると、岩井は「額だけで10万円超えるパターンもある」と、そのコストの高さに驚きつつも、結局は「丁寧だよね」と認める。このセクションは、芸人たちの「おしゃれ」に対する距離感と、岩井の「飾る」ことへの複雑な感情が、軽妙な掛け合いの中で浮き彫りになる。
深夜食堂愛——バターライスと赤いウインナーの物語
リスナーからのメールがきっかけで、深夜食堂談義が炸裂する。ラジオネーム「醤油ちょっとだけ」からのメールで、岩井が深夜食堂について熱く語ったことを受けて、自分もファンだと名乗り出る。そのリスナーは、原作者・安倍夜郎先生の直筆イラストを持っているという自慢話も披露。好きなエピソードとして「バターライス」と「再び赤いウインナー」を挙げる。
岩井はこれに応え、バターライスの回を詳細に解説する。岩松了演じる大金持ちの男が、妻の手料理が豪華すぎて疲れ、深夜食堂でバターライスを注文する。そこに現れる尾形茂雄演じるミュージシャン——実は彼の生き別れの兄だった——が、同じバターライスを食べる。子供の頃に一緒に食べた味が、再会のきっかけになるという感動的なストーリーだ。岩井は「いい話」「すごい話」と繰り返し、その構成の巧みさに感嘆する。さらに、もう一人のリスナー「大江戸沼太郎」からのメールでは、年末のカニの回(実際はラーメンの回だったと後で訂正される)の詳細なあらすじが紹介され、岩井は「全部書いちゃう」「下手なレビューを見てる気持ち」と苦笑い。しかし、その熱量に押されながらも、深夜食堂の世界観——インスタントラーメンを出前するというシュールな設定や、ゲイバーのママがかくまう展開——を楽しそうに語る。
元こゝろへのアドバイス——誰も言うことを聞かない
このエピソードの核心とも言えるセクション。岩井が「元こゝろの山手屋がまた渡辺に戻ってきた」と切り出す。こゝろはかつて岩井が可愛がっていたコンビで、解散して一人になった山手屋が、再び渡辺プロダクションに戻る決断をしたという。岩井は当時、山手屋に「渡辺っぽくないから、うちにいた方が目立つ」とアドバイスした。さらに、解散の危機には「漫才が面白いから解散しない方がいい」と説得した。しかし、結果は解散。そして一人になった山手屋が「渡辺に戻ろうと思う」と言った時も、岩井は「渡辺の中で相方を決めることになるから狭まる。一度誰かと組んで、その意見も踏まえて決めた方がいい」と助言した。にもかかわらず、山手屋は渡辺に戻ってしまった。
岩井の嘆きは深い。「みんな、誰も言うことを聞かないの。なんで俺の言うこと聞かないのって思っちゃった」。さらに、ソフトアタッチメントという後輩コンビも解散してしまい、名古屋に行くと言った時も「行かない方がいい」と反対したが、やはり聞かれなかった。岩井は「全部反対してる。全部なんか逆言ってるけど、全部聞かない」と自嘲気味に語る。井上は「もう決まってて相談してるんじゃない?報告されてるだけかもね」と冷静に分析する。岩井も「こゝろの時なんてほぼそんな感じだった」と認め、実際に家に呼んで話し合いをセッティングしたのに、当日になって「行かない」と言われたエピソードを明かす。岩井は「家を貸してやって、あなた大丈夫ですって。かわいそうに」と、先輩としての情と、それでも聞いてもらえない現実のギャップに苦笑する。
深夜食堂と現実——理想と現実の狭間で
岩井は「深夜食堂の世界だったら、最後に一緒にラーメン食べて終わるんだろうけど、現実社会は深夜食堂じゃないんだよ」と、理想と現実の乖離を嘆く。深夜食堂では、どんなにすれ違っても最後には食卓を囲んで和解する。しかし現実は、アドバイスを無視され、家まで貸したのに「恥ずかしいから行かない」と言われる。岩井は「みんな深夜食堂を見てるんだろうな」と皮肉を込めて言うが、井上は「それ、サーヴィン(相方)は言うこと聞いてる方だよ」とフォローする。実際、岩井の周りで一番言うことを聞いてくれているのは相方の井上かもしれない、というやり取りには、二人の信頼関係がにじむ。
そして、岩井は「じゃあ俺も深夜食堂に行くわ」と宣言する。マスターに「シーフードドリアくれよ」と注文しても、マスターも「切らしちゃって」と言うかもしれない——つまり、深夜食堂のマスターでさえ、岩井の言うことを聞いてくれないかもしれない、というオチ。この自虐的なユーモアが、このエピソード全体のトーンを象徴している。最後に、岩井は「誰も言うこと聞いてくれないんだから、かわいそうな俺のことを言わせてよ」と、深夜食堂を見に行くことをほのめかして締めくくる。
まとめ
このエピソードは、表面的には「誰も言うことを聞いてくれない」という岩井の愚痴に過ぎない。しかし、その背後には、後輩芸人たちへの愛情と、彼らの成長を見守る先輩としての複雑な心境が透けて見える。岩井のアドバイスは理論的に正しい。しかし、人間は理屈だけで動かない。深夜食堂の世界のように、食卓を囲んでわかり合えるわけではない。この現実と理想のギャップを、岩井はユーモアと自虐で昇華している。深夜食堂への熱い語り、烏山区民会館への愛着、CD棚へのこだわり——すべてが、岩井という人間の「誠実さ」と「不器用さ」を浮き彫りにする。そして、そんな岩井を井上が軽妙に受け止め、時には冷静に分析する。この二人の関係性こそが、この番組の最大の魅力であり、このエピソードが「ただの愚痴」ではなく、温かくて少し切ない人間ドラマとして響く理由なのだ。