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100miles100times · 2026年5月8日

#0-69 Podcast 100miles 100times – 東海自然歩道FKT Tomokazu Ihara

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この記事でわかること
  • 東海自然歩道FKT挑戦の記録:1100キロの旅が教えたこと このエピソードは、日本のウルトラランナー・新原智一(Tomokazu Ihara)が東海自然歩道(美濃~高尾、...
  • [0:12] 深夜のドライブから始まる旅——「スタートは12時、到着は6時11分」 エピソードは深夜0時過ぎ、大阪へ向かう車中から始まる。ホストの小林(Answer4)と...
  • 車中では、小林と新原の長い付き合いが語られる。初めてサポートしてもらったのはUTMF(Ultra-Trail Mt.
こんな人向け

自分では見つけにくい海外Podcastの話題に、日本語で気軽に触れたい人。

出典Podcast

100miles100times / Tomokazu Ihara

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東海自然歩道FKT挑戦の記録:1100キロの旅が教えたこと

このエピソードは、日本のウルトラランナー・新原智一(Tomokazu Ihara)が東海自然歩道(美濃~高尾、約1100キロ)のFKT(Fastest Known Time)に挑戦した7日間の記録である。車中泊での移動から始まり、スタート地点での緊張、順調な初日、そして徐々に悪化する足のトラブル、最終的なリタイア決断までを、本人とサポートクルーたちの生の声で追う。単なる挑戦記ではなく、「自分の限界に挑むとはどういうことか」という深い問いを投げかける、稀有なドキュメントだ。

0:12深夜のドライブから始まる旅——「スタートは12時、到着は6時11分」

エピソードは深夜0時過ぎ、大阪へ向かう車中から始まる。ホストの小林(Answer4)と新原、そしてサポートクルーの奥村の3人が、スタート地点の美濃へ向けて約466キロのドライブをしている。新原は「到着時間は6時11分、スタートが12時なので約6時間前」と淡々と状況を説明するが、その口調には緊張と高揚が混じっている。途中、有名な「団子坂」のスタンドが開いていないかどうかという他愛ない会話が交わされるが、これが後に「足柄インターだった」と訂正されるなど、旅の始まりらしい軽妙な空気が漂う。

車中では、小林と新原の長い付き合いが語られる。初めてサポートしてもらったのはUTMF(Ultra-Trail Mt. Fuji)で、それ以来TD(トランスジャパンアルプスレース)や新越、天狗などのレースで何度も協力してきたという。小林は「天狗では3時間に1回会えた。ご飯ちゃんと毎回起きてたもんね」と振り返り、新原は「光でわかるんですよ。待ってくる、待ってくる。俺しかいないんだもん」と笑う。この何年もの信頼関係が、今回の挑戦の土台にあることが伝わってくる。

1:56雨の予感とラムネの効能——「眠気に弱い人はちょっとダメですよ」

車中では、眠気との戦いも話題になる。新原は「昨日酒控えめにしてたから、酒を抜くと眠くなるっていう症状、まだ解決してない」とこぼす。これに対し小林は「ラムネを食うと目が覚めるよ」とアドバイス。実際に試したところ「結構効果的というか、周りと眠気がそこまで来ないというか、僕から聞いた噂は本当だった」と新原も認める。ただし「眠さに弱い人はちょっとダメですよ」と付け加えるあたり、ウルトラランナーならではの体質の違いが感じられる。

この何気ない会話が、後に大きな意味を持つことになる。長時間の移動と睡眠不足が、体のコンディションにどう影響するか——この旅のテーマを象徴するようなエピソードだ。

11:42美濃到着、そしてスタート——「走る食べる寝る、それだけに集中できる幸せ」

10月1日朝7時46分、美濃ビジターセンター近くの駐車場に到着。雨は降らず、曇りで気温24度。「走るにはもう最高の天気」と新原は言う。台風の影響もなく、天候に恵まれたことがまずは幸運だった。

スタート直前、地元のランナー・ドミンゴが偶然現れる。「実家が大阪なんで、朝散歩に来たらハイテクがあって、あれ?と思ったんです。トモさんもいて。びっくりしたなぁ」と笑う。新原は「ここから高尾まで走るんです」と答え、地図に「至る高尾おっさん」と書いてあるのを見せ合う。この何気ない出会いが、旅の始まりに温かみを添える。

新原は「広木さん流に言うと、2週間走ること以外考えなくていいっていう、そんな幸せなことはないですよ」と語る。この言葉には、日常の雑事から解放され、走ることだけに没頭できることへの純粋な喜びが込められている。しかし同時に、この「走ることだけに集中する」という状態が、体の異常に気づきにくくするという皮肉も、後になって浮かび上がる。

20:11初日、順調な滑り出し——「ミスコースはゼロ、完璧なルート」

スタートから約7時間半後、66キロ地点で京都のペーサー・大浦さんと合流。新原は「今日はペーサーのマッサさんが完璧なルートを辿ってくださるので、ミスコースはなんとゼロです」と報告する。初日の目標は77キロで、残り30キロ。ペースは「比較的歩きも多めに出て、走るのは平らなところと下りのみ。登りは歩く」という戦略だ。

初日を終えて、新原は「まだまだ余裕がある」と語るが、同時に「こんなうまくいったら終始楽しいのかな」とも言う。この楽観的な見通しが、後にどのように崩れていくのか——リスナーはその後の展開を知っているからこそ、この言葉が切なく響く。

28:002日目、異変の兆し——「足が熟成してスペースが落ちちゃった」

2日目、朝7時24分。新原は「今日は85.8キロぐらい」と目標を掲げる。天気は晴れ、気温20度と走りやすい。しかし、この日から足の違和感が表面化し始める。

午後4時28分、新原は「木段地獄」と呼ばれる急な階段区間を進む。ペーサーの佐藤さんは「昨日70キロ以上走った足とは思えないくらい」と驚くが、新原は「ちょっとペースがなかなか走れないんで、登りで」と正直に認める。この時点ではまだ「抑えながら行く」という戦略が機能しているように見える。

しかし、夜11時19分、2日目を終えた新原の口調は変わる。「ちょっと後半、足がなかなか熟成してて、スペースが落ちちゃったんです」。この「熟成」という表現が、痛みを婉曲に伝えている。それでも「お風呂がある宿なので、ゆっくりマッサージしてケアして明日に備えたい」と前向きだ。

37:253日目、判断の山場——「今日が判断する山場ってのは?」

3日目朝、新原は「熟睡しすぎて寝坊しました。イコールよく寝れたっていうことなので、いい方向に進んでくれれば」と語る。しかし、この日は「シンスプリントっぽい」という診断が下される。平野先生(本庄ボディケアの先生)から送られた説明書を基に、マッサージとケアを施す。

小林が「今日が判断する山場ってのは?」と問うと、新原は「今日明日じゃないですか?明後日から僕が高尾に帰っちゃうから寂しくなる」と答える。この「寂しさ」は、単なる感情ではなく、サポートクルーが減ることで体のケアが手薄になるという現実的な懸念でもある。

この日、新原は「ペーサーがいるときは自分が前を行って分岐を判断する」と語る。後ろに付かず、自分の目でルートを確認するスタイル。このこだわりが、後に「一人でルートを探すストレス」として表面化する。

1:31:48リタイア決断、そして振り返り——「自分の限界に挑戦できたと思ってる」

10月18日、高尾の「リビングデッドエイド」で、小林と新原が対面で収録する。新原は10月7日朝、足の痛みで目覚めたことを語る。「足の痛みで起きました。眠さに勝るような痛みで」。右足は「ふくらはぎと同じくらいの太さで、くるぶしが見えない」状態だった。

リタイアの決断について、新原は「正直、不安しかなかった。でも自分の経験値で、付き合いながら行きたいっていう気持ちで向かって、初日で足がやっぱりダメで、でもなんとか行きたいなっていう、毎日がちょっと挑戦だった」と振り返る。

そして、この挑戦の意味をこう語る。「今回のチャレンジをしたことによって、僕はすごく成長できたと思ってる。僕も自分の限界に挑戦できたと思ってる」。この言葉には、FKTという結果だけでなく、プロセスそのものに価値を見出す姿勢が表れている。

まとめ——「自分自身のヒーローであれ」

このエピソードが最も印象的に残すのは、新原智一というアスリートの「人間らしさ」だ。1100キロのFKT挑戦は失敗に終わったが、彼はそれを「成長の機会」として受け止めている。そして、リスナーに向けて「自分自身のヒーローであれ」というメッセージを贈る。

「人と人を比べる物差しではなく、自分の中でこれだけ頑張ったという物差しで測ってほしい」——この言葉は、ウルトラランナーだけでなく、何かに挑戦するすべての人へのエールだ。挑戦の結果がどうあれ、そこに至るプロセスと、自分自身との対話こそが価値を持つ。このエピソードは、そのことを静かに、しかし力強く教えてくれる。