
自分にどれだけ価値がある?「希少性」と「責任の重さ」で測る市場価値の見積もり方
- 外から見れば順風満帆に見える人でも「自分の積み上げてきた経験に確固たる自信が持てない」という声は多い。玉置真理は、仕事を「作業」「コミュニケーション」「判断」の3要素に分...
- [4:12] なぜ「順調なのに自信がない」人が多いのか 玉置は、受講生と話していて「客観的には順風満帆に来ている方でも、自分が積み重ねてきたものに自信がない」という発言を...
- この状態を玉置は「サンタさんの袋」の比喩で説明する。入社したときにズタ袋を一つもらい、そこにやった仕事を一つずつ入れていく。最初は「初めての仕事だ」と興奮とときめきを持っ...
メタ仕事論 / 玉置真理 / 岡島匠
外から見れば順風満帆に見える人でも「自分の積み上げてきた経験に確固たる自信が持てない」という声は多い。玉置真理は、仕事を「作業」「コミュニケーション」「判断」の3要素に分解し、それぞれの希少性と需要、そして判断が誤ったときの影響範囲(=責任の重さ)を査定することで、根拠のある自信につなげる方法を解説する。岡島匠が自身のライター経験や独立後の甘えを反省しつつ、AIによる供給増が市場価値をどう変えるかにまで話が及ぶ、実践的で率直な対話になっている。
なぜ「順調なのに自信がない」人が多いのか
玉置は、受講生と話していて「客観的には順風満帆に来ている方でも、自分が積み重ねてきたものに自信がない」という発言を聞くことが非常に多いと指摘する。同期の中で一番に昇進し、昇給もしてきたような人でも「自分に価値があるんだろうか」という漠然とした不安を抱えているというのだ。外から見れば「普通にキャリアを積んでいるじゃないか」と言われるような状況でも、本人の中には確固たる自信がない。岡島も「いるみたいですね、結構」と同意する。
この状態を玉置は「サンタさんの袋」の比喩で説明する。入社したときにズタ袋を一つもらい、そこにやった仕事を一つずつ入れていく。最初は「初めての仕事だ」と興奮とときめきを持って丁寧に眺めながら仕事をするが、忙しくなり摩擦や感情が生じ始めると、それがどういう仕事でどういう経験なのかを吟味も考えもせず、終わった終わったと袋に放り込んでいく。その生活が10年、20年と続くと、ある日「あなたの袋に入っているのは何ですか」と聞かれても答えられない状況になる。一個一個ちゃんと何が入っているのか、どういう価値があるのかを査定もせずに入れているので、全部がガラクタかもしれないという恐れが生じるのだ。
だからこそ、袋の中身を開けて整理するしかない、と玉置は言う。受講生には伴走コンサルタントがついて一つ一つ棚卸しをしていくが、対話しながらやった方が早いだけで、自分でできないわけではない。この回では、どうやったら自分の積んできたものを自分で整理できるのかという方法が語られる。
仕事は「作業・コミュニケーション・判断」の3種類しかない
玉置はまず、仕事の構成要素を整理する。一つ目は「作業」で、手順が決まっていて、その人が手を動かしてやること——入力、作成、チェックなどがこれにあたる。二つ目は「コミュニケーション」で、依頼・報告・合意など、人や情報を動かすもの。三つ目が「判断」だ。玉置は「ごく乱暴な言い方をすると、仕事ってこの三種類しかないんです」と断言する。岡島は「モーラできてる感じがしますね、本当だ」と感嘆する。
企画はどれにも当てはまらないように見えるが、判断とコミュニケーションがミックスされたものだと玉置は説明する。会議もコミュニケーション+判断(人によっては判断そのもの)、マネジメントも判断とコミュニケーションである。つまり構成要素としてはこの3つしかないと理解した上で、自分がどんな作業をしてきたのか、どんな判断をしてきたのか、どんなコミュニケーションをしてきたのかを分類していくのが出発点になる。
ここで玉置は「価値」の二種類を区別する。自分の満足感や達成感、充実感といった主観的な価値と、市場価値という客観的な価値だ。自信が持てないときに問題になるのは圧倒的に後者で、転職市場での価値、つまり他の人・社会から見た価値である。市場価値は市場でしか価格がつかない。そして客観的価値=市場価値を決めるのは「希少性」と「需要」だ。希少なものは高く、たとえば宝石は高くプラスチックは安い。ただし希少性が高くても需要がなければ価格はつかない——すごく珍しいけれど誰も必要としないものに値段はつかない、と玉置は言う。岡島は「全く美味しくもない魚」を例に挙げ、水族館などで需要があるかもしれないが、珍しいだけではほとんど誰もいらないと応じる。
AIは「供給の増加」として市場価値を下げる
玉置はAIに仕事を取られるかどうかという不安の一要因として、AIが「供給が増える」ことを挙げる。AIでもできるとなれば、AIで需要を満たしてしまい、市場における需要がそもそも少なくなる。すでに事務職の募集は結構減ってきているという。現状の日本の労働環境では事務職の削減はやりづらいが、新規採用を控えることはどの会社もできる。今いる人数でAIを使って生産性を上げるが人は採らない、ということはすでに起きている。
「専門スキルがあると給料が高い」というのは都市伝説的な部分もあるが、事実の部分もある。希少性が上がるからだ。誰でもできる作業ではなく、特定の訓練・資格・経験がないとできない作業——たとえば医師がやる手術は手を動かす部分に関しては手順の決まった作業であり、医師ごとのオリジナリティはない。しかし訓練・資格・経験が必要なので高い報酬が得られる。こうして自分の作業が希少性が高いのか、希少性は高くないが需要が非常に高いのかを仕分けできる。
コミュニケーションも同じ構造だ。店舗でお客さんに聞かれた質問に決まった答えをするのは誰でもできるコミュニケーションで、市場価値は低い。一方、人質を取っている犯人と交渉するのもコミュニケーションだが、素人が訓練も経験もなしにできる仕事ではないので希少性も市場価値も高い。翻訳・通訳もコミュニケーションの一つで、対面の言葉のやりとりも文字で伝えるのもコミュニケーションだが、AIによって翻訳が自動的にされるようになった瞬間に供給が増え、需要がなくなる。翻訳・通訳をやってきた人の仕事が減り、もらっていた報酬がもらえなくなることが起きている。ライターの仕事も同じで、書くというコミュニケーションがAIに代替され、仕事が減り市場価値が下がっている。岡島は「ライターやばいですよ。ライターでやってたんでね」と切実に反応する。
営業もコミュニケーションだ。誰でもできる説明をする営業なのか、達人と言われる営業なのかで市場価値は全く変わる。岡島は「この人に頼んだらめっちゃ売ってきてすごい」という人なら価値が高そうだが、マニュアル通りに説明するだけで売れる商品だからとりあえず行ってきて、という営業なら価値は上がらなそうだと整理する。玉置は、AIに問い合わせ先へ営業メールを何千通・何万通も送り、問い合わせがあったら対応するというパターンの営業は専門性が低く市場価値が低いと述べる。営業は個人のセンスに紐づくと思われがちだが、基本は手順やノウハウが死ぬほどあり、その場面でどの手順・どのプロトコルを使うべきかという判断をした上で適切なコミュニケーションを積み重ねていく地道な作業なのだ。
専門知識と「ポータブルスキル」の仕分け
作業とコミュニケーションは、簡単なものと難しいものを自分でイメージしやすい。専門知識がないとできないコミュニケーションの例として玉置は、ある研究をしている学者に対して資材を販売する商社の営業を挙げる。研究内容や資材に関する専門知識がないと会話もできず、その学者のどの場面のどういう困りごとを解決するのかも説明できず、質問にも答えられない。専門知識があるからできるコミュニケーションになっており、そこに需要があれば専門性を加味して評価される。
難しいのは、この専門知識が業界や商品を離れた瞬間に価値を失うことだ。この資材を使っていてこの研究分野に関しては非常に知識を持っているので専門性や希少性を発揮できていても、魚の販売になったら全く意味がなく価値がゼロになる。岡島は「資材や分野に超詳しいから売れていたのであって、魚には詳しくないから魚でまためっちゃ詳しくなるのはめっちゃ大変」とまとめる。だからこそ色分けが必要で、転職したら価値がゼロになる部分と、相手の反応によって蓄積したノウハウや方法論を使って営業する部分——魚に行っても大丈夫な部分を分けなければならない。後者が「ポータブルスキル」、持ち運びできるスキルだ。転職市場という広い目で見ると、ポータブルスキルが高い方が市場での価値は上がる。
岡島が「ソフトスキル」という言い方と似た認識かと尋ねると、玉置は「私、ソフトスキルって言葉あまり使わないので」と答え、分類として使えるのか疑問を呈する。岡島も「漠然とそっちの方が解像度粗い定義な気がする」と補足する。
判断業務と「責任の重さ」=間違えたときの影響範囲
残るのが「判断」だ。入社間もない経験の浅い時期には、これは判断業務ですと与えられることは少ない。マニュアルで決まっていれば手順が決まっているので判断業務ではない。しかし経験値を積むとイレギュラーなことが起き始め、マニュアルでは対応できない場面で多少なりとも判断業務が発生する。そして「責任=判断の対価」だと玉置は言う。管理職は責任を持っているから給料が高い、責任に応じて報酬が上がるという言い方をするが、責任とは結局、判断業務に紐づくことが多い。責任の重さとは「間違えたときの影響範囲・規模」なのだ。
影響範囲の大きい判断を適切にできるかどうかが責任であり、あなたはこの責任を取ってください、その代わりこれだけの報酬を差し上げますと言うときは、この影響範囲に関する判断を適切にすることを期待されていますということだ。ニュースでよくある「責任を取ります」「報酬カットです」「今までもらった報酬を返還します」というのは、影響範囲の大きい判断を任せるから期待値であなたには報酬を払っていたが、判断を失敗したので責任を取ってくださいという構図になっている。
年数を重ねて給料が上がっていく局面では、判断業務をどれだけしているか、どれだけ影響範囲の大きい判断をしてきたかが見られている。単価が上がりやすい領域でもあり、経歴が短くても関係する。自分では意識していないかもしれないが、これまでの仕事の中でどういう判断をしてきたかを掘り出し、その判断を間違えるとどれだけの影響があったかを算定していく。影響範囲が小さければ責任も小さく市場価値も低い。影響範囲の大きい責任を任され、それをミスなく完遂していれば市場価値は当然上がる。
作業にも責任は伴うが、間違えたときの影響範囲は基本的に小さく、判断ほどではない。新人社員にマニュアルを渡して核爆弾のスイッチを押させることはない——それは作業ではなく判断になるからだ。マニュアル化されている作業は、影響範囲も想定の上でミスも含めた上で決められている。医師の手術の例で言えば、対象となる患者が毎回違うので難易度が上がる作業であり、マニュアルはあるが変数の部分が大きい。つまり作業プラスかなり判断が占める割合が大きくなっている。工場でパンを作る場合は毎回そんなに変わらず変数が小さいので、作業としての難易度は下がり、判断業務もほとんどない状態になる。
実際の査定手順——100ページの資料と会計レポート
玉置は具体的な査定の例を示す。100ページにわたる資料を作成するという作業があったとする。量がすごいから市場価値が高いのではない。この作業をミスしたときに何が起きるかと言えば「部長に怒られます」程度なら影響範囲は小さく、ミスも修正せずに済むので責任は軽い。だとすれば100ページの資料を作っても市場価値は高く見なされない。しかしこれが会計レポートで、ある会社の価値を算定するための基礎資料だと、会計知識という専門知識が必要になり、同じ100ページでも市場価値は高い。
コミュニケーションでも同じだ。役員へのプレゼンで説明し合意がなされない場合にプロジェクトが止まり、損失が数十億生まれるとなれば、かなり責任が重いコミュニケーションになる。「今日遅刻しました」と課長に報告するのと比べれば圧倒的に重い。岡島は「めっちゃ食らうでしょうね」と笑うが、玉置は「個人的には多分ダメージ大きいんですよ」としつつ、市場価値は絶対に高い話ではないと締める。
こう整理していくと自分がやってきたことが全部分類できる。ただし罠がある。希少性や専門性を判断するときに、自信がないと言っている人は「これは当たり前だから希少性がない、専門性がない」と見てしまっていることがよくあるという。この判断は誰でもできると思い込む癖があり、客観的に市場価値が測れていない。外部から「いやいや、それ当たり前じゃないですよ」と指摘してあげるのが他者とコミュニケーションしながらこのプロセスをやる良さだが、自分でもちゃんと客観的に判断すればいいだけの話だ。それで価値のある作業・判断・コミュニケーションがどこにあるかを出せば、市場価値をどう測られるかが出てくる。
もし今やっている仕事で作業も判断もコミュニケーションも価値の低い方しかやっておらず、それが長い時間続いているなら、市場価値は横ばいのまま来ているということになる。玉置は「それはちょっと焦った方がいいかもしれない」と警告する。
年齢という変数とキャリアの「横ばい」
転職市場にはもう一つ「年齢」という変数がまだ結構大きく効いている。40を超えていればマネジメント経験があってほしいとなることが多い(企業による)。この年齢ならこの給料でこれくらいできてほしいという期待値がなんとなくあり、全社・全業界にピタッと当てはまる基準ではないが、募集企業は自社にいる人から抽象化したイメージを持っている。25歳ならこれくらいできるよね、30歳ならこれができてほしいよねというのは多かれ少なかれ持っている。
するとキャリアの横ばい期間が長いと「30歳なのにまだ第二新卒みたいなことしかしてないの?」という形でマイナス評価を受けることがある。自分の査定をして価値がある・ないを棚卸しすることも大事だが、横ばいになっていないかは考えた方がいい。後々転職するときに不利になることがあるからだ。ただし転職したいと考えたときに市場価値はあまり関係なくなる——市場と関わらないからだ。それはそれで別にない選択肢ではない。玉置は全員に転職しなさいと勧めるわけではなく、今いる会社で勤め上げる選択肢も当然あると言う。ただ社内でもキャリアアップできるかは同じルールで、社内にも市場の原理がある。いずれにしても自分が働くことによってどんな経験値を積み、価値が上がっているのかはちゃんと意識した方がいい。
将来望む働き方やキャリアアップの希望があるなら、現在地はちゃんと見ておいた方がいい。現在までに積み重ねたものが何かが分かっていて目標が立てられれば、その差分をどう埋めるかという課題解決をすればいいだけの話になる。両方漠然としていると、ずっと漠然と不安なのだ。
「お化けが怖いのは見つめてないから」——悩みを課題に変える
岡島が最近聞いていないと前置きしつつ、玉置がよく使う「お化けが怖いのは見つめてないからだ。よく凝視してみるとカーテンが揺れてるだけだったりする」という例えを引くと、玉置は「そうなんですよ。不安なんですよ、それ」と応じる。何も持ってないかもしれない、全部ゴミかもしれないと思えばめちゃくちゃ不安だ。かつ目指しているところも曖昧だと、ずっと何か足りない感じがする。今が満足度100で完全に幸せな状態と言い切れなければ全員不安になってしまう。
どちらにしても課題を出してしまえば、それは解決するだけになる。そこまで行くと人は「悩む」のではなく「考える」になる。悩むというのは多分全部が曖昧だからだ。だから不安だな、自分って今まで何を積み上げてきたんだろうなと思ったら、一度サンタの袋をちゃんと開けて仕分けをしてみる。自分にはこういう価値がある、こういう希少性がある、専門性がある、この部分は市場で需要が高いであろうと思えると、それが根拠のある自信につながる。
よくある誤解として玉置は、自分の能力やスキル、頭の良さといった外部的なものに自信の根拠を求めるあまり、頭のいい人がやっている本を買ってしまう現象を挙げる。自信の根拠はそこではない。自分がやってきたことが土台になる自信こそ本当に強い自信で、頭が良くなったとしてもそんなに自信にはつながらない。岡島も、実際に社会の中で外から見てどうか、希少性と需要とはまた別だと補足する。
さらに良いこととして玉置は、自分が仕事をする中でどれだけの難易度の作業をしようか、どういう判断業務をしようか、どういうコミュニケーションをしようかというところを、今よりちょっと背伸びした届く範囲くらいに設定し、そこを目指して環境を整えたり努力したりできると言う。それを自分で達成していくと、そこは確実に自信になってくる。転職するならその部分が鍛えられる場所に転職する、社内でも判断業務ができるポジションに移動できないか、上司に話してこの業務をやらせてほしいと自分から提案してチャンスをつかみに行くというのも選択肢だ。
人的資本の「残高」を可視化する
岡島は、会社を出るにしても残るにしても、人的資本・社会資本・金融資本という考え方があると指摘する。金融資本は証券口座の運用何パーセント、口座残高いくらという形で数字が出るが、人的資本=自分の能力の場合はぼっとしていると数字に出ず、残高が分からないまま日々生活している状態になる。だからこそまずはっきり出すために玉置の話したことをやるべきだという。転職する気がなくても履歴書を書いてみる、転職活動をやってみるだけやってみた方がいいと言われるのはまさにこの部分で、自分の専門性とそうでないもの、希少性と需要を一人で考えるだけだと限界があり分からなくなる。実際に面接を受けてみる、客観的な意見をもらうといったことがあると確かに分かるのだろうと岡島は述べる。
玉置は、自分が今いる場所でちゃんと棚卸しができ、働くことによってメモリが右に動いていって詰まっていってる状態ができるなら、別に転職の必要は全くないので自信を持って働けばいいじゃないかと返す。また受講生には自信がないからもう一回勉強し直すという動機の人もいるという。ロジカルシンキングの研修を徹底的に受けたコンサル出身者で「自分がどれだけできるかは自信があります」という人はレアだ。仕事の中で何となく身を真似て自分なりに考えてやっていると「これって合ってるの?他にいい方法ないの?」が分かりづらい。一番はどちらにしても自分が積み上げてきたものをちゃんと精査する今の方法だが、もう一度勉強し直すことによって自信をつけるのも一つの方法としてありだと玉置は認める。
背伸びした仕事と挑戦が自信になる
岡島は「そろそろ時間だな」と思って焦り始めたと言い、自分自身が「やばい、影響範囲の小さい判断を重ねてきていないかな」と焦り始めたと告白する。ライターがAIで希少性が薄れていく話を聞き、漠然とまだ袋の中身をめっちゃ見ているわけではないのに大丈夫かなとなっているので、この後やろうかなと思うと語る。玉置は「いいですね、焦りが」と応じる。
玉置は、背伸びしたぐらいの仕事をしているかどうかが大事だと言う。最初はちょっと無理かな、普通にやったら難しいんだけど背伸びして届くぐらいの仕事をやっていると案外成長している。できる範囲で仕事をずっとやっていると成長が止まっている可能性があり、逆に難しいことに取り組む気持ちとか筋肉が弱っている可能性がある。玉置自身も定期的にちょっと無理めなことをやってみるのを心掛けており、「できる範囲で仕事をしない、絶対。そうしたら成長が止まっちゃうから」と断言する。そこも自信につながる——「まだ大丈夫」という自信だ。
岡島は最近やったことのない仕事として、玉置に言われてYouTubeを始めたことを挙げる。「動画わかんねえ」と思いながらやっていたら結構「こんな感じなんだな」と分かってきて楽しかったといい、「挑戦していきたいですね」と前向きに締める。玉置は「YouTube爆良いと思います」と後押しし、岡島は「爆当てします」と応じる。ポッドキャストもコツコツと結構な規模になってきていることが嬉しいと岡島は感謝を述べる。
岡島は最後に、市場価値について改めて自分を振り返ろうと思ったと語る。転職というより、今の変な独立の仕方をしているので甘えている部分があったな、ふわっと刺したまま「でもまあいいかな」となっていたなという反省があったといい、「振り返りしようってすごい覚えました」と述べる。玉置は「ぜひやってみてください」と促し、岡島はリスナーも自信につながるはずだと結ぶ。番組は毎週水曜更新で、フォローと高評価を呼びかけ、玉置が運営する伴走サポート付きキャリア逆転塾「一旗」の案内(LINE登録で無料相談会の案内、企業向け講習の枠もある)をして終わる。
まとめ
この回の核心は、漠然とした自信のなさを「サンタの袋」という具体的なイメージに落とし、仕事を「作業・コミュニケーション・判断」の3要素に分解して、それぞれを希少性・需要・責任(間違えたときの影響範囲)で査定するという、再現可能な手続きを示したことにある。特に「責任=判断の対価=間違えたときの影響範囲」という定義は、給与や報酬のニュースを読むときの視座を変える。またAIによる供給増が翻訳・通訳・ライター・事務職の市場価値を下げているという指摘は、岡島自身のライター経験と重なり、他人事ではない切実さを持つ。最後に玉置が「できる範囲で仕事をしない、絶対」と断言し、背伸びした仕事が新たな自信を生むという成長の回路を示した点が、単なる査定論を実践論に変えている。
要点
- 仕事は「作業」「コミュニケーション」「判断」の3要素に分解でき、企画や会議やマネジメントもこの組み合わせとして理解できる。
- 市場価値(客観的価値)は「希少性」と「需要」で決まり、主観的な満足感・達成感とは別物である。
- AIは供給を増やして需要を代替するため、翻訳・通訳・ライター・事務職などの市場価値が実際に下がっている。
- 専門知識による希少性は業界や商品を離れるとゼロになりうるため、持ち運べる「ポータブルスキル」を仕分ける必要がある。
- 責任の重さ=判断業務の対価=間違えたときの影響範囲・規模であり、報酬返還のニュースもこの構図で説明できる。
- 作業にも責任は伴うが影響範囲は基本的に小さく、マニュアル化はミスを含めた想定の上で設計されている。
- 自信がない人は「これは当たり前だから希少性がない」と思い込む罠にはまりやすく、客観的な査定が歪む。
- キャリアの横ばいと年齢の期待値は転職市場でマイナス評価になりうるため、現在地の可視化と背伸びした仕事への挑戦が根拠ある自信につながる。